- 練習試合で生徒に審判を任せたいが、教え方がわからない
- 主審・副審・線審の役割の違いをうまく説明できない
- 審判を嫌がる生徒が多くて、いつも同じ子に偏ってしまう
こんな悩みを解決します。
審判の指導は、笛→ハンドシグナル→役割分担の順に、簡単な役割から段階的に教えるのが近道です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
指導現場で多くの生徒に審判を教えてきましたが、最初から完ぺきなジャッジを求めなければ、審判は誰でもできるようになると感じています。
しかも、審判を経験した選手はルールに強くなり、プレーの判断まで良くなっていきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 主審・副審・線審それぞれの教え方の手順がわかる
- 審判を練習に組み込む段階的なステップがわかる
- 審判嫌いの生徒を作らない声かけと運用がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:審判指導は「笛→シグナル→役割分担」の3段階
先に結論からお伝えします。審判の指導は、次の3段階に分けると迷いません。
いきなり主審をやらせないこと。簡単な役割から順に慣らすのが審判指導の鉄則。
れおコーチ練習試合のたびに、審判を押しつけ合いになってしまうんです…。



嫌がるのは、やり方を教わっていないからなんだ。順番に教えれば怖くなくなるよ。
審判が嫌われる一番の理由は、間違えたら怒られそうという不安です。
だからこそ、技術のドリルと同じように、審判も段階的に教える練習メニューの1つとして扱ってあげてください。
なぜ選手が審判をできるとチームが強くなるのか
審判指導は、単なる係の仕事ではなく、選手を伸ばす指導そのものです。理由は3つあります。
- ルールへの理解が深まり、プレーの判断が良くなる
- 練習試合や大会の運営を自分たちで回せるようになる
- ジャッジする側の気持ちがわかり、審判への態度が変わる
ラインぎりぎりのボールを見送るか触るか、ネット際のプレーで何が反則になるか。審判をやった選手は、こうした判断が明らかに正確になります。
たとえばアウトのボールに手を出して失点する場面は、線審としてラインの見え方を体で覚えた選手なら、確実に減らしていけます。
サーブの時間制限のような細かいルールも、審判として数えた経験があれば、試合で慌てることがなくなります。



ルールヲ知ル者ハ 試合ニ強イ
また、公式大会では出場チームが補助役員として審判を担当する場面が多くあります。
審判のできる選手を育てておくことは、チームとして大会に参加するための準備でもあるんです。
当日になって慌てて教えるより、普段から少しずつ経験させておく方が、生徒にとってもずっと楽です。



たしかに、大会で線審を任されて困った経験があります…!



そうなんだ。だから普段の練習試合が、審判の練習の場としても大事になるんだよ。
主審の教え方:笛とシグナルの順序が9割
主審は一番難しい役割ですが、教える中身は、笛の吹き方とハンドシグナルの順序の2つに絞れます。
笛は「強く・短く・迷わず」
弱々しい笛は、選手に聞こえず、判定への信頼も生みません。まず教えるのは笛の吹き方です。
- 音は強く短く。ピッと歯切れよく吹く
- 迷ってから吹かない。見えたままを即座に判定する
- 間違いに気づいたら、堂々と訂正すれば良いと伝える



上手なジャッジより、はっきりしたジャッジ。これが主審の第一歩だよ。
判定に自信がなさそうな生徒には、間違えても訂正できるから大丈夫、と最初に伝えておくと、笛の音から変わっていきます。
サーブの場面では、主審が笛でサーブを許可し、サーバーは笛から8秒以内にボールを打ちます。
この8秒の数え方は、主審を任せる前にそろえておきたいところ。バレーのサーブは何秒以内?8秒ルールの数え方と審判の笛もあわせて確認しておくと安心です。
ラリーが終わるたびに、笛→シグナルの流れをくり返すのが主審のリズムです。サーブ許可→ラリー→判定の笛→シグナル。この一定のリズムを体に入れることが、主審の練習の中心になります。
最初は得点のたびに止まってしまっても大丈夫です。リズムがつかめてくると、試合の進行は自然になめらかになります。
ハンドシグナルは「ポイント→反則」の順
主審が笛を吹いたあとのシグナルには、決まった順序があります。
主審のシグナルは、先にポイント、次に反則の順。
シグナルの種類は多いので、最初はよく起きるものだけに絞って教えます。
| 場面 | 教える優先度 |
|---|---|
| ボールイン・アウト | 最優先(毎ラリー使う) |
| タッチネット・オーバーネット | 高い(ネット際で頻発) |
| ダブルコンタクト・キャッチボール | 高い(つなぎで頻発) |
| フットフォルト | 中(サーブ時に確認) |
ネット際の反則は生徒がもっとも迷うところなので、シグナルとセットでルールの中身も押さえさせておきましょう。
タッチネットやパッシングの線引きはスパイクの反則ルール|タッチネット・パッシングを解説で復習させると、笛を吹く根拠がはっきりします。
正式なシグナルの形は、日本バレーボール協会の競技規則で確認できます。細かい形はバレーボール競技規則(日本バレーボール協会)を参考にしながら、まずは代表的なものから覚えさせましょう。
規則の改定で細部が変わることもあるため、指導者側は年度ごとに最新版へ目を通しておきたいところです。
生徒には毎回すべてを渡さず、その日の練習試合で必要になるシグナルだけを渡す。この絞り込みが、審判デビューのハードルを大きく下げてくれます。
副審と線審の教え方:主審より先に経験させる
副審と線審は、主審より役割が絞られているぶん、審判デビューに向いています。
副審:反則→選手→主審に合わせる
副審はネットを挟んで主審の反対側に立ち、ネット際の反則やポジションの反則を見ます。
副審が笛を吹いたときのシグナルは、主審と順序が違います。



主審ハ 点ガ先 副審ハ 反則ガ先
順序の違いは、主審が試合全体の進行役で、副審がその補佐役だからと説明すると、生徒にも腹落ちしやすいです。
そのほか、タイムアウトや選手交代の管理も副審の仕事です。練習試合では、まず反則のチェックだけに絞って任せると混乱しません。
線審:イン・アウトの判定を体で覚える
線審(ラインジャッジ)は、ボールがラインの内側に落ちたかを判定する役割です。審判の入り口として最適です。
教えるポイントは3つあります。
- ボールがラインに触れていればイン(ライン上はコートの中)
- 落ちた瞬間の場所を、旗や手ではっきり示す
- エンドライン担当は、サーブ時の踏み越し(フットフォルト)も見る



ライン上はインなんですね。生徒がよく迷っています。



そこが一番の教えどころだよ。線に触れたらイン、と合言葉にしてしまおう。
示し方の基本も、あわせて教えておきましょう。インは旗や手のひらをラインに向けて下に示し、アウトは旗を立てて示します。
ブロックなどに触れてから出たワンタッチのボールは、アウトではなく触った側のプレー継続や失点に関わるので、見えたらはっきり伝えるように教えます。



線審ハ 迷ッタラ 見タママヲ示ス
判定に迷いやすいのは、速いボールがラインぎりぎりに落ちる場面です。ボールの落下点を正面から見られる位置に立つこと、ボールを最後まで目で追うことを、くり返し声をかけて習慣にします。
慣れてきたら、担当するラインの分担も教えます。自分のラインの近くに落ちるボールに集中し、遠いボールは無理に判定しないことを伝えると、判定のかぶりや見落としが減ります。
審判を練習に組み込む:紅白戦ローテーションが最強
審判は、教室のような座学だけでは身につきません。一番効果的なのは、普段の紅白戦に審判をセットで組み込むことです。
最初はできないところばかりで当然です。まずは笛が吹けた、旗を上げられた、というできたところを見つけて褒めるところから始めてください。



今の笛、はっきりしてて良かったよ。この一言で審判への苦手意識は薄れていくんだ。
迷った場面の振り返りは、責める場ではなく、全員のルール勉強の時間にします。
判定を題材に「今のはどっちだったと思う?」と問いかけると、プレーしていた選手までルールに詳しくなっていきます。
得点係や記録係も、審判チームの立派な一員です。点数の管理やローテーションの確認は、試合の流れを読む力を育ててくれます。
審判・得点・記録をまとめて試合を支える仕事として扱うと、コートの外の生徒全員に出番が生まれます。



紅白戦なら失敗しても大丈夫だし、審判の練習にぴったりですね!



うん、試合と審判を同時に経験できる、一番効率の良い教材なんだ。
よくある失敗と直し方
審判指導でつまずきやすいパターンを3つ、直し方とセットで押さえておきましょう。
- 判定ミスを試合中にその場で叱ってしまう
- いきなり主審をやらせて苦手意識を植えつける
- いつも同じ生徒にばかり審判をさせる
失敗①:判定ミスをその場で叱る
生徒の判定に選手や指導者が抗議する空気ができると、誰も審判をやりたがらなくなります。
判定はその場では尊重し、迷った場面はあとの振り返りで扱う。このルールをチーム全体で共有してください。
審判への文句を言わないチームの文化は、そのまま公式戦での態度の良さにつながります。
判定を尊重する姿勢は、対戦相手や会場からの信頼にもつながる、チームの見えない財産です。
失敗②:いきなり主審をやらせる
主審は判断の量が多く、初心者には荷が重い役割です。
線審で見る力を、得点係で流れを、副審で反則を覚えてから主審へ。この階段を守るだけで、審判嫌いはほとんど防げます。
初めて主審に挑戦させるときは、点差の開いたセットや、下級生同士のゲームなど、プレッシャーの小さい場面を選んであげてください。
失敗③:同じ生徒にばかり任せる
しっかり者に審判が集中すると、その子の練習時間が削られ、他の生徒の学びの機会も失われます。



つい、安心して任せられる子にお願いしてしまうんですよね…。



気持ちはわかるよ。でも審判は全員が通る練習メニューにした方が、チームは強くなるんだ。
紅白戦のローテーション表に審判役まで書き込んでおくと、偏りは自然になくなります。
全員が経験すれば、大会で誰が補助役員に呼ばれても困らないチームになります。
審判指導についてよくある質問
まとめ:審判を教えられるチームは試合にも強い
審判指導は、笛→ハンドシグナル→役割分担の3段階で、線審から順に経験させるのが基本です。
| 役割 | 教える核 |
|---|---|
| 線審 | ラインに触れたらイン・旗や手ではっきり示す |
| 副審 | 反則→選手→主審に合わせる順序 |
| 主審 | 強く短い笛と、ポイント→反則の順序 |
審判は罰当番ではなく、ルールに強い選手を育てる練習メニュー。
私は元日本代表として多くの試合に関わってきましたが、審判のできるチームは、ルールを味方につけた落ち着いた試合運びができていました。



次の紅白戦から、審判ローテーションを取り入れてみます!



いいね。笛の音がはっきりしてきたら、それが成長のサインだよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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