- 前はできていたプレーが、急にできなくなった…
- 練習しても練習しても、調子が戻らない…
- 焦って色々いじるほど、どんどん下手になっていく気がする…
こんな悩みを解決します。
長く続く不調=スランプから抜け出すコツは、焦って基本を崩さない・得意なプレーまで引き算でしぼるの2つが出発点です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、調子を崩した選手ほど「あれもこれも」と直そうとして、かえって深みにはまっていきます。
スランプは、できなくなったのではなく、できる感覚を一時的に見失っているだけの状態です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 焦らずにスランプから立て直す手順がわかる
- 引き算で「できる感覚」を取り戻すコツがわかる
- 不調の原因を切り分けて、ムダな練習を減らせる
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論:スランプは焦って動くほど長引く

長く続く不調から抜け出すコツは、次の5つに整理できます。
- 焦って基本(フォーム)を一気に変えない
- 得意なプレーや基本に「引き算」でしぼる
- 小さく「できる感覚」を取り戻す
- 不調の原因を体・技術・心に切り分ける
- 過去の自分や他人と比べない
スランプの一番の敵は、不調そのものではありません。早く戻さなきゃという焦りから、あれもこれもと手を加えてしまうことです。
サルくん調子が悪いと、つい全部いじりたくなっちゃう…。



その気持ちはよくわかるよ。でも一度にたくさん変えると、何が効いたのか分からなくなるんだ。
調子がいい時の体は、たくさんの動きが自然につながっています。そこを一気にいじると、つながっていた動きまでバラバラになってしまうんですね。
だからこそ、まずは「動かない・引き算する」ことから始めます。



アセッテ全部イジルト ナオラナイ
スランプとミスの切り替えは別もの
ここで1つ、はっきり区別しておきたいことがあります。
試合中の1本のミスを引きずってしまう問題と、何週間も続く不調=スランプは、別ものです。
1本のミスは、その場で気持ちを切り替えれば次のプレーに進めます。
一方スランプは、切り替えだけでは戻らない、もっとゆっくりした立て直しが必要な状態です。



1本のミスとスランプって、対処が違うんだね。



そうなんだよ。この記事は「続く不調」をじっくり立て直す話だと思ってね。
この記事で扱うのは「続く不調」
この記事で扱うのは、数日から数週間にわたって調子が戻らない状態です。
昨日今日の一時的な不調ではなく、「最近ずっと噛み合わない」という長めの落ち込みを想定しています。
短い不調なら、休んで寝れば戻ることも多いです。
長く続く時こそ、これから話す手順がきいてきます。
なぜスランプから抜け出せなくなるのか
そもそも、なぜ抜け出せなくなるのでしょうか。理由はシンプルで、悪循環にはまっているからです。
調子が落ちる → 焦る → フォームをいじる → さらに崩れる → もっと焦る。
この輪の中をぐるぐる回っている間は、なかなか出口が見えません。



確かに、直そうとするほど悪くなってる気がする…。
抜け出すには、この輪のどこかを止める必要があります。止めやすいのは「焦る」と「いじる」の部分です。
ここを意識して手を止めるだけで、自然と調子が戻ってくることも少なくありません。
「できない」のではなく「見失っている」
大事な前提を1つお伝えします。
スランプは、できる力がなくなったわけではありません。できる感覚を、一時的に見失っているだけの状態です。



昨日まで打てていたスパイクが、今日いきなり打てなくなるなんてことはないよね。力は残っているんだ。
力は体に残っているのに、頭が「できないかも」と疑い始める。すると体が固くなって、本当にできなくなる、という流れが起きます。
だから立て直しのゴールは、新しい力をつけることではありません。
もともと持っている「できる感覚」を、もう一度思い出すことがゴールです。
焦りが体を固くする
焦りは、気持ちの問題だけでは終わりません。不安や焦りがあると、体は無意識に力んでしまいます。



大事な場面ほど、体がガチガチになるんだよね…。
力んだ体では、しなやかな動きはできません。つまり「焦り → 力み → 動きの悪化」という形で、心の状態がそのままプレーに出てしまうんですね。
だから立て直しでは、心をゆるめることもセットで考えていきます。
抜け出すコツ①:焦って基本を崩さない
ここからは、具体的なコツを1つずつ見ていきます。
最初のコツは、調子が悪い時こそ、フォームを大きく変えないことです。
調子が落ちると、つい「フォームが悪いのかも」と思いがちです。でも、昨日まで普通にできていたなら、フォームが根本から崩れていることはまずありません。



不調のたびにフォームをゼロから作り直すのは、いちばんやってはいけないことなんだ。
一度に1つしか変えない
どうしても何か直したい時は、ルールを1つ決めてください。一度に変えるのは1つだけ、というルールです。
腕の振り・足の位置・タイミングを同時にいじると、何が良くて何が悪かったのか分からなくなります。
1つだけ変えて、数日試して、効果を確かめる。このペースを守るだけで、崩れるリスクがぐっと下がります。



イチドニ ヒトツダケ カエル
基本の動作に立ち返る
変えるのではなく、立ち返るのがおすすめです。構えの姿勢・ボールの見方・足の運びといった、いちばん基本の動作にもどってみてください。



難しいことより、基本をていねいにやり直すんだね。
調子が悪い時ほど、基本がおろそかになっていることが多いです。
派手なプレーを練習する前に、土台をていねいに踏み直す。これが、遠回りのようで一番の近道になります。
抜け出すコツ②:引き算で得意プレーにしぼる


2つ目のコツは、足し算ではなく引き算で考えることです。
調子が悪いと、苦手なプレーを足して練習したくなります。でもスランプの時は逆で、やることを減らすほうがうまくいきます。



あれもこれもやろうとすると、頭も体もパンクしてしまうんだ。
得意なプレーだけに集中する
まずは、自分がいちばん得意なプレーを1つ選んでください。
そして練習では、しばらくそれだけに集中します。



得意なやつなら、ちょっとは自信が持てそう!
得意なプレーは、成功する回数が多いです。成功する回数が多いと、「できた」という感覚を何度も味わえます。
この「できた」の積み重ねが、見失っていた感覚を呼びもどしてくれます。
やることを減らして頭をすっきりさせる
引き算は、体だけでなく頭にもきいてきます。考えることが多すぎると、プレー中に迷いが生まれます。
今日はこれだけやる、と1つに決めると、迷いが消えて動きが軽くなります。



ヤルコトヲ ヘラスト アタマガ カルクナル
苦手の克服は、調子が戻ってからで十分間に合います。まずは得意なプレーで、自分のリズムを取りもどしましょう。
抜け出すコツ③:小さく「できる感覚」を取り戻す
3つ目のコツは、小さな成功を、わざと積み重ねることです。
スランプの時は、自信がしぼんでいます。そこでいきなり難しいプレーに挑むと、失敗してさらに自信を失います。



失敗するとよけいに落ち込むから、こわいんだよね…。
簡単な課題から始める
だからこそ、わざと簡単な課題から始めます。近い距離でのパス、ゆっくりしたボールでのレシーブなど、ほぼ確実にできる課題でかまいません。



簡単すぎるくらいでちょうどいいんだ。まずは成功する感覚を体に思い出させよう。
確実にできる課題をていねいにこなすと、体が「できる動き」を思い出します。その手応えが出てきたら、少しずつ難しさを上げていきます。
できたことを記録する
もう1つおすすめなのが、できたことを書き出すことです。
練習のあとに、その日できたことを1つでもメモしてみてください。



できたことを書くと、ちゃんと前に進んでる感じがするね。
不調の時は、できなかったことばかりに目がいきます。できたことを記録すると、小さな前進が目に見えて、気持ちが上向きになります。
できたことに目を向けるクセが、立て直しを早めてくれます。
抜け出すコツ④:不調の原因を切り分ける
4つ目のコツは、不調の原因を3つに切り分けることです。
「なんとなく調子が悪い」のままでは、対処のしようがありません。原因を分けて見ると、やるべきことがはっきりします。



不調の原因は、大きく分けて体・技術・心の3つに分けられるんだ。
体・技術・心のどれかを見る
3つのどれが当てはまりそうか、順番にチェックしてみてください。
- 体:睡眠不足・疲労・体のだるさはないか
- 技術:フォームや動きのどこかが噛み合っていないか
- 心:不安・焦り・プレッシャーが大きくないか
意外と多いのが、体の疲れが原因のケースです。



え、寝不足や疲れでも調子って落ちるの!?



うん。体が回復していないと、いくら練習しても噛み合わないんだ。まず休むのが正解なこともあるよ。
技術が原因なら、コツ①の「一度に1つだけ変える」で直していきます。心が原因なら、深呼吸や引き算で、まず力みを取ることが先になります。
当てはまるものから順に手を打つ
3つを一度に直そうとする必要はありません。いちばん当てはまりそうなものから、1つずつ手を打ちます。



ゲンインヲ ワケテ ヒトツズツ
たとえば疲れが原因なら、練習量を一度減らして、しっかり休む。これだけで、すっと調子が戻ることもあります。
原因が分かると、やみくもな練習でムダに消耗せずにすみます。
抜け出すコツ⑤:過去の自分や他人と比べない
最後のコツは、過去の自分や他人と比べないことです。
スランプの時ほど、「前はできたのに」「あの子はできるのに」と比べてしまいます。でもこの比べグセが、焦りをどんどん大きくします。



まわりがうまく見えて、自分だけ取り残された気分になる…。
比べる相手は「昨日の自分」だけ
比べる相手を、たった1人にしぼってください。
それは、昨日の自分です。



昨日より1つでもできたことが増えたなら、それはちゃんと前進だよ。
絶好調だった頃の自分と比べると、今がみじめに見えます。でも昨日の自分と比べれば、小さな成長に気づけます。
比べる物差しを変えるだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
焦りそうな時はひと呼吸おく
それでも比べて焦ってしまう時は、いったん手を止めます。ゆっくり深呼吸をして、ひと呼吸おいてください。



あせった時は、まず深呼吸して落ち着くんだね。
焦った頭のままでは、いい判断はできません。少し落ち着いてから、今日やる1つのことに集中しなおします。
スランプは、誰にでも訪れる自然な波です。



うまい選手ほど、何度もスランプを乗りこえてきているんだ。だから必要以上にこわがらなくて大丈夫だよ。
なお、眠れない・食欲がない・気持ちがずっと沈むなど、心や体のつらさが強い時は、無理をしないでください。ひとりで抱えこまず、おうちの人や先生など、信頼できる大人に早めに相談しましょう。
よくある質問
まとめ:スランプは引き算と小さな成功で抜け出す
この記事では、長く続く不調=スランプから抜け出すコツをお伝えしました。
大事なのは、焦って基本を崩さず、引き算で得意プレーにしぼり、小さな「できた」を積み重ねることです。
原因を体・技術・心に切り分けて、昨日の自分とだけ比べていけば、見失った感覚は必ずもどってきます。



あれもこれもやめて、得意なことから取りもどしてみるよ!



その意気だよ。スランプは抜け出せる波だから、あわてず1つずついこうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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