バレーで人と比べてしまう|焦りを伸びに変える5つの手順

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バレーで上手い選手と自分を比べて焦るサルくんに声をかけるあげばのアイキャッチ画像
  • 同学年の子が上手くなっていくのを見ると、胸がざわざわする
  • 自分より後から始めた人に追いつかれて焦っている
  • 比べても意味がないと分かっているのに、やめられない

こんな悩みを解決します。

人と比べてしまうのは、性格の問題ではありません。比べる相手と、比べる中身を決めていないことが原因です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上、中学生から一般まで幅広い世代を指導してきましたが、「あの人と比べて自分はダメだ」という相談は、技術の相談と同じくらい多く受けてきました。

そのときにお伝えしているのは、比べるのをやめようとしなくていい、ということです。比べ方を変えるほうが現実的で、そのほうが伸びます。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • なぜ比べると苦しくなるのか、その仕組みが分かる
  • 焦りを練習の中身に変える具体的な手順が分かる
  • 比べてもいい場面と、見ないほうがいい場面の線引きが分かる

メンタル面の整え方をまとめて知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:比べるのをやめるのではなく、比べ方を変える

結論からお伝えします。

比べてつらくなったときの直し方は、① 比べる相手を「先月の自分」に置き換える。
② 人の動きは、盗む目的でだけ見る。
この2つです。

人と比べるのをやめるのは、そもそも難しいことです。同じコートに立っていれば、上手い人の動きは自然と目に入ります。

無理に見ないようにすると、かえって気になります。だから、比べる相手と目的を変えるほうが現実的です。

サルくん

比べないようにしていたのに、つい見てしまいます…。

あげば

見るのは悪くありません。何のために見るかを変えましょう。

もう1つ知っておいてほしいのは、比べて焦る気持ちは、上手くなりたい気持ちの裏返しだということです。どうでもいい相手には、人は焦りません。

焦りそのものは燃料になります。向ける先を間違えなければ、練習の質は上がります。

バボット

アセリ ハ ムケル サキ ガ ダイジ

なぜ比べると苦しくなるのか

同じ「比べる」でも、苦しくなる比べ方と、役に立つ比べ方があります。まずは自分がどちらをしているかを見てみてください。

苦しくなる比べ方の特徴

比べて落ち込むときは、たいてい次のどれかに当てはまります。

比べ方何が起きるか変えどころ
結果だけを比べる出番・勝敗しか見えず、自分の伸びが消える経過を比べる
全体をまとめて比べる「あの人はすごい」で終わり、学べない1つの動きに絞る
過去の相手と比べる今日の自分の課題が分からない先月の自分と比べる
いちばん上手い人と比べる差が大きすぎて手が止まる少し上の人を見る

とくに多いのが、1つ目の結果だけを比べるパターンです。出番の有無や勝敗は、自分の伸びとは別の軸で決まります。

サルくん

試合に出ているかどうかばかり見ていました。

あげば

そこは指導者が決める部分です。自分が動かせる場所を見ましょう。

人の伸びは見えて、自分の伸びは見えない

もう1つの理由が、見え方の差です。人の伸びは結果として目に入りますが、自分の伸びは体の中で起きるので気づきにくいのです。

先月より1歩目が早く出ていても、自分では分かりません。数えて残しておかないと、伸びていないように感じてしまいます。

だから、記録が効きます。数字が残っていれば、焦っている日でも自分の変化が見えます。

もう1つ覚えておきたいのが、伸び方は人それぞれ違うということです。少しずつ上がる人もいれば、半年変わらずに急に上がる人もいます。

変わらない時期は、体の中で動きの形が作られている時間です。外から見えないので、止まっているように感じます。

サルくん

変わらない時期にも、進んでいるんですね。

あげば

ええ。そこで止める人が多いだけなんです。

同じ時期に始めても、体の成長の早さや前の競技の経験で進み方は変わります。同じ月数だけ練習したから同じ位置にいるはず、とはなりません。

自分の伸びは、数えて残さないと見えません。焦りの半分は、見えていないことから来ています。

比べた相手も、誰かと比べている

上手く見える人も、その上の誰かを見て焦っています。私が関わってきた選手たちでも、順番が入れ替わる場面を何度も見てきました。

今の順番は、そのまま固定されるものではありません。中学や高校の3年間でも、入れ替わりは何度も起きます。

バボット

イマノ ジュンバン ハ カワル

焦りを練習に変える5つの手順

ここからは具体的な進め方です。1日で全部やる必要はなく、上から順に置き換えていきます。

STEP
1. 相手を置き換える:比べる相手を「先月の自分」に決める
STEP
2. 数える:サーブやレシーブの成功本数を練習ごとに記録する
STEP
3. 1つに絞る:上手い人の動きを見るときは、1か所だけ見る
STEP
4. 真似する:見た1か所を、その日の練習で実際に試す
STEP
5. 書き残す:できた場面を1行だけ書いて、次の練習前に読む

3番目と4番目が、この手順の中心です。上手い人を見るのは、落ち込むためではなく、盗むためだと決めておきます。

構えの高さ、1歩目の向き、打つ前の目線。どれか1つに絞ると、真似できる形になります。

サルくん

全体を見ていたから、すごいで終わっていたんだ!

あげば

1か所に絞ると、そのまま練習に持って行けますよ。

1週間の進め方の例

言葉だけだと動きにくいので、1週間の形にしてみます。月曜に比べる相手を決めて、日曜に振り返るイメージです。

月曜と火曜は、上手い人の動きを1か所だけ見る日にします。見るだけで、まだ真似はしません。

水曜から金曜は、見た1か所を自分の練習で試します。ここで成功本数を数えておくと、あとで変化が分かります。

見る日と、試す日を分けるのがコツです。同じ日にやると、どちらも中途半端になります。

土曜と日曜は、数えた本数を先週と比べます。増えていれば続け、変わらなければ見る場所を別の1か所に変えます。

この形なら、焦りが出た日も「今週は何を見る週か」がはっきりしています。やることが決まっていれば、人の動きを見ても沈みにくくなります。

サルくん

1週間ごとに区切ると分かりやすいです。

あげば

区切りがあると、比べても迷わなくなりますよ。

比べる相手は「少し上の人」にする

いちばん上手い人を基準にすると、差が大きすぎて手が止まります。目安は、頑張れば追いつけそうな少し上の人です。

その人ができていて自分ができていないことは、たいてい1つか2つに絞られます。そこが今日の課題になります。

比べる相手は、追いつけそうな少し上の人にすると、課題が具体的になります。

記録は数字と1行メモで足りる

記録は難しく考えなくてかまいません。サーブが10本中何本入ったか、レシーブが何本セッターに返ったか。それだけで変化は追えます。

そこに、できた場面を1行だけ足しておきます。落ち込んだ日にその1行を読むと、進んでいることが自分で確認できます。

書き方の型はバレーノートの書き方|伸びる選手の振り返り3項目にまとめました。

見ないほうがいい場面もある

比べ方を変えても、どうしても苦しい場面があります。そのときは距離を取ってかまいません。

大会直前と、疲れている日は見ない

試合が近い時期に人の動きを気にすると、自分の準備が崩れます。直前にフォームを変えたくなるのも、たいていこのときです。

大会前の1週間は、自分が決めた1つだけに集中します。人の動きを研究するのは、大会が終わってからで十分です。

疲れている日も同じです。体が重い日は、どんな比べ方をしても悪い方向に考えが進みます。

大会直前と疲れている日は、人と比べる作業を止めます。判断が悪いほうへ進みます。

SNSで人の練習を見続けない

同じ年代の選手の動画を見続けると、比べる材料が無限に増えます。上手い人だけが目に入るので、平均が上がって見えます。

見る時間を決めて、そこから1つだけ真似するものを選ぶ。そう決めておくと、材料として使えます。

サルくん

見ているうちに、落ち込むだけの時間になっていました。

あげば

見る目的と時間を決めれば、道具として使えますよ。

出番の話は、自分で決められない

レギュラーを外れているときは、比べる気持ちがいちばん強くなります。ただ、出番を決めるのは指導者です。

自分で動かせるのは、練習でできることを増やすところまでです。ここを分けておくと、気持ちの消耗が減ります。

考え方はバレーでレギュラーになれない|選ばれる選手になる4手順バレーで控えのときの過ごし方|ベンチから出番に備える5つにまとめています。

やってしまいがちな4つの失敗

比べることに向き合うとき、遠回りになりやすい行動があります。よく見る順に挙げます。

失敗1:練習量で追いつこうとする

焦ると、真っ先に増やしたくなるのが練習量です。ですが、量を増やしても、やっている中身が同じなら差は変わりません。

先に見るのは、何を練習しているかです。同じ時間なら、中身を1つ入れ替えるほうが効きます。

体の疲れが先に来ると、判断も動きも落ちます。そこから調子を崩す選手を、私も何人も見てきました。

失敗2:自分を下げる言葉を口にする

「自分は下手だから」と言葉にすると、その場は楽になります。ですが、口にするほど、挑戦する場面で手が出なくなります。

言い方を変えるだけで動きは変わります。下手だから、ではなく、まだやった回数が少ないから、と置き換えてみてください。

サルくん

口ぐせになっていました…。

あげば

言い換えるだけで十分です。回数の話にしましょう。

失敗3:比べる範囲を広げすぎる

同じチームの選手だけでなく、他校の選手、全国大会に出ている選手まで並べて見ると、比べる相手はきりがなくなります。

範囲を広げるほど、上手い人の数は増えます。どれだけ伸びても、自分より上の人は必ず見つかります。

比べる範囲は、同じ体育館にいる人までで十分です。その中で少し上の人を1人決めれば、今週やることは決まります。

失敗4:比べた相手を避ける

気になる相手を避けると、学べる機会も失います。同じチームなら、その人と組む練習がいちばん近道です。

上手い人と組むと、自然と基準が上がります。避けるより、隣でやったほうが伸びます。

自信そのものが落ちているときはバレーで自信をつける方法|自信がないを変える習慣を先に読んでみてください。

よくある質問

人と比べるのは悪いことですか?

悪いことではありません。
結果だけを比べると苦しくなりますが、動きを1か所に絞って見るなら、上達の材料になります。

後から入った人に追い抜かれて焦ります。

伸びる時期は人によって違うので、順番はその後も入れ替わります。
焦りが強い時期は、先月の自分と比べる形に切り替えて、成功本数を数えてみてください。

同期の動画を見ると落ち込みます。

見る時間を決めて、1つだけ真似するものを選ぶ形にしてください。
目的を決めずに見続けると、比べる材料だけが増えていきます。

親から他の子と比べられるのがつらいです。

つらいと感じていることを、言葉にして伝えてみてください。
比べられると力が出ないと伝わるだけでも、声のかけ方は変わることがあります。

まとめ:比べる相手を変えれば、焦りは燃料になる

人と比べてしまうのは、上手くなりたい気持ちがあるからです。やめようとするより、比べる相手と目的を変えるほうがうまくいきます。

① 比べる相手を「先月の自分」に置き換える。
② 人の動きは、盗む目的でだけ見る。

今の状態やること見るポイント
結果ばかり比べてしまう成功本数を数えて記録する先月の自分と比べているか
すごいで終わってしまう見る場所を1か所に絞るその日の練習で試したか
差が大きすぎて手が止まる少し上の人を基準にする課題が1〜2つに絞れたか
大会前に落ち着かない人を見る作業を止める自分の1つに集中できているか
自分を下げる言葉が出る「回数が少ない」に言い換える挑戦する場面で手が出ているか

私の指導の現場でも、人と比べて苦しくなっている選手には、まず上手い選手の動きを1か所だけ真似してみることをすすめています。

まずは次の練習で、上手い人の動きを1か所だけ見て、その日のうちに試してみてください。

サルくん

明日は構えの高さだけ見て、真似してみます!

あげば

それなら、見た時間がそのまま練習になりますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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