- 相手が構えきる前に、素早くサーブを打って揺さぶりたい
- でも急いで打つと、サーブが乱れて入らなくなる
- 8秒ルールがあるのは知っているけど、いつ打てばいいか迷う
こんな悩みを解決します。
この記事は、笛が鳴ってからすばやく打つ「クイックサーブ」で相手の準備を崩す、という一点にしぼって解説します。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、素早く打つサーブは、急ぐほどフォームが乱れて逆効果になりがちです。
大切なのは、速さそのものより、いつも同じ動きを短くまとめて、相手のリズムだけを外すことなんです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- クイックサーブがなぜ有効なのかがわかる
- 素早く打っても乱れない準備と打ち方がわかる
- 使いどころと、やりすぎない注意点がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:速さより「いつも同じ動き」を短くまとめる
先に結論からお伝えします。クイックサーブは、打つスピードを上げる技ではありません。
笛のあとの準備動作を短くまとめて、相手が構えるより先に打ち出すサーブ。
ねらいは、相手のレシーバーが心と体の準備を終える前に、ボールを送り込むことです。速く腕を振るのではなく、打つまでの「間」を縮めるイメージです。
- 打つまでの準備を短くまとめる
- トスと打ち方はいつも通りのフォームを守る
- 相手がまだ構えていない場面を選ぶ
サルくん速く腕を振って打つサーブってこと?



ちがうよ。腕は普段どおり。打ち始めるまでの時間を短くするのがコツなんだ。
急いで腕を速く振ろうとすると、フォームが崩れてミスが増えます。速いのは「打ち出すタイミング」で、スイングそのものは普段どおりでかまいません。
ここを取りちがえないことが、クイックサーブ成功の第一歩です。
なぜ早く打つと相手が崩れるのか
そもそも、なぜ早く打つだけで相手のレシーブが乱れるのでしょうか。理由は、人が準備を終えるまでには時間がかかるからです。



アイテガ カマエルマエニ ウチダス
サーブが打たれる前、相手のレシーバーは立ち位置を決め、声をかけ合い、腰を落として構えます。
この一連の準備が終わる前にボールが飛んでくると、中途半端な体勢でレシーブすることになります。
レシーブが乱れれば、相手はよい攻撃を組み立てにくくなる。
とくに、点を取ったあとやミスのあとは、相手の集中がわずかに切れやすい瞬間です。
そこへ素早くサーブを打ち込むと、相手のリズムを取り戻させないまま次のプレーに入れます。



完璧なレシーブをさせないだけで、相手の攻撃力はぐっと下がるんだよ。
もう1つの効果は、相手にプレッシャーを与えられることです。いつサーブが来るか読めないと、相手はずっと気を張っていなければなりません。
この心理的な負担も、じわじわと効いてきます。
つまりクイックサーブは、相手の準備の時間を奪い、集中を保たせないための作戦なのです。
相手が「まだ構えていない」「気がゆるんだ」瞬間こそ、クイックサーブのねらい目。
もう1つ知っておきたいのは、相手のレシーバーの心の動きです。
得点した直後は、うれしさや安心で気がゆるみやすい瞬間です。
そこへ素早くサーブが飛んでくると、切り替えが間に合わず、思わぬミスにつながります。



相手が油断している瞬間をつくんだね。
反対に、こちらがミスをした直後もねらい目です。
相手が「もらった」と気を抜いた瞬間に、素早いサーブで流れを渡さない、という使い方もできます。
素早く打っても乱れない準備の作り方
ここがいちばん大事な章です。素早く打つときこそ、準備をていねいに整えておく必要があります。


まず知っておきたいのは、サーブは一度トスを上げたら打たなければならない、というルールです。上げ直しはできません。
だからこそ、急ぐときほどトスを乱さない準備が欠かせません。
急ぐのは「打ち出すタイミング」だけ。トスと構えはいつも通りに整える。
短い準備動作をあらかじめ決めておく
いつも同じ短い動きで打てるように、準備の順番を決めておきましょう。動きが決まっていると、急いでも体が勝手に動いてくれます。



順番を決めておけば、急いでも迷わないんだね!



そう。考える時間をなくすのがコツ。体が覚えた動きをそのまま出すんだ。
普段のサーブでは、ボールを何回かついたり、深呼吸を数回したりと、時間をかけて集中する選手が多いです。クイックサーブでは、この準備を思い切り短くします。
ただし、短くしても順番は変えないことが大切です。
トスは頂点で打つ・高く上げすぎない
急いで打とうとすると、トスを低く小さく上げてしまいがちです。でも、トスが乱れると打点が安定せず、かえってミスが増えます。
トスは高く上げすぎず、頂点で打つ。急いでもここは変えない。
トスは、いつも通りの高さでかまいません。むしろ、いつもと違うトスにすると打点がずれます。トスの頂点でとらえる感覚を守れば、急いでも安定して打てます。



速く見せたいからって、トスまで急がなくていいんだ。準備を短く、トスはいつも通りだよ。
慣れないうちは、笛のあと少しだけ間をとってから打っても効果はあります。相手より半歩早いだけでも、レシーブは十分に崩せます。
まずは「いつもより少しだけ早く」から始めてみましょう。
準備を短くする練習は、ふだんの練習の中でも取り入れられます。
サーブ練習のときに、ボールをつく回数を1回減らす、深呼吸を1回にする、というように、少しずつ準備を削っていきます。
こうして体が短い準備に慣れておくと、試合でもあわてずに素早く打てます。
準備を削っても、打点は変えない。トスの高さと打つ位置はいつも通りに保つ。
大切なのは、準備を削っても打点だけは変えないことです。準備が短くなっても、トスの高さと打つ位置がいつもと同じなら、サーブは安定します。
逆に、準備を削ったせいで打点までずれてしまうと、ミスの原因になります。ここを分けて考えるのが上達のコツです。



準備は短く、でも打点はいつも通り。この2つを分けて考えるのが大事なんだよ。
フローターサーブが素早い奇襲に向いている理由
クイックサーブには、無回転で揺れるフローターサーブが向いています。動きがシンプルで、素早く打ち出しやすいからです。


フローターサーブは、当てた瞬間に振り抜かず、そこで止めるように打つと無回転になります。腕を大きく振り抜かないぶん、動作がコンパクトで素早くまとまります。
- 動作がシンプルで素早く打ち出せる
- 無回転で揺れて、乱れたレシーブをさらに崩す
- 力まず打てるので急いでもミスが出にくい



ジャンプして打つサーブじゃダメなの?



助走がいるぶん時間がかかるからね。素早さを出したいなら、立って打つフローターがおすすめだよ。
ジャンプして打つサーブは威力がありますが、助走をとるぶん、打ち出すまでに時間がかかります。
素早さを最優先するクイックサーブでは、立って打つフローターの方が相性がよいのです。
無回転のボールは空中でわずかに揺れるので、ただでさえ準備が間に合っていない相手のレシーブを、さらに難しくしてくれます。
素早さと揺れ、2つの効果を重ねられるのがフローターの強みです。
もし、まだフローターサーブが安定していないなら、まずはそちらを固めるのが先です。素早さは、いつものサーブがきちんと入るようになってから足していくものです。
まずは、いつものサーブを安定させるのが先。素早さはそのあとに足す。
土台がぐらついたまま急いでも、ミスが増えるだけになってしまいます。
自信のあるサーブがフローター以外の場合は、そのサーブでかまいません。大切なのは、自分がいちばん安定して入れられるサーブを、少しだけ早く打ち出すことです。
無理に打ち方まで変える必要はありません。



まずは得意なサーブを固めて、そこに素早さを足せばいいんだね!



その通り。土台があるからこそ、急いでも乱れないんだ。あせらず順番に進めよう。
クイックサーブの使いどころと注意点
クイックサーブは便利ですが、いつでも使えばよいわけではありません。効く場面と、やりすぎの注意点を知っておきましょう。
- 相手が点を取った直後や、ミスをした直後
- 相手のレシーバーが交代・移動した直後
- こちらが流れをつかみたい大事な場面


いちばん効くのは、相手の集中がわずかに切れている瞬間です。得点やミスの直後、選手が入れ替わった直後などは、準備が整いきっていないことが多くあります。
相手が「まだ構えていない」瞬間を選ぶのが、クイックサーブの一番のコツ。



タイミングを選ぶのが大事なんだね。いつでも急げばいいわけじゃないんだ。



その通り。相手の様子をよく見て、すきを見つけて打つんだよ。
ただし、注意点もあります。毎回クイックサーブを打つと、相手も慣れてしまい、常に早めに構えるようになります。そうなると効果はうすれてしまいます。



たまに使うから効くんだ。いつも急いでいると、相手が身構えてしまうよ。
もう1つ、自分の準備が間に合わないうちに無理して打つのは禁物です。あわてて打点が乱れれば、ただのサーブミスになってしまいます。
あくまで「自分の準備が整った上で、相手より早く打つ」という順番を守りましょう。
普段はゆっくり、ここぞという場面で素早く。この緩急があるからこそ、クイックサーブは武器になります。
相手に「次はいつ急に来るかわからない」と思わせるだけでも、じゅうぶんな効果があります。
普段はゆっくり、ここぞで素早く。この緩急こそが、クイックサーブを武器にする。
また、狙う場所は、いつものサーブと同じでかまいません。素早く打つことに気を取られて、狙いがあいまいになってしまっては本末転倒です。
相手のレシーブが苦手そうな選手や、人のいないスペースを、いつも通り狙いましょう。
素早さと狙いの両方を欲張ると、どちらも中途半端になりがちです。慣れないうちは、まず素早く打ち出すことだけに集中し、狙いはいつも通りで十分です。
慣れてきたら、狙いも少しずつ加えていきましょう。



最初は「素早さ」だけに集中していいよ。狙いは、慣れてから少しずつ足していこう。
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クイックサーブについてよくある質問
まとめ:準備を短く、フォームはいつも通りで奇襲する
クイックサーブは、腕を速く振る技ではなく、打つまでの準備を短くまとめて、相手が構える前に打ち出す作戦です。
トスとスイングはいつも通りを守ることが、成功のカギになります。
| ポイント | 意識すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 速さ | 打ち出しのタイミングを早める | 腕を速く振らない |
| トス | いつも通りの高さで頂点を打つ | 急いで小さくしない |
| 使いどころ | 相手の集中が切れた瞬間 | 毎回使うと効果が薄れる |
準備を短く、フォームはいつも通り。相手がまだ構えていない瞬間を選んで打つ。
私は元日本代表として、相手のわずかなすきを突くサーブが、試合の流れを大きく変える場面を何度も見てきました。
まずはいつものサーブを安定させ、そこから少しずつ準備を短くしていきましょう。



まずはいつものサーブを固めて、それから素早さを足していくよ!



いい順番だね。土台ができていれば、急いでも乱れないよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
サーブについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪









