- サーブの前に相手コートを見ると、急に緊張してしまう
- 狙った選手と目が合うと、そこを狙いにくくなる
- 相手を見るべきか、ボールに集中すべきか分からない
こんな悩みに寄り添います。
この記事は、サーブの技術そのものではなく、打つ前の「視線の置き方」と、そこから生まれる緊張との付き合い方をまとめたものです。緊張で体が縮こまってしまう根本的な対処を知りたい方は、試合でサーブが入らない時の考え方もあわせて読んでみてください。気持ちが少し軽くなるはずです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。トップの選手でも、サーブの前は誰もが緊張します。相手を見た瞬間に硬くなる感覚は、多くのプレーヤーが通る道なんです。
大切なのは、緊張をゼロにしようとするのではなく、視線の置き方を工夫して、緊張とうまく付き合うこと。それだけで、サーブはずいぶん打ちやすくなります。
ぜひ気軽に読んでみてください。
- 相手を見て緊張する仕組みと、あせらない考え方がわかる
- 打つ前の視線をどこに置けば落ち着くかがわかる
- 狙いと集中を両立させる目線の使い方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:相手は「狙う前」に見て、打つ時はボールに集中
先に結論からお伝えします。相手を見て緊張してしまう人は、相手を見る時間と、ボールに集中する時間を分けると、ぐっと落ち着きます。
相手は「狙いを決める時」に見る。打つ瞬間はボールと自分の動きに集中する。
| 場面 | 視線の置き先 | ねらい |
|---|---|---|
| 構える前 | 相手コート全体 | 狙いどころを一つ決める |
| 構えた後 | トスとボール | 自分の動きに集中する |
| 打つ瞬間 | 打点(ボール) | 相手の目を気にしない |
多くの人は、この2つを同時にやろうとして混乱します。相手をにらみながら打とうとすると、意識が外に向いて、自分のフォームがおろそかになるんです。狙うことと打つことは、分けて考えたほうがどちらもうまくいきます。
サルくん相手を見なきゃって思うほど、緊張しちゃうんだ…



それなら、見るのは狙いを決める一瞬だけでいいよ。構えたら、あとはボールと自分に集中しよう。
視線を「決める時」と「打つ時」で切り替えるだけで、相手の目を過剰に意識せずにすみます。まずはこの切り替えを覚えることから始めましょう。


なぜ相手を見ると緊張するのか
相手を見て緊張してしまうのは、視線を通じて「見られている」という意識が生まれるからです。人は誰かに見られていると感じると、自然と体が硬くなります。



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とくにサーブは、コート上で自分一人が注目される数少ない場面です。相手コートの選手がこちらを見て構えていると、その視線を全部受け止めているような気持ちになり、「失敗できない」というプレッシャーがふくらみます。
サーブは自分一人に注目が集まる場面。相手の視線を「全部受け止めよう」としないことが大事。
さらに、狙った選手と目が合うと、「気づかれたかもしれない」という気持ちが生まれ、かえってそこを狙いにくくなります。これは相手が本当に気づいているかどうかとは関係なく、自分の中の意識の問題であることがほとんどです。



相手は君のことより、自分がレシーブできるかで頭がいっぱいなんだ。だから、見られすぎていると考えなくて大丈夫だよ。
つまり緊張の多くは、相手からの視線そのものではなく、それをどう受け止めるかという自分の内側で作られています。だからこそ、視線の置き方を変えるだけで、緊張はずいぶんやわらぐんです。
もう少しくわしく言うと、人の脳は「注目されている」と感じると、体を守ろうとして力が入りやすくなります。これは失敗を避けようとする自然な反応で、決して弱さではありません。
ただ、この力みがサーブでは邪魔になってしまう。だからこそ、「見られている感覚」を減らす工夫が、そのまま良いサーブにつながっていきます。


打つ前の視線をどこに置くか
では、具体的に視線をどこに置けばいいのでしょうか。おすすめは、狙いを決める一瞬だけ相手を見て、構えに入ったらボールへ視線を移すという順番です。
- 構える前に相手コートを見て、狙いを一つ決める
- 決めたら、手元のボールへ視線を移す
- トスから打つまでは、ボールと打点だけを見る
まず構える前に、相手コート全体をさっと見て「今日はこのあたりへ」と狙いを一つ決めます。この時は相手を見て大丈夫です。狙いを決めるための、必要な観察だからです。ここで長々と見つめる必要はなく、ほんの一瞬で十分です。



狙いを決めたあとは、もう相手を見なくていいの?



うん。決めたら、あとは自分のボールに集中していいんだ。狙いはもう頭に入っているからね。
狙いを決めたら、視線を手元のボールに移します。ここから先は、相手の目ではなく自分のトスと打点を見ます。こうすると意識が自分の動きに向き、相手の視線を気にする余裕がなくなって、逆に落ち着けるんです。
人の意識は、一度に多くのことに向けられません。ボールと自分の動きにしっかり集中すれば、そのぶん相手の目を気にする余白が減ります。
つまり「相手を気にしないようにしよう」とがんばるより、「自分のボールに集中しよう」と考えたほうがいい。そのほうが、結果的に相手の視線は気にならなくなります。



「相手を見ない」んじゃなくて「見る順番を決める」。決める時に見て、打つ時は自分に集中する。これだけだよ。
この順番は、打つ前のルーティンとしても役立ちます。毎回同じ流れで視線を動かすと、余計なことを考える隙が減り、緊張しても手順に乗って打てるようになります。ルーティンの作り方はサーブのルーティンの作り方にくわしくまとめています。


狙いと集中を両立させる目線の使い方
「相手を見ないと狙えないのでは?」と心配になるかもしれません。でも実際は、狙いは目線を送り続けなくても、体の向きで作れます。
狙いは「見続ける」ではなく「体の向き」で作る。決めた方向へおへそと肩を向けて打つ。
狙った方向へおへそや肩を向けて構えれば、視線を相手に固定しなくても、体が自然とその方向へボールを運びます。打つ瞬間まで相手をにらむ必要はないんです。



体の向きで狙えるなら、打つ時は相手を見なくていいんだ!



そうなんだ。だから安心してボールに集中していいよ。狙いは体がちゃんと覚えてくれる。
もし「相手にコースを読まれたくない」と感じるなら、なおさら打つ瞬間まで相手をじっと見ないほうが有利です。視線を送りすぎると、狙いが相手に伝わってしまうこともあるからです。ボールに集中する習慣は、狙いを隠すことにもつながります。
体の向きでコースを作る具体的な体の使い方は、サーブのコントロールを良くするコツにまとめています。視線の整え方と合わせて身につけると、狙いと落ち着きの両方が手に入ります。
視線の切り替えを練習で身につける
視線の使い方は、試合でいきなりできるものではありません。ふだんの練習から、同じ順番で視線を動かす習慣をつけておくことが大切です。
練習から「相手を見る→ボールを見る」の順番を毎回くり返す。本番だけ変えようとしない。
練習でサーブを打つ時も、なんとなく打つのではなく、「相手コートを見て狙いを決める→ボールに視線を移す→打つ」という流れを毎回なぞってみましょう。練習で染み込んだ順番は、緊張した本番でも自然と出てきます。



練習でも、いちいち順番を意識するの?



そうだよ。練習で当たり前にできることしか、試合では出せないからね。だから練習から順番を決めておくんだ。
おすすめは、練習の中で「今日はこの視線の順番を守る」とテーマを決めて打つことです。フォームだけでなく、視線や心の使い方も練習の対象にすると、試合での安定感がぐっと変わってきます。



技術と同じで、心の使い方も練習で身につくもの。だから緊張への対処も、練習から始めていいんだ。
もう一つの練習として、あえて仲間に見られながらサーブを打つ、という方法もあります。人の視線に慣れておくと、試合で見られても動じにくくなります。
最初は気恥ずかしくても、くり返すうちに「見られていても打てる」という自信がついてきます。


それでも緊張してしまう時の考え方
視線を工夫しても、大事な場面ではやっぱり緊張します。それは当たり前のことなので、緊張を消そうとしないという考え方も持っておきましょう。



緊張しているのは、真剣にやっている証拠。無理に消そうとしなくていいんだ。
緊張した時ほど、狙いを欲張らず「深く、確実に」の一本に絞ります。あれこれ狙おうとすると迷いが生まれ、迷いが体を固めます。シンプルな一本に集中することが、いちばんの緊張対策になります。
もう一つ知っておいてほしいのは、緊張は「大事に思っているからこそ起きる」ということです。どうでもいい場面なら緊張しません。緊張するのは、その一本を大切にしている証拠なんです。
そう考えると、緊張は敵ではなく、真剣さの表れとして受け止められるようになります。
深呼吸を一つ入れるのも効果的です。息を吐くと体の力が抜けやすくなるので、構える前にゆっくり一度吐いてから狙いを決める、という流れを加えてみてください。
小さな習慣ですが、視線の切り替えと組み合わせると、落ち着いて打ちやすくなります。



緊張したら、まず深く確実に。それだけ考えればいいんだね。
そして、うまくいかない日があっても自分を責めないでください。視線の使い方も緊張との付き合い方も、少しずつ慣れていくものです。
もし緊張が強くてつらい状態が続く時は、指導者や信頼できる人に気持ちを話してみると、心が軽くなることがあります。一人で抱え込まないことも、上達の一部です。
よくある質問
まとめ:視線を切り替えて、落ち着いて打とう
相手を見て緊張してしまうのは、視線を通じて「見られている」意識が生まれるからです。緊張をゼロにしようとするより、相手を見る時間とボールに集中する時間を分けるだけで、サーブはずいぶん打ちやすくなります。
| 段階 | 視線の置き先 | 意識すること |
|---|---|---|
| 構える前 | 相手コート | 狙いを一つ決める |
| 構えた後 | 手元のボール | 自分の動きに集中 |
| 打つ瞬間 | 打点 | 相手の目を気にしない |
相手は「決める時」に見て、打つ時はボールに集中する。狙いは体の向きが覚えてくれる。
私は元日本代表として、視線の使い方を整えただけで、サーブが見違えるほど落ち着いた選手を何人も見てきました。相手を見て緊張していた選手が、視線の順番を決めるだけで、自分の一本に集中できるようになっていく。その変化を何度も見てきました。
緊張は誰にでもあるもの。うまく付き合いながら、あなたらしいサーブを打っていきましょう。



よし、決める時に見て、打つ時はボールだけ。やってみるよ!



いいね。その切り替えができれば、きっと落ち着いて打てるようになるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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サーブについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪









