- 試合前の「公式練習」が、何分あって、どんな順番で進むのか知りたい
- 相手チームと一緒にやる場合と、別々にやる場合の違いがわからない
- 数分しかない公式練習で、何をすればいいのか決められずにいる
こんな疑問を解決します。
公式練習は、試合の直前に、試合をするコートとネットを使って練習できる、決められた時間のことです。ルールの上では「公式ウォームアップ」と呼ばれています。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、練習試合でも、ネットの前に立ってから「誰がトスを上げる?」「ボールは何個使う?」と相談を始めて、あっという間に時間が終わってしまうチームはよく見かけます。
公式練習は、時間も順番もルールで決まっています。流れを先に知っておけば、短い時間を最後まで使い切れます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 公式練習の時間が、合同と別々でどう決まっているのかがわかる
- 試合開始の何分前に何が起きるのか、当日の流れがわかる
- 3分しかない公式練習を使い切るための準備と、よくある失敗がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:公式練習は「ネットを使える最後の数分」

先に結論をお伝えします。
公式練習は、試合の直前に、本番のコートとネットを使って体と感覚を合わせる、ルールで決められた短い時間です。
長さは、相手チームと一緒にやるか、別々にやるかで変わります。別々にやる場合は1チームあたり3分か5分しかありません。
サルくんえっ、3分しかないんですか? アップの続きくらいのつもりでいました。



そう。だから公式練習は、体を温める時間じゃなくて、本番のコートに慣れる時間なんだ。
ここで大事なのは、次の2つです。
- 体を温めるのは公式練習の前に済ませておく
- 公式練習では、ネットやボールの感覚を合わせることに絞る
公式練習の数分で体を一から温めようとしても、ほとんど何もできないまま終わってしまいます。ジョギングやストレッチは、会場のウォームアップ場所などで先に済ませておくのが基本です。
そのうえで、公式練習では「このネットの高さでどう打てるか」「この体育館でボールがどう見えるか」を確かめます。初めての会場ほど、この数分の意味は大きくなります。



ホンバンノ コートニ ナレル ジカン
公式練習の時間はルールでどう決まっている?
公式練習の長さは、日本バレーボール協会の6人制競技規則で決められています。まずは、ルールの中身を整理しておきましょう。
両チーム合同なら6分か10分
公式練習は、基本的に両チームが一緒にネットを使って行います。コートを半分ずつ使い、それぞれのチームが自分たちの側で練習する形です。
時間は、試合の前にコートを使ってウォームアップができているかどうかで変わります。できている場合は両チーム合わせて6分、できていない場合は10分です。
大会では、前の試合が終わるまでコートが空かないことがほとんどです。そのため、どちらの時間になるのかは、大会の進め方によって決まります。
別々にやるなら各3分か各5分
どちらかのチームのキャプテンが「相手とは別に、ネットを使って練習したい」と求めた場合は、1チームずつ交代で行います。時間は各3分、または各5分です。
別々に行うときは、最初にサーブを打つ権利を持っているチームからネットを使います。
最初のサーブがどちらになるかは、試合前のコイントスで決まります。つまり、コイントスの結果によって、公式練習を先にやるか後にやるかも決まるわけです。



コイントスでサーブを選んだら、公式練習も先になるんですね!



その通り。先か後かで、待ち時間の過ごし方も変わってくるよ。
ルールの内容を表にまとめます。
| やり方 | 時間 | 始める順番 |
|---|---|---|
| 両チーム合同 | 事前にウォームアップできていれば合わせて6分・できていなければ10分 | 同時にスタート |
| 1チームずつ別々 | 各3分または各5分 | 最初にサーブを打つチームから |
コイントスでサーブとコートを選ぶときの考え方は、別の記事でまとめています。
試合開始前の流れと公式練習の位置
公式練習は、試合前の手続きの流れの中に組み込まれています。何分前に何が起きるのかを知っておくと、当日の動きがぐっと楽になります。
高校の大会の進行表の一例
ここでは、宮城県高体連バレーボール専門部が公開している3セットマッチの進行表をもとに、流れを見てみます。公式練習を1チーム3分ずつ別々に行う場合の例です。
| 試合開始まで | チームが行うこと |
|---|---|
| 11分前 | キャプテンが記録席でコイントスをしてスコアシートにサインする |
| 10分前 | 公式練習を始める(別々の場合は最初にサーブを打つチームから) |
| 7分前 | 別々に行っている場合は、ここでもう一方のチームと交代する |
| 4分前 | 主審の笛で公式練習を終え、選手はすぐにベンチへ戻る |
| 3分前 | エンドラインに並び、あいさつをしてベンチへ戻る |
公式練習が終わってから試合が始まるまでは、わずか4分ほどです。
そのあいだにあいさつや整列が入るので、終わりの笛が鳴ったら、すぐにボールを片付けてベンチに戻ることが求められます。
この時間の割り振りは、大会によって変わることがあります。出場する大会の要項や、監督会議での説明で確かめておいてください。
コイントスのときに合同か別々かを確かめる
日本バレーボール協会の6人制審判実技マニュアルでは、主審がキャプテンとコイントスをする際に、公式練習を合同で行うか、別々に行うかを確かめる流れになっています。
公式練習の開始と終わりの笛は主審が吹き、時間は副審が計ります。別々に行っている場合は、交代の合図も副審が笛で知らせます。
キャプテンは、コイントスに行く前に、チームとしてどちらのやり方を希望するかを監督と決めておきましょう。記録席の前で迷っていると、そのぶん流れが止まってしまいます。



キャプテンって、コイントスのときにそこまで決めるんですね…。



うん。だから試合の前に、監督と一言そろえてから行けば安心だよ。
試合全体の流れは、こちらの記事で整列から試合終了まで順番に確かめられます。
3分の公式練習を使い切る5つの準備


ここからは、公式練習を最後まで使い切るための準備を5つ紹介します。どれも、試合の前日やアップの時間にできることばかりです。
ここからは、1つずつくわしく見ていきます。
準備1:体を温めきってからコートに入る
公式練習の数分は、体を温めるには短すぎます。ジョギングや、足を大きく動かすストレッチ、軽いジャンプは、会場のウォームアップ場所などで先に終わらせておきます。
コートに入った瞬間から、試合と同じ強さでボールに触れる状態にしておくのが理想です。そうすれば、短い時間でも感覚を合わせることに集中できます。
準備2:やる内容と順番を先に決める
公式練習でやる内容は、欲張らずに絞るのがコツです。3分の中に、スパイク、サーブ、レシーブを全部入れようとすると、どれも中途半端になります。
たとえば、「前半2分はスパイク、残り1分はサーブ」のように、大まかに分けておきます。何を優先するかは、チームの課題や、その日に初めて使う会場かどうかで決めてください。



全部やろうとしないで、決めたことだけやるんですね。



そう。短い時間ほど、やらないことを決めるのが大事なんだ。
準備3:トスを上げる人とボールを出す人を決める
スパイクの練習をするなら、トスを上げる人と、その人にボールを渡す人が必要です。ここが決まっていないと、ネットの前で誰が動くのかがはっきりせず、最初の30秒がすぐに過ぎてしまいます。
セッターがトスを上げるのか、監督やコーチがボールを出すのかは、チームによって違います。どちらの形でも、立つ位置まで含めて、試合の前に決めておきましょう。
準備4:ボールの数と置き場所を決める
使うボールの数が少ないと、打ったあとに拾いに行く時間が長くなります。反対に、多すぎるとコートに転がったボールで足をひねる心配が出てきます。
何個使うのか、打つ人のそばのどこにまとめて置くのかを決めておきます。転がったボールを拾う係も1人か2人決めておくと、流れが止まりません。
大きな大会では、ボールを拾う係の人がフェンスの外で手伝ってくれることもあります。ただし、ふだんの大会ではチームで拾うのが基本と考えておきましょう。
準備5:待ち時間の過ごし方を決める
別々に行う場合、後にやるチームは3分ほど待つことになります。この間に座ったまま動かないでいると、せっかく温めた体が冷えてしまいます。
コートの外で、軽いジャンプやその場での足踏み、パスの動きの確認など、ボールを使わない動きを続けておきます。自分たちの番になったとき、すぐに動ける状態をつくっておきましょう。



待っている時間も、準備の時間なんですね!



うん。後から入るチームほど、ここで差がつくよ。
公式練習でやりがちな3つの失敗
最後に、公式練習でよく見かける失敗を3つ紹介します。どれも、流れを知っていれば防げるものです。
失敗1:体が冷えたまま公式練習に入る
前の試合が長引いて待ち時間ができると、アップを早めに終えてしまい、体が冷えた状態で公式練習に入ることがあります。
この状態でいきなり強く打つと、思うように体が動かないだけでなく、ケガにもつながります。前の試合の進み具合を見ながら、アップを終える時間を調整するのが大切です。
失敗2:コートに入ってから相談を始める
「誰がトスを上げる?」「何本ずつ打つ?」と、コートに入ってから相談を始めてしまうパターンです。
話し合っている間も、時間は止まりません。3分の公式練習で1分話し合えば、残りは2分しかありません。やることは、コートに入る前にすべて決めておきましょう。
失敗3:終わりの笛のあとも片付けがもたつく
終わりの笛が鳴っても、転がったボールを拾いきれず、ベンチに戻るのが遅れてしまうことがあります。
公式練習のあとは、あいさつや整列がすぐに続きます。笛が鳴ったら、全員でボールを集めてすぐに戻るところまでを、公式練習の一部と考えてください。



最後に打ちたくて、つい1本多く打っちゃいそうです…。



気持ちはわかるけど、笛が鳴ったら終わりだよ。その切りかえも、試合の準備なんだ。
試合の序盤でなかなか流れに乗れないチームは、公式練習までの準備から見直してみると変わることがあります。こちらの記事も参考にしてみてください。
よくある質問
まとめ:公式練習は、コートに入る前に8割が決まる
公式練習は、試合の直前に本番のコートとネットを使って感覚を合わせる、ルールで決められた時間です。合同なら6分か10分、別々なら各3分か各5分しかありません。
① 体を温めるのは公式練習の前に終わらせる。
② やる内容と役割は、コートに入る前に決めておく。
③ 終わりの笛が鳴ったら、すぐに片付けてベンチに戻る。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 試合の前日まで | 公式練習でやる内容と順番、役割を決める |
| アップの時間 | 体を温めきり、公式練習ですぐ打てる状態にする |
| コイントスの前 | 合同か別々か、チームの希望を監督と決める |
| 自分たちの番を待つ間 | コートの外で動き続け、体を冷やさない |
| 終わりの笛のあと | 全員でボールを集め、すぐにベンチへ戻る |
公式練習は短いぶん、準備の差がそのまま出る時間です。やることを決めてコートに入れば、数分でも本番のコートにしっかり慣れることができます。



次の試合では、公式練習の順番をみんなで決めてからコートに入ります!



いいね。準備ができていれば、最初の1点から落ち着いて入れるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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