- キャプテンを誰にすれば良いか、決め手がわからない
- キャプテンに任せても、結局こちらが全部仕切ってしまう
- キャプテンにした子が孤立して、チームがぎくしゃくした
こんな悩みを解決します。
キャプテン選びで大切なのは、プレーのうまさではなく、チームを前に進められるかどうかです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきた経験から、キャプテンに向く子を見きわめる基準と、育て方の型ははっきりあると感じています。技術はあとから伸ばせますが、チームの空気を作る力は選び方しだいで変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- キャプテンに向いている子を見きわめる4つの基準がわかる
- 立候補・推薦・指名、3つの決め方の使い分けがわかる
- 任せて見守り、監督の分身に育てる関わり方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:キャプテンは「うまい子」ではなく「チームを前に進める子」
先に結論からお伝えします。キャプテンに選ぶべきなのは、プレーが一番うまい子とは限りません。
仲間の気持ちと練習の空気を動かせる子が、キャプテンに向いています。
- 練習に向かう姿勢が安定している
- 仲間から信頼されている
- プラスの声かけができる
- 人の話を受け止められる
れおコーチエースの子をキャプテンにするものだと思っていました…。



エースが向いていることもあるよ。でも、うまさと引っぱる力は別物なんだ。
技術が一番の子を自動的に選ぶと、本人がプレーとまとめ役の両方を背負い込み、どちらも苦しくなってしまうことがあります。
逆に、プレーは目立たなくても、準備を黙々と続けて落ち込んだ仲間に声をかけられる子は、チーム全体を少しずつ前へ動かしてくれます。
まずは、うまい子を選ぶものだという思い込みをいったん外すこと。ここがキャプテン選びのスタートです。
なぜキャプテン選びでチームが変わるのか
キャプテンは、指導者が見ていない時間のチームの質を決める存在です。
指導者がコートにいない時間にこそ、チームの本当の姿が出る。
練習前の準備の時間、指導者が別のコートを見ている時間、休憩中の雰囲気。こうした時間の過ごし方は、キャプテンの一声で大きく変わります。



ミテイナイ時間ガ チームノ実力
だからキャプテンは、よく監督の分身と呼ばれます。指導者の考えをかみくだいて仲間に伝え、仲間の本音を指導者に届ける、両方向の橋渡し役です。



たしかに、私がいない時間は練習がゆるんでいる気がします…。



それはキャプテンのせいじゃなくて、役割をきちんと渡せていないことが多いんだよ。
もう1つ大事なのは、キャプテン選びがチーム全員へのメッセージになることです。
姿勢や声かけを評価して選ばれたキャプテンを見れば、選手たちは、このチームでは取り組み方が評価されるのだと受けとります。
指導者の仕事は正しい努力の方向性を示すことです。キャプテン選びも、その方向性を示す指導のひとつだと考えてみてください。
部活動の指導について国が示している指針でも、生徒自身が主体的にチームづくりへ関わることが求められています。キャプテンに役割を渡すことは、その入り口にあたる取り組みです。
出典:運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(スポーツ庁)



役割を渡すこと自体が、国の指針にもかなった指導なんだよ。
そして選び方以上に効いてくるのが、日ごろの声のかけ方です。同じ注意でも、伝え方ひとつでキャプテンの動きは変わります。
キャプテンの選び方:4つの基準で見きわめる
ここからは、4つの基準を1つずつくわしく見ていきます。どれも試合の華やかさではなく、毎日の練習の中に表れるものです。
基準①:練習に向かう姿勢が安定している
1つ目は、気分にむらがなく、こつこつ取り組めることです。
キャプテンの姿勢は、そのままチームの基準になります。調子が良い日だけがんばる子より、淡々と続けられる子の方が、仲間は安心してついていけます。



見るのは派手な1日じゃなくて、地味な毎日の方だよ。
準備や片付けへの関わり方、うまくいかない練習のときの表情など、ふだんの小さな場面を観察してみてください。
基準②:仲間から信頼されている
2つ目は、仲間からの信頼です。どれだけ意欲があっても、仲間が話を聞かない子では、チームは動きません。
信頼されているかどうかは、休憩中に人が集まるか、その子の声かけに仲間が反応するか、といった場面でつかめます。
チーム分けの練習で、その子の指示に仲間がすっと動くかどうかも、わかりやすい観察ポイントです。



声が大きい子と、信頼されている子は違うんですね。



そうなんだ。静かでも、あの子が言うならと思われている子がいるよ。
基準③:プラスの声かけができる
3つ目は、ミスした仲間にプラスの声をかけられることです。
ミスを責める声が中心のチームは、選手が萎縮してプレーが小さくなります。切り替えよう、次は決めようと前向きな声を出せる子は、チームの雰囲気を守れます。



声ハ 技術ヨリ 空気ヲ変エル
練習試合などで、点を取られた直後に何と言っているかを聞いてみると、その子の声かけの質がよくわかります。
基準④:人の話を受け止められる
4つ目は、仲間や指導者の話を受け止められることです。
キャプテンには、チームの不満や悩みが集まってきます。自分の意見を通す力よりも、まず聞ける力の方が大切です。
注意されたときにふてくされず、いったん受け止めて直そうとする子は、この力が育っています。
4つすべてが完ぺきな子はいません。2〜3個当てはまり、残りは育てられそうかという目で見るのが現実的です。



満点の子を探すんじゃなくて、伸びしろのある子を見つける作業だと思ってね。
見きわめる期間は、1〜2週間ほど取ってみてください。1日の印象だけで決めると、たまたま声が出ていた日や、たまたま元気がなかった日の姿に引っぱられてしまうためです。
もう1つおすすめしたいのが、複数の目で見ること。顧問と副顧問、あるいは学年ごとの担当で気になる子を挙げ合うと、自分ひとりでは気づけなかった一面が見えてきます。
決め方は3つ:立候補・推薦・指名を使い分ける
選ぶ基準が決まったら、次は決め方です。決め方には主に3つの方法があり、チームの状態によって向き不向きがあります。
| 決め方 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 立候補 | 意欲を大事にしたいチーム | 人気投票にしない |
| 推薦 | 仲間の信頼を確かめたい時 | 理由もセットで聞く |
| 指名 | 立て直しが必要な時 | 理由を全員に説明する |
立候補:意欲を大事にしたい時
やりたい子を募る方法です。自分から手を挙げた子は責任感が育ちやすく、任せたあとの伸びも期待できます。
一方で、立候補が複数出た場合の決め方はあらかじめ用意しておきましょう。その場の多数決だけで決めると、人気投票になりがちです。
推薦:仲間の信頼を確かめたい時
選手たちに、キャプテンにふさわしいと思う仲間を理由つきで挙げてもらう方法です。



理由を書いてもらうと、子どもたちが仲間のどこを見ているかもわかるよ。
指導者が気づいていなかった信頼関係が見えてくるのが、この方法の良いところです。
指名:チームを立て直したい時
指導者が指名する方法です。チームが荒れている時期や、基準を明確に示したい時に向いています。
指名で決める場合は、なぜその子を選んだのか、理由を全員の前で説明することをセットにしてください。理由の説明が、そのままチームへの方針発表になります。



決め方そのものより、決めたあとの説明が大事なんですね!
どの方法でも、最後は指導者が責任をもって決める姿勢が大切です。決め方を選手に丸投げすると、選ばれた子が苦しくなります。
キャプテンの育て方:任せて見守り、分身に育てる
キャプテンは選んで終わりではありません。むしろ選んだあとの関わり方で、監督の分身になれるかどうかが決まります。
仕事を具体的に渡す
がんばれ、まとめてくれ、という抽象的な任せ方では、何をすれば良いかわかりません。
このように、場面と行動をセットにした具体的な仕事から渡していきます。小さな仕事で成功体験を積ませてから、少しずつ範囲を広げるのがコツです。
慣れてきたら、練習メニューの一部をキャプテンに考えさせるのも効果的です。
たとえばアップの内容を任せてみると、キャプテンは仲間の体調や練習の目的を考えるようになり、指導者の視点が少しずつ育っていきます。
できているところを先に褒める
キャプテンは注意される回数が増えがちです。だからこそ、できているところを先に褒めることを意識してください。
最初はできないところばかりなのが当然です。できるところを認めて褒めるところから入るのが、キャプテン育成でも一番良い順番です。



昨日より集合が早くなったね、の一言でキャプテンの表情は変わるよ。
2人で話す時間を定期的にとる
キャプテンには、仲間の前では言えない悩みがたまります。週に一度でも、短くて良いので2人で話す時間を作りましょう。



5分の立ち話でも良いんでしょうか?



十分だよ。困っていることはない?と聞ける場があること自体が支えになるんだ。
この時間は、指導者にとってもチームの本音をつかむ大切な情報源になります。
話す内容は、うまくいっていること・困っていること・指導者に手伝ってほしいこと、の3つを聞くだけで十分です。
順番を決めておくと、キャプテン側も話す準備がしやすくなり、短い時間でも中身の濃い対話になります。
そして聞いた内容は、翌週の練習で1つでも形にしてみましょう。相談しても何も変わらないと感じさせないことが、この時間を続けるうえでいちばん効きます。
なお、答えを全部こちらから渡す必要はありません。どうしたらいいと思う?と問い返す関わり方に慣れてくると、キャプテンは自分の頭でチームを考えるようになります。
よくある失敗と直し方
キャプテン運用でつまずきやすいパターンを知っておくと、多くの問題は事前に防げます。
- エースに全部を背負わせてつぶしてしまう
- キャプテンを怒られ役にしてしまう
- 選んだあとに放任してしまう
失敗①:エースに全部を背負わせる
攻撃の柱とまとめ役を1人に集中させると、プレーの調子が落ちた時に心の逃げ場がなくなります。
エースをキャプテンにする場合は、副キャプテンに実務を分けるなど、背負う量を調整する仕組みを最初から作っておきましょう。
失敗②:キャプテンを怒られ役にする
チームのミスをキャプテンにだけ注意する指導は、本人を孤立させます。
チーム全体の課題は全体に伝え、キャプテンには「一緒に直していこう」と協力を求める伝え方に変えてみてください。立場が罰ではなく信頼だと伝わります。



つい、キャプテンなんだから、と言ってしまっていました…。



その一言が続くと、キャプテンを引き受ける子がいなくなってしまうんだ。
失敗③:選んだあとに放任する
任せると放任は違います。仕事を渡したら、離れた場所から様子を見て、困っていたら助け舟を出す。この見守りが抜けると、キャプテンは1人で抱え込みます。
うまく回っていない時は、キャプテンの能力ではなく、渡した仕事の大きさが合っているかをまず疑ってみてください。
仕事を1つ減らす、副キャプテンと分ける、といった調整をするだけで、急に回り出すことはよくあります。
指導者の方からよくいただく質問にも、あわせてお答えしておきます。
キャプテン選びについてよくある質問
まとめ:キャプテン選びと育成は指導の一部
キャプテンは、うまさではなく、チームを前に進める力で選びます。そして選んだあとは、具体的な仕事を渡し、褒めて、見守ることで監督の分身に育っていきます。
| 場面 | ポイント |
|---|---|
| 選ぶ | 姿勢・信頼・声かけ・受け止める力の4基準 |
| 決める | 立候補・推薦・指名をチーム状態で使い分け |
| 育てる | 具体的に任せる・先に褒める・定期的に話す |
キャプテンが育つチームは、指導者がいない時間も自分たちで前に進める。
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、強いチームには例外なく、仲間を動かせるキャプテンがいました。



まずは基準を決めて、うちの選手たちをよく観察してみます!



うん、毎日の練習の中に答えはあるよ。焦らず育てていこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チームづくりや指導については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
送料無料・写真の無制限保存・ネットスーパー・Prime Video
Amazonプライムには、バレーを頑張るみなさんに嬉しい特典がそろっています。
- Prime Video:アニメ「ハイキュー!!」など人気作品が見放題
- 送料無料:バレーボール用品など、対象商品が送料無料で届く
- Amazon Photos:自分の写真も、お子さんの試合や成長の写真も、容量無制限で保存できる
- ネットスーパー:重い飲み物や食料も、買い物に行かず最短約2時間で自宅に届く(対象エリア)
▼ プライムは30日間の無料体験あり(期間内に解約すれば0円)









