- ギリギリのボールを、なんとか上げる方法を知りたい。
- パンケーキに挑戦したいけど、手を痛めそうで怖い。
- やってみても、手の甲にうまくボールが乗らない。
こんな悩みを解決します。
パンケーキを成功させるコツは、① 手の甲を床にぴったりつけて、落下点に先に差し込む。
② つなぐ先に人がいるかを見てから使う。の2つです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、パンケーキは「ギリギリのボールを諦めない最後の手段」です。多用する技術ではありません。
ただ、正しい手の入れ方を知っておくと、本当に苦しい場面で1本をつなげるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- パンケーキを使うべき場面がわかる
- 手を痛めない正しい手の入れ方が身につく
- 成功させるための手の置き方のコツがわかる
レシーブの基本フォームを土台から固めたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
それでは、詳しく見ていきましょう。
パンケーキで大切な2つのこと
最初に結論からお伝えします。パンケーキで覚えてほしいのは、次の2つです。
- ① 手の甲を床にぴったりつけ、ボールの落下点に先に差し込む。
- ② つなぐ先に人がいるかを見てから、使うかどうかを判断する。
パンケーキは、手の甲を床とボールの間に滑り込ませて、ボールを上げる技術です。普段のフットワークでは絶対に届かない、ギリギリのボールに使います。
サルくんかっこいいから、どんどん使いたいんだけど…!



気持ちはわかるけど、パンケーキは最後の手段だよ。届くボールは、ちゃんと足で動いて両手で取るほうが確実なんだ。
派手に見える技術ですが、コントロールはほとんどできません。あくまで「これしか方法がない」という場面のための技術です。
それを踏まえて、正しいやり方を見ていきましょう。
パンケーキとは?名前の由来と使う場面
パンケーキとは、手のひらを床にぴったりとつけ、手の甲の上に落ちてきたボールを当てて上げるレシーブのことです。
手を平らに広げて床につける形が、平たいパンケーキ(ホットケーキ)に似ていることから、この名前で呼ばれています。
名前はかわいらしいですが、実際は最後の最後まで諦めない、粘りのプレーです。



テノコウデユカトボールノアイダヲウメル
パンケーキが活きるのは、次のような場面です。
- 相手のフェイントが、前に大きく落ちてきたとき。
- ブロックに当たって、思わぬ方向に落ちたボール。
- 走っても両手では間に合わない、ギリギリのボール。
どれも、普段のフットワークやフライングでも届くか届かないか、という最後の最後の場面です。届くなら、足で動いて両手で受けるほうがずっと確実です。
リベロのように守備範囲が広い選手が、苦しい場面で使うことが多い技術でもあります。



フライングと何が違うの?



フライングは前に飛び込んで両腕で受けるよね。パンケーキは、その両腕でも間に合わないくらい低くて遠い球を、手の甲1枚でなんとか上げる技術なんだ。
つまり、レシーブの選択肢の中でいちばん最後にくるのがパンケーキです。
フットワークで取る、フライングで飛び込む、それでも届かないときの、本当の最終手段だと考えてください。
逆に言えば、ここぞの場面でこの1枚が出せると、相手の決まったと思った攻撃を粘ることができます。試合の流れを変える、大きな1本になることもあるんです。
パンケーキの正しいやり方


それでは、実際のやり方を見ていきましょう。手の入れ方には、はっきりとした手順があります。
いちばん大切なのは、手の甲を床から浮かせないことです。手が少しでも浮いていると、ボールがその下に潜り込んで、上がりません。



手の甲を床にベタッとつけるのがコツだよ。浮いていると、ボールが手の下をすり抜けちゃうんだ。
落ちてくるボールの真下に、平らな手の甲をしのばせる。このイメージを持つと成功率が上がります。
手は、利き手だけを使っても、両手を重ねて使っても構いません。とっさの場面で、自分が出しやすいほうの手を素早く差し込めるようにしておきましょう。
大事なのは、手を差し込む動きと、低く沈み込む下半身の動きを合わせることです。上半身だけを伸ばして手を出そうとすると、体が硬くなって床まで手が届きません。
腰をしっかり落として、体ごと低くなりながら手を前に滑らせます。下半身が先に沈んでいれば、手は自然と床の高さまで届くので、腕だけを無理に伸ばす必要がなくなります。
パンケーキを成功させるコツ


手順がわかったら、成功率を上げるコツを押さえましょう。ポイントは2つです。
落下点に「先に」手を置く
ボールが落ちてくるのを待ってから手を出すのでは、間に合いません。
ボールの落下点を予測して、そこに先に手の甲を差し込んでおきます。後から手を入れるのではなく、待ち構えて床に手を置くイメージです。
落下点を読むには、ボールの軌道を早い段階で見極めることが大切です。落ちる場所が見えたら、迷わずそこへ体ごと飛び込んで、手を先に置きにいきます。
判断が遅れると、手を置く前にボールが床についてしまいます。
ボールを追って手を出すのではなく、落ちる場所に先に手を置く。これが成功のいちばんのコツです。
手の甲を床から離さない
ボールが当たる瞬間まで、手の甲は床につけたままにします。



当てにいくんじゃなくて、置いて待つんだ!



そう。手を動かして当てにいくと、タイミングがずれるんだ。床に置いて、ボールのほうから当たってくるのを待つのが正解だよ。
手を動かして当てにいくと、わずかなズレで空振りします。床に固定した平らな面に、ボールが当たってくるのを待つ。これが安定して上げるコツです。
つなぐ先を見て使う判断
パンケーキで意外と見落とされがちなのが、上げた先のことです。ただ上げればいい、というわけではありません。
コート外の方向へ逃げていくボールをパンケーキで上げるときは、次につなぐ人が近くにいるかを、必ず把握してから行います。
- 触った先に味方がいる → パンケーキで上げる。
- 触った先に味方がいない → パンケーキは使わず、別の方法を考える。
触った先に味方がいないのにパンケーキで上げても、そのままコート外にボールが出て、つながりません。
その場合は、パンケーキにこだわらず、手首を曲げたり腕を振ったりして、少しでもボールが高く、コート内に上がるように努力します。



パンケーキは「つなぐ」ための技術だからね。つなぐ先がいなければ、別の上げ方を選ぶんだ。
ギリギリの場面でも、ボールを上げた後のことまで一瞬で考える。これができると、ただ拾うだけでなく、得点につながる守備になります。



上げることで精一杯なのに、つなぐ先まで見るの難しそう…。



最初は上げるだけで大丈夫。でも慣れてきたら、まわりの味方の位置も頭に入れておくと、もっといい守備になるよ。
最初のうちは、まず手の甲を床につけて上げる、という基本を体に覚えさせれば十分です。判断は、技術が安定してから少しずつ加えていきましょう。
レシーブの一歩目を速くすれば、そもそもパンケーキに頼る場面を減らせます。
ケガをしない手の入れ方と練習法


パンケーキは床に手を滑り込ませる技術なので、手や指のケガに気をつける必要があります。安全に覚える方法を紹介します。
突き指を防ぐ手の入れ方
手のひらを床につけるとき、指先を立てずに、手全体を平らにします。
指を立てた状態でボールや床に当たると、突き指の原因になります。手の甲から手のひらまで、できるだけ平らに床につけるのが安全です。



ユビヲタテズニタイラニツケル
爪が長いと、床について割れたり、痛めたりすることもあります。飛び込みやパンケーキを練習する前に、爪を短く切っておくのもケガ予防のひとつです。
両膝つきから段階的に練習する
パンケーキも、いきなり立った状態から飛び込まず、両膝をついた低い姿勢から練習を始めます。
低いところから始めることで、恐怖心とケガのリスクを抑えやすくなります。あせらず、手の甲を床につける感覚を先に身につけてください。
手や指に痛みが出るときは無理をせず、練習を中止して、指導者に見てもらってください。
両膝つきの段階で、ボールが手の甲に当たって上がる感覚を何度も味わっておきます。この成功体験があると、立った姿勢から沈み込むときも、迷わず手を差し込めるようになります。



あせらなくて大丈夫。膝つきで「手の甲に当たって上がる」感覚をつかめば、立った姿勢になっても体が自然と動いてくれるよ。
パンケーキは決して、無理に飛び込んで体を痛める技術ではありません。正しい順番で、低いところから少しずつ。これが安全に身につける何よりのコツです。
低い姿勢を保つのがつらい方は、構えの作り方から見直すと楽になります。
よくある失敗と直し方


最後に、パンケーキでよくある失敗を見ておきましょう。
手が浮いてボールがすり抜ける
いちばん多いのが、手の甲が床から浮いていて、ボールが下をすり抜けるパターンです。
手の甲を床にベタッとつける意識を持ってください。浮いた手では、どんなにタイミングが合っても上がりません。
最初はわざと、何もない床に手の甲を平らに置く練習だけをするのもおすすめです。
手の甲が床にぴったり吸いつく感覚を体に覚えさせてから、ボールを使うと上達が早まります。
手を動かして当てにいって空振りする
ボールに手を合わせにいって、タイミングがずれて空振りするパターンです。
当てにいかず、落下点に置いて待つ。床に置いた手にボールが当たってくるのを待つ意識に変えると、空振りが減ります。
手で追いかけるクセは、なかなか抜けにくいものです。だからこそ、低い姿勢で落下点に入る練習をくり返して、「先に手を置く」感覚を体にしみ込ませることが大切です。
あせって手を出さず、ボールを信じて待ちましょう。
よくある質問
まとめ
パンケーキは、ギリギリのボールを諦めないための最後の手段です。
手の甲を床につけ、落下点に先に差し込む。つなぐ先に人がいるかを見てから使う。この2つを守れば、苦しい場面で1本をつなげるようになります。
派手に見える技術ですが、本質は「つなぐ」こと。上げた先のことまで考えられると、ただ拾うだけの守備が、得点につながる守備に変わります。
まずは両膝つきから、手の甲を床につける感覚を覚えていきましょう。
あせらず段階を踏めば、苦しい場面でも落ち着いて1枚を出せるようになります。



手を置いて待つ、つなぐ先を見る。さっそく膝つきから練習してみる!



その意気だよ。まずは手の甲を床につける感覚から。あせらず一歩ずついこう!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
レシーブについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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