- レギュラーを決めるとき、何を基準にすればいいのか迷う
- 選ばれなかった選手や保護者に、うまく説明できない
- えこひいきだと思われていないか、いつも気になる
こんな悩みを解決します。
バレー部のレギュラーの決め方は、評価軸を先に決めて、選ぶ前に選手へ公開する。この順番を守るだけで、ほとんどの不満は消えていきます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで選手を指導してきましたが、選手が納得できないのは選ばれなかったこと自体ではありません。何で選ばれたのかが最後までわからないことなんですよね。
逆に、基準がはっきりしているチームでは、外れた選手も次に何をすればいいかを自分で決められます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- レギュラーを決めるときに使う4つの評価軸がわかる
- 選考基準を作って選手に伝えるまでの5ステップがわかる
- 選ばれなかった選手への具体的な伝え方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:基準を先に決めて先に伝えれば決め方は揺れない
先に結論をお伝えします。レギュラーの決め方でもめる原因は、選び方そのものではなく、基準が後出しになっていることです。
同じ6人を選んでも、基準を先に示したチームと、選んでから理由を説明したチームでは、選手の受けとり方がまったく違ってきます。
先に示した場合、選手は「その基準で見られている」と理解した状態で練習に向かえます。後から説明すると、どんなに筋の通った理由でも言い訳のように聞こえてしまうんです。
れおコーチ決めたあとに理由を聞かれるのが、いちばん苦しいです…。



決める前に言っておけば、その苦しさはなくなりますよ。
つまり指導者がやるべき仕事は、6人を選ぶことよりも先にあります。何を見て選ぶのかを言葉にして、全員に配ることです。
基準は立派な文章である必要はありません。ポジションごとに見る項目を3つ書いた紙が1枚あれば十分です。
大切なのは中身の完成度ではなく、選ぶ前に全員が同じものを見ているという事実のほうなんですよ。
この記事では、その基準の作り方と伝え方を順番に見ていきます。
なぜ選考基準を先に公開するのか
基準を公開することには、勇気がいります。細かく詰められたら困る、と感じる指導者は少なくありません。
それでも先に出したほうがいい理由が2つあります。
基準がないと不満は「えこひいき」に変わる
人は理由がわからないできごとに出会うと、自分で理由を作って埋めようとします。
選ばれなかった選手にとって、いちばん手に入りやすい説明が「気に入られている子が選ばれた」という物語です。
これは選手の性格の問題ではありません。判断の根拠が見えない状況では、誰でも起こりうる自然な反応だからです。
基準を先に出すのは、指導者を守るためではなく、選手が自分を責めすぎないためでもあります。
保護者から選考について聞かれたときも、先に配った基準が1枚あるだけで話がまったく変わります。
指導者の主観をたずねる場から、共有ずみの基準を一緒に確認する場に変わるからです。



説明ではなく、確認になるんですね。
基準があると練習の的が定まる
もう1つの効果は、選手の練習が変わることです。
サーブレシーブの返球率を見ると伝えれば、選手は自主練習の時間をそこに使い始めます。
的が見えていない状態で「もっと頑張れ」と言われても、何を増やせばいいのかは決められません。
私は選手に伝えるとき、頑張る量ではなく、どこを見ているかを先に言うようにしています。



何をどう伸ばせばいいのか、わからないままなんだ。



見るところを言葉にしてあげると、練習が変わりますよ。
基準を出すことは、評価のためだけの作業ではありません。チーム全体の練習の質を上げる指導そのものだと考えてください。
実際、レギュラーから外れている選手ほど、この効果は大きく出ます。何を伸ばせば近づけるのかがわかった選手は、練習の1本1本の意味が変わります。
レギュラーを決める4つの評価軸
ここからは、実際に何を見るのかという話に入ります。評価軸は4つに整理すると扱いやすくなります。
評価軸①:ポジションに必要な技術
1つ目は、そのポジションで求められる技術です。
セッターならトスの安定、リベロならサーブレシーブの返球、ミドルブロッカーならブロックの移動、という形で分けて考えます。
ここで大切なのは、全員を同じものさしで測らないことです。全ポジション共通の総合力で並べると、その役割でしか光らない選手が埋もれてしまいます。
評価軸②:試合での安定性
2つ目は、練習ではなく試合で出せる力です。
練習で10本中8本決まる選手と、試合で10本中5本決まる選手がいたとき、チームが計算できるのは後者になります。
判断材料は、練習試合の記録で十分です。得点よりも、ミスの本数と、ミスが続いたあとの立て直しに注目してください。
記録といっても、細かい数字をそろえる必要はありません。1セットの中でサーブレシーブが返らなかった本数を数えるだけでも、印象で決めるより確かな材料になります。
数字が残っていると、選手に伝えるときにも説明が短くてすみます。
評価軸③:チームの中での役割
3つ目は、その選手がコートに入ったときにチームがどう変わるかという視点です。
声が出る、つなぎで粘れる、雰囲気が落ちたときに切り替えられる。数字には出にくいものですが、勝敗を分ける場面では確実に効いてきます。
ただし、この軸だけで選ぶと基準があいまいになります。技術と安定性を見たうえで、最後に効く軸として扱ってください。
書き方を工夫すれば、あいまいさは減らせます。
「声が出る」ではなく「サーブを打つ前に必ず味方へ合図を出す」のように、外から見える行動に置き換えるのがコツです。
評価軸④:練習への向き合い方
4つ目は、日々の練習での取り組み方です。
出席や態度そのものを点数にするのではなく、指摘したことを次の練習までに直そうとしているかを見てください。
伸びる選手は、直す速さが違います。今の実力が同じなら、直す速さのある選手を選ぶほうがチームは強くなっていきます。



4つに分けると、説明しやすくなりますね。



迷ったときも、どの軸で迷っているのかがはっきりしますよ!
選考基準を作る5ステップ
評価軸が決まったら、チームの基準に落とし込みます。手順は5つです。
最初のステップを飛ばさないでください。全国を目指すチームと、全員が試合を経験することを大切にするチームでは、選ぶ基準がそもそも変わってきます。
必要な力を書き出す2つ目のステップでは、思いつくままに並べてかまいません。絞るのは次のステップの仕事です。
項目を3つまでに絞るのは、多すぎると選手が覚えられないからです。10項目の基準表は、無いのとほとんど変わりません。
見直す時期を決めておくことも大事です。大会ごと、あるいは月に1回など、区切りを先に伝えておけば、選ばれなかった選手も「次がある」という前提で練習できます。
- 抽象語ではなく、見て判断できる行動で書く
- ポジションごとに分けて書く
- 紙かノートに残して、口頭だけで終わらせない
「一生懸命やる」ではなく「決められたコースへサーブを打ちきる」のように、外から見て判断できる言葉に置き換えてください。
選ばれなかった選手への伝え方
基準を作っても、伝え方を間違えると台無しになります。ここがいちばん神経を使う場面です。
全体発表の前に個別に話す
メンバー発表の場で初めて知る形は避けてください。人前で外れたと知らされること自体が、選手にとっては大きな痛みになります。
短くてかまわないので、発表の前に1人ずつ声をかけます。
このとき、伸びている部分から先に話してください。できていないところだけを並べると、選手は最後まで話を聞けなくなります。
時間は1人3分でも足ります。長く話すことよりも、発表より前に本人の耳へ届けたという事実のほうが効きます。



先に聞けていたら、受けとめ方が違ったと思う。
課題は1つだけ渡す
伝えたいことが3つあっても、渡すのは1つに絞ります。
私のスクールでも、選手に課題を渡すときは1回に1つだけと決めています。
複数を同時に直そうとすると、どれも中途半端になって結果が出ません。結果が出ないと、選手は基準そのものを信じなくなっていきます。



気になるところが多すぎて、つい全部言ってしまいます。



1つ直ってから次を渡すほうが、結局は早いですよ。
外れた選手が次の練習で何をするかまで決まったら、その面談は成功だと考えてください。
やってはいけない決め方
最後に、避けたい決め方を2つ挙げておきます。どちらもチームの信頼を静かに削っていきます。
学年や在籍年数だけで決める
上級生から順に使うやり方は、決めるほうは楽です。もめごとも起きにくいでしょう。
ただ、この方法を続けると下級生が努力しても届かないと感じ、練習の熱量が下がっていきます。学年は判断材料の1つであって、基準そのものではありません。
基準を途中で黙って変える
大会が近づくと、目の前の勝ちを優先して基準を変えたくなる場面が出てきます。
変えること自体は問題ではありません。問題になるのは、変えたことを伝えないまま選考だけ変わることです。
基準を変えるときは、変えた理由と、いつまでその基準を使うのかを必ずセットで伝えてください。
伝えたうえでの変更なら、選手は納得します。黙って変えた1回が、それまで積み上げた信頼を一度に崩してしまいます。



急に基準が変わると、何を信じればいいのかわからないよ…。



だからこそ、変えるときほど言葉にするんですよ。
選手同士の投票だけで決める
選手に決めさせる方法は、一見すると公平に見えます。指導者の主観が入らないからです。
ただ、票は実力ではなく人間関係で動きます。仲のよさや学年の力関係が、そのままメンバーに反映されてしまう危険があるんですよね。
参考として意見を聞くのはかまいません。最終的に決めて、その理由を引き受けるのは指導者の仕事だと考えてください。



選手に決めてもらえば、恨まれずにすむと思っていました。



決める責任まで渡してしまうと、選手同士がつらくなりますよ。
よくある質問
まとめ:基準を先に示すほどチームは安定する
バレー部のレギュラーの決め方で大切なのは、選ぶ技術ではありません。選ぶ前に基準を言葉にして、全員に配ることです。
| 場面 | やること | つまずいたときの直し方 |
|---|---|---|
| 基準づくり | 目標から見る項目を3つに絞る | 抽象語を、見て判断できる行動に書き換える |
| 公開 | 選ぶ前に全員へ紙で配る | 口頭だけなら、ノートに書かせて残す |
| 発表 | 全体発表の前に個別で話す | 課題は1つだけ渡す |
| 見直し | 区切りの時期を先に伝える | 変えるときは理由も一緒に伝える |
私は元日本代表として活動したあと、10年以上スクールで選手を指導してきました。
その中で感じるのは、選手が本当に求めているのは選ばれることではなく、どうすれば届くのかを知ることだということです。
まずは4つの評価軸を紙に書き出すところから始めてみてください。それだけで、次のメンバー発表の空気が変わります。



今週中に、基準を1枚にまとめてみます!



その1枚が、チームをいちばん強くしますよ♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
- ボールカゴ2つ…球出しと片づけが一気に楽になる
- ネット・アンテナ…予備がないと、欠けた日の練習が止まる
ケース単位でそろえるなら楽天市場でバレーボールを探すのもおすすめです。
▶ 関連記事: バレー部の用具・備品の管理|数え方・点検・買い替えの基準









