バレーのモップ係とボール係のやり方|大会で慌てない動き方

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バレーのモップ係とボール係のやり方を解説するアイキャッチ
  • 大会の係でモップ係やボール係を任されたけれど、何をすればいいのかわからない
  • いつコートに入っていいのか、入ってはいけないのかが不安
  • ボールを渡すタイミングを間違えて、試合を止めてしまわないか心配

こんな疑問を解決します。

モップ係は、試合中に床に落ちた汗を拭いて、選手が滑らないようにする係です。ボール係は、試合で使うボールを集めて、サーブを打つ選手へ渡す係のことです。

ルールの上では、モップ係は「モッパー」、ボール係は「ボールリトリバー」と呼ばれています。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

大会では、試合に出ていないチームの選手が、こうした係を担当することがよくあります。初めて任されると、どこに立って、いつ動けばいいのか迷ってしまうものです。

2つの係は、どちらも「試合を止めずに、選手が安全にプレーできるようにする」ための大切な役割です。基本の動きを先に知っておけば、当日も落ち着いて動けます。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • モップ係とボール係が、試合の中で何を任されているのかがわかる
  • 汗を拭くタイミングと、ボールを渡すタイミングの基本がわかる
  • 係をしているときにやりがちな失敗と、その防ぎ方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:モップ係とボール係は「試合を止めない」係

バレーのモップ係がラリー終了に備えてタオルを持って構える場面

先に結論をお伝えします。

モップ係とボール係は、試合の流れを止めずに、選手が安全に、すぐ次のプレーに入れるようにする係です。

バレーボールは、ラリーが終わってから次のサーブまでの時間がとても短い競技です。そのわずかな間に、床の汗を拭き取り、サーブを打つ選手の手元にボールを届けなければなりません。

サルくん

えっ、ラリーとラリーの間って、そんなに短いんですか?

あげば

そう。だから係は、ラリーが終わる前から「次に何をするか」を決めておくのが大事なんだ。

2つの係に共通して、覚えておきたいことは次の3つです。

モップ係とボール係に共通する3つの基本
  • ラリーの最中はコートに入らない
  • 選手に言われる前に、自分で見つけて動く
  • 終わったら、最短距離ですぐ定位置に戻る

係の動きが遅れると、試合がそのぶん止まってしまいます。反対に、汗が残ったまま次のラリーが始まると、選手が滑ってケガをするおそれもあります。

試合に出ていなくても、係はコートの安全を一緒に守る立場です。私は、モップ係やボール係も、選手と一緒に試合をつくっている一員だと考えています。

バボット

シアイヲ トメナイ カカリ

モップ係とボール係はルールでどう決まっている?

モップ係とボール係の動き方は、日本バレーボール協会の6人制審判実技マニュアルに、基本の形がまとめられています。まずは、ルールの中での位置づけを確認しておきましょう。

係は主審の管理のもとで動く

日本バレーボール協会の6人制競技規則では、主審がボールリトリバーとモッパーの任務もコントロールすると定められています。

つまり、モップ係とボール係は、審判団と同じように試合の進行を支える一員として扱われているわけです。係が役割を果たしていないときは、主審から注意を受けることもあります。

また、審判実技マニュアルでは、線審がタイムアウトやセット間に、モップ係やボール係へアドバイスをする流れになっています。わからないことがあれば、近くの線審に確かめるのも1つの方法です。

選手や監督は係に指示できない

審判実技マニュアルには、選手と監督にはモップ係へ指示や要求をする権利がない、と書かれています。選手から「ここを拭いて」と頼まれても、その要求には応じないのが基本です。

一見すると冷たく感じるかもしれません。ただ、これは「頼まれる前に、自分の目で見つけて拭いておく」ことが大切だという意味です。

サルくん

選手に頼まれても拭かないって、ちょっと気まずくないですか…?

あげば

大事なのは、頼まれないくらい先に拭いておくことなんだ。自分で判断して動くのが係の仕事だよ。

人数ややり方は大会によって違う

大きな大会では、モップ係がコートの両側に何人も配置され、ボール係もコートのまわりに数人ずつ立ちます。一方、中学生や高校生の地区大会では、係の人数を少なくしたり、係を置かなかったりすることもあります。

2つの係の違いを、表にまとめます。

主な仕事動くタイミング
モップ係(モッパー)床に落ちた汗を拭いて、滑らないようにするラリーが終わった直後
ボール係(ボールリトリバー)ボールを集めて、サーブを打つ選手へ渡すボールが外に出たときと、サーブの前

この記事で紹介するのは、審判実技マニュアルにそった基本の動きです。当日は大会の係の説明を最優先にして、迷ったら担当の先生や役員の方に確かめてください。

モップ係のやり方|汗を拭く5つの手順

バレーのモップ係がラリー後にネット際の汗をタオルで拭く手順の場面

ここからは、モップ係の動き方を順番に紹介します。流れを頭に入れておけば、試合中に迷う場面がぐっと減ります。

STEP
試合前に集合して道具を確かめる:試合開始の30分前には会場に集まり、いすとタオル、モップがあるかを確認する
STEP
公式練習の間はボール拾いを手伝う:公式練習の間は、フェンスの外でボールを拾って手伝う
STEP
汗を見つけたら片方の手を挙げる:ラリー中に床の汗を見つけたら、その場で片手を挙げて知らせる
STEP
ラリーが終わったらすぐに拭く:笛が鳴ったら素早く汗の場所へ行き、3秒ほどでしっかり拭き取る
STEP
拭いたら最短距離で定位置に戻る:選手とぶつからないように気をつけて、まっすぐ定位置に戻る

1つずつ、くわしく見ていきます。

手順1:試合前に集合して道具を確かめる

審判実技マニュアルでは、モップ係は試合開始の30分前には会場に集まることになっています。そこで、座るための低いいすや、タオル、モップがそろっているかを確かめます。

タオルは、両手に1枚ずつ、合わせて2枚を持って使います。使っていないタオルを置いておくときは、観客から見えにくい場所にまとめておきましょう。

手順2:公式練習の間はボール拾いを手伝う

試合の直前には、両チームがネットを使って練習する公式練習があります。この間、モップ係はフェンスの外でボールを拾って手伝います。

公式練習は時間が短いので、転がったボールをすぐ返してもらえると、チームは練習に集中できます。係の仕事は、試合が始まる前からもう始まっているわけです。

手順3:汗を見つけたら片方の手を挙げる

ラリーの最中に、選手が倒れこんだ場所や、汗が落ちた場所を見つけたら、すぐに片方の手を挙げます。手を挙げながらコートに入ることはしないのが決まりです。

手を挙げるのは、「ここに汗があります」とまわりに知らせるためです。ラリーが続いている間は、その場で待ちながら、汗の場所から目を離さないようにしましょう。

サルくん

見つけてもすぐ飛び出さないで、まず手を挙げて待つんですね!

あげば

その通り。ラリー中にコートへ入ると、選手とぶつかって大きなケガにつながるからね。

手順4:ラリーが終わったらすぐに拭く

ラリーが終わったら、素早く汗の場所へ向かいます。拭く時間は3秒ほどが目安で、拭き残しがないようにしっかり拭き取ります。

急ぐ理由は、ラリー終了の笛から、次のサーブを許す笛までを8秒以内に収めるためです。モップ係が遅れると、それだけ次のサーブまでの時間が延びてしまいます。

サーブの8秒のルールについては、こちらの記事でくわしく解説しています。

手順5:拭いたら最短距離で定位置に戻る

拭き終わったら、選手にぶつからないように注意しながら、まっすぐ定位置に戻ります。コートの奥のほうを担当している場合は、とくに最短距離で戻ることが大切です。

審判実技マニュアルでは、ネットに近いほうを担当するモップ係の定位置は、記録席の横とされています。担当する場所によって戻る位置が変わるので、試合の前に自分の定位置を確かめておきましょう。

タイムアウトやセット間はチームが拭く

タイムアウトやセット間に、チームがベンチの近くで床を濡らしてしまったときは、そのチームが自分たちで拭くことになっています。

水をこぼしたチームがコートチェンジで移動した場合は、必要に応じて係が使っていないタオルで拭きます。

どこまでが係の仕事なのかを知っておくと、ベンチの近くで慌てずにすみます。

ボール係のやり方|ボールを回す5つのコツ

ここからは、ボール係の動き方を見ていきます。ボール係でいちばん大切なのは、サーブを打つ選手の手元に、いつでもボールがある状態をつくることです。

ボール係で押さえておきたい5つのコツ
  • ボールを集めることより、サーブを打つ選手へ渡すことを優先する
  • サーブを打つ選手へは、ワンバウンドで送る
  • 係どうしの受け渡しは、2・3歩動いてフェンスの近くを転がす
  • コートの中のボールは、サイドラインまで行って選手に渡してもらう
  • タイムアウトやセット間は、ボールを選手に渡さない

サーブを打つ選手へ渡すことを優先する

サーブを打つ選手の近くに立つボール係は、ボールを集めることよりも、サーブを打つ選手へ渡すことを先にします。

サーブを打つ選手へボールを送るときは、ワンバウンドで届けるのが基本です。まっすぐ投げると、選手が取り損ねたり、ほかの選手に当たったりするおそれがあるからです。

サルくん

早く渡したくて、つい投げちゃいそうです。ワンバウンドなら取りやすいですね。

あげば

うん。相手が取りやすいボールを送るのは、パスと同じ考え方だよ。

係どうしの受け渡しはフェンスの近くを転がす

コートのまわりに立つボール係どうしで、ボールを受け渡すこともあります。そのときは、2・3歩動いてから、フェンスのすぐ近くの床を転がして送ります。

大切なのは、サーブを打つ選手の邪魔にならないタイミングを選ぶことです。ボールを送る前に、受け取る係と目を合わせておくと、取り損ねを防げます。

コートの中のボールは選手に渡してもらう

ボールがコートの中に残ったときは、ボール係はコートに入りません。サイドラインまで行って、選手に渡してもらいます。

観客席にボールが入ったときは、近くのボール係が近づいて手を挙げ、どこへ返してほしいかをはっきり示します。観客の方が迷わずボールを返せるようにするためです。

タイムアウトやセット間はボールを渡さない

タイムアウトの間や、セットとセットの間は、ボール係がボールを管理します。この時間は、選手にボールを渡さないのが決まりです。

試合が終わったら、試合で使ったボールをすべて記録席へ持っていき、決められた場所に返します。最後にボールの数を数えてから戻すと安心です。

サルくん

試合が終わったあとも、ボールを返すまでが係の仕事なんですね。

あげば

うん。最後まで数をそろえて返せたら、係の仕事は完ぺきだよ。

大きな大会ではボールの数と置き場所も決まっている

審判実技マニュアルでは、試合で3個のボールを使う「3ボールシステム」と、5個のボールを使う「5ボールシステム」が示されています。どちらの場合も、サーブを打つ選手の近くに立つ係がボールを管理します。

ボールを何個使うのか、誰がどこに立つのかは、大会によって違います。係の説明を受けるときに、自分が何番の位置で、何個のボールを持つのかを必ず確かめておきましょう。

モップ係とボール係でやりがちな3つの失敗

最後に、係をしているときによく見かける失敗を3つ紹介します。どれも、前もって知っておけば防げるものばかりです。

失敗1:ラリーの最中にコートへ入ってしまう

汗を早く拭こうとして、ラリーが続いている間にコートへ入ってしまうパターンです。

選手はボールだけを見て動いているので、係がいることに気づけません。ぶつかれば、選手も係も大きなケガをするおそれがあります。汗を見つけたら手を挙げて待ち、ラリーが終わってから動くことを徹底しましょう。

失敗2:選手に言われるまで動かない

試合を見ることに夢中になってしまい、選手から手で合図されてから、ようやく汗に気づくパターンです。

係は、自分の目で汗やボールを見つけて動くのが役割です。ボールを追いかけて試合を見るだけでなく、選手が倒れこんだ場所や、汗が落ちやすいネット際にも目を配っておきましょう。

サルくん

試合がおもしろくて、つい見入っちゃいそうです…。

あげば

気持ちはわかるよ。でも、係の目はボールだけじゃなくて床にも向けておこうね。

失敗3:ボールを強く投げて渡してしまう

サーブまでの時間を気にするあまり、ボールを強く投げて渡してしまうことがあります。

強いボールは取りにくく、選手が取り損ねると、かえって時間がかかります。ボールがほかの選手や審判に当たると、試合が止まることもあるでしょう。

サーブを打つ選手へはワンバウンドで、係どうしはフェンスの近くを転がすのが基本です。

サルくん

急いだつもりが、逆に時間がかかっちゃうんですね…。

あげば

そう。速さより、相手が一回で取れるボールを送ることを優先しようね。

試合全体の流れを知っておくと、係としてどのタイミングで動けばいいのかも見えてきます。こちらの記事も参考にしてみてください。

よくある質問

モップ係は、タオルとモップのどちらを使えばいいですか?

審判実技マニュアルでは、両手に1枚ずつ、合わせて2枚のタオルを持って拭く形が示されています。
ただし大会によって用意される道具が違うので、当日の係の説明に従ってください。

モップ係やボール係は、ユニフォームで行うものですか?

服装は大会ごとに決まっています。
そろいのTシャツやジャージが指定されることもあるので、要項や係の説明で確かめておきましょう。

ボール係が、コートに入ってボールを拾ってもいいですか?

基本はコートに入りません。
コートの中のボールは、サイドラインまで行って選手に渡してもらいます。

係の途中でわからなくなったら、誰に聞けばいいですか?

タイムアウトやセット間など、試合が止まっているときに、近くの線審や係の担当の方に確かめましょう。
ラリーの最中に動いて聞きに行くのは避けてください。

まとめ:係の動きが、選手の安全と試合の流れを守る

モップ係は床の汗を拭いて選手が滑らないようにする係、ボール係はボールを集めてサーブを打つ選手へ渡す係です。どちらも、試合を止めずに、選手が安全にプレーできるようにするための役割です。

① ラリーの最中はコートに入らない。
② 選手に言われる前に、自分の目で見つけて動く。
③ 終わったら、最短距離ですぐ定位置に戻る。

場面モップ係ボール係
試合前30分前に集合し、いすとタオルを確かめる30分前に集合し、自分の位置とボールの数を確かめる
公式練習フェンスの外でボール拾いを手伝うフェンスの外でボール拾いを手伝う
ラリー中汗を見つけたら片手を挙げて待つコートに入らず、ボールの位置を見ておく
ラリーの後すぐに3秒ほどで拭き、定位置に戻るサーブを打つ選手へワンバウンドで渡す
タイムアウトとセット間ベンチ近くの水はチームが拭くボールを管理し、選手には渡さない

係の動きは、テレビや観客席からはほとんど目立ちません。それでも、係がいることで、選手は足元を気にせずプレーに集中できます。

サルくん

次の大会で係を任されたら、ラリーの前から次に何をするか考えて動きます!

あげば

いいね。試合を支える側に立つと、バレーの見え方もきっと変わるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーボールのルールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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