- 新入部員が年々減っていて、チームが組めなくなりそう
- ポスターを貼っているのに、体験に来る子が少ない
- 体験入部には来るのに、入部までつながらない
こんな悩みを解決します。
新入生勧誘の答えは、「知ってもらう→体験してもらう→不安を消す」の3段で設計することにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきた経験から、入部を決めるのは技術の高さではなく「ここなら楽しくやれそう」という安心感だと感じています。
ポスターも体験会も、その安心感を届けるための道具だと考えると、やるべきことが見えてきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 体験に来たくなる部員募集ポスターの作り方がわかる
- そのまま使える体験入部イベントの企画3つがわかる
- 体験を入部につなげる声かけと受け入れ準備がわかる
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論:勧誘は「知る→体験する→不安を消す」の3段で設計する
先に結論からお伝えします。勧誘がうまくいかないチームの多くは、ポスターだけ、見学だけ、と単発の施策で終わっています。
新入生の立場に立つと、入部までには3つの階段があります。
- 知る:部の存在と雰囲気を知る(ポスター・掲示・紹介)
- 体験する:実際にボールを触って「楽しい」と感じる(体験入部)
- 不安が消える:初心者でも大丈夫・両立できると確信する(声かけ・受け入れ)
れおコーチポスターを貼って待っているだけでは、だめなんですね…。



ポスターの仕事は「体験に来てもらう」まで。入部を決めるのは体験と安心感だよ。
3つの階段はつながっています。ポスターで興味を持った子が体験で楽しめて、最後の不安が消えたときに、入部届に名前が書かれます。
勧誘の設計図は「ポスターで呼ぶ→体験で楽しませる→不安を消して迎える」。
ここからは、階段を1段ずつ具体的に作っていきましょう。
なぜ「練習見学だけ」では入部につながらないのか
勧誘期間にありがちなのが、「見学自由」とだけ掲示して通常練習を見せる形です。これが入部につながりにくいのには理由があります。
見ているだけでは、バレーの一番の魅力である「ボールがつながる楽しさ」を体感できないからです。



タノシサハ ミルヨリ サワルデ ツタワル
さらに、初めての場所で新入生の頭の中は不安でいっぱいです。
- 初心者でもついていけるか(経験者ばかりだったらどうしよう)
- 勉強や習いごとと両立できるか(練習は週何日?)
- お金がどれくらいかかるか(シューズ・ユニフォームなど)
見学だけでは、この不安はひとつも解消されません。むしろ経験者の速いプレーを見て「自分には無理だ」と感じさせてしまうこともあります。
迷っている子ほど、背中を押すきっかけを待っています。「見ていってね」ではなく「1回だけ触ってみない?」という誘い方に変えるだけでも、その日の体験者は増えます。



上手なところを見せれば、入りたくなると思っていました…。



上手さは大人の自慢になりがちなんだ。新入生に届けたいのは「自分にもできそう」なんだよ。
だからこそ、見せる勧誘から「触らせる勧誘」への切り替えが、部員集めの分かれ道になります。
目を引く部員募集ポスターの作り方
最初の階段「知る」の主役がポスターです。デザインの上手さより、載せる情報と貼り方で差がつきます。
載せる情報:新入生の疑問に先回りして答える
ポスターは作品ではなく案内板です。見た子の疑問に、その場で答えられる情報を載せます。
- 活動日と時間(週◯日・何時まで/休養日も書く)
- 活動場所(体育館・外コートなど)
- 初心者歓迎の明記(現部員の初心者スタート人数も)
- 体験入部の日時と持ち物(体操服・体育館シューズでOKなど)
- 部員数と雰囲気が伝わる一言・写真
とくに効くのが「現部員◯人のうち◯人が初心者スタート」という事実です。初心者の子の背中を押す、いちばん具体的な安心材料になります。
見せ方:文字を減らして数字と写真で語る
廊下を歩く新入生がポスターを見る時間は、ほんの数秒です。
ポスターは3秒で「楽しそう」、10秒で「行ってみよう」が伝わる構成にする。
大きな文字は「初心者歓迎」と「体験入部の日時」の2つだけで十分です。細かい説明を詰め込むより、笑顔の練習写真1枚のほうが雰囲気を伝えます。
数字も強い味方です。「初心者スタート7人」「週4日・休養日あり」のように、事実を数字で見せると、飾った言葉より信頼されます。



スウジハ イチバン ミジカイ アンシンザイリョウ
手書きの一言を添えるのもおすすめです。印刷物の中に部員の手書きメッセージがあると、人の気配が生まれて足を止めてもらえます。



伝えることをしぼるのは、練習の組み立てと同じですね!



そのとおり。欲張ると、いちばん大事な一言が埋もれてしまうんだ。
貼り方:場所と時期で見られる回数を増やす
同じポスターでも、貼る場所で効果が変わります。新入生の動線である昇降口・新入生の教室近く・購買や食堂まわりが基本です。
時期は入学式の前後から仮入部期間が勝負です。体験会の直前には「今週◯曜日!」と日付を目立たせた小さな掲示を追加すると、行動につながります。
先生や在校生の口コミも立派な広報です。担任の先生に一言お願いしておくだけで、届き方が変わります。
新入生向けの部活動紹介の場があるなら、最大のチャンスです。話す内容はポスターと同じく「初心者歓迎・体験の日時・部の楽しさ」の3点にしぼり、可能なら実演やラリーを見せて歓声を作りましょう。
体験入部イベントの企画3つ
2段目の階段「体験する」の中心が体験入部です。ここでの合言葉は、上手にさせることではなく「できた!」で帰すことです。
体験会全体は45〜60分に収め、「アップと自己紹介→企画1つか2つ→先輩とのミニゲーム→一言タイム」の流れが基本形です。長すぎる体験会は、楽しさより疲れを持ち帰らせてしまいます。
企画1:キャッチバレー大会(初心者が主役)
レシーブの代わりにキャッチOK、つないで3本目はアタック(投げ込みでも可)というルールのミニゲームです。
ボールを落とす恐怖がないので、初心者でもラリーの楽しさを初日に味わえます。経験者と初心者が同じチームで楽しめるのも利点です。
私の指導現場でも、最初にラリーの楽しさを味わった子ほど、その後の基礎練習にも前向きに取り組んでいます。
企画2:的当てゲーム(遊びながらボールに慣れる)
相手コートに置いたマットやカゴを狙って、パスやサーブでボールを当てるチーム対抗戦です。
技術がなくても偶然当たるのがこのゲームの良いところで、体育館に歓声が生まれます。「狙って当たった」という小さな成功体験が、また来たい気持ちを作ります。
チーム対抗の得点制にすると、初対面の新入生同士にも自然と会話が生まれます。友だちができそうという感覚も、入部を後押しする大事な要素です。
企画3:先輩とのミニゲーム(部の雰囲気を見せる)
最後に、在校生チームに新入生を数人ずつ混ぜたミニゲームをします。先輩がトスを上げて新入生に打たせる、決まったらハイタッチ、という関わりが部の雰囲気そのものの紹介になります。



体験会で、基礎練習をきちんとやらせなくていいんでしょうか?



基礎は入部してからいくらでもできるよ。体験の日は「楽しい」を持ち帰ってもらう日なんだ。
体験入部のゴールは上達ではなく「またやりたい」という気持ち。
どの企画でも、待ち時間を作らない運営は必須です。人数が多く集まったときの回し方は、バレーの大人数練習メニュー|コート1面・部員30人の回し方の考え方がそのまま使えます。
体験を入部につなげる運営と声かけ
同じ企画でも、運営と声かけで入部率は変わります。3段目の階段「不安を消す」の実践です。
「できたところ」を見つけて名前で褒める
最初はできないことばかりなのが当然です。だからこそ、できたところを見つけて先に褒めるのが鉄則です。
「◯◯さん、いまのキャッチの構えいいね」と名前で声をかけられた子は、「自分を見てくれる場所だ」と感じます。



ナマエ プラス デキタコト デ ホメル
在校生にも「体験の子を1人3回は褒める」と役割を渡しておくと、体育館全体が歓迎の空気になります。
経験者の子には、少し違う声かけが効きます。「どのポジションだったの?」「サーブ得意?」と経験を尊重して聞くと、「ここなら自分を活かせる」と感じてもらえます。



初心者と経験者で、かける言葉を変えるんですね!
体験に来た子の名前は、その日のうちにメモしておきましょう。2回目に来たときに名前で迎えられるかどうかは、小さいようで大きな差になります。
3大不安への答えをその場で伝える
練習日・両立・費用の3大不安には、聞かれる前にこちらから答えます。体験会の終わりに1分だけ、「週◯日で休養日はここ」「テスト前は練習を減らす」「最初にそろえる物はこれくらい」と話すだけで十分です。
保護者向けに、同じ内容を書いた紙を1枚持ち帰らせると、家庭での「入っていいよ」につながります。
なお、練習日数や休養日は、国のガイドラインでも適切に設定することが求められています。休養日を含めた活動方針をきちんと示せる部は、保護者からの信頼も得やすくなります。
出典:運動部活動の在り方に関する総合ガイドライン(スポーツ庁)



たしかに、決定権の半分はおうちの人にありますもんね。



そう。新入生と保護者、2人の読者に向けて発信するのがコツだよ。
入部後の受け入れ:4月に辞めさせない設計まで
勧誘のゴールは入部届ではありません。せっかく入った子が5月に辞めてしまえば、勧誘は失敗です。
4月はまだ仮入部のような期間だと考え、数値目標やきつい練習は課さず、「楽しい・またやりたい」を最優先にします。
- 辞めさせない:きつさより楽しさ(走り込みのしすぎは禁物)
- 安全のルールを作る:ボールをまたがない・踏まないの徹底から
- 正しい形の入口だけ作る:構えとパスの形を、褒めながら少しずつ
先輩たちの「1年でできるようになったことリスト」を掲示するのもおすすめです。「壁パス10回から50回になった」という先輩の実例は、新入生にとって未来の自分の姿になります。
入部が決まったら、保護者への最初の連絡も早めに出します。年間の大会予定と費用の見込みを最初に伝えておくと、あとのトラブルを防ぎ、応援団になってもらえます。
こうした育成の見通しを持つには、1年間の設計図があると心強いものです。バレー年間計画の作り方|時期別強化とピリオダイゼーションもあわせて参考にしてください。



勧誘は、入部後の育て方とセットなんですね!



うん。「入ってよかった」が来年の口コミになって、次の勧誘を楽にしてくれるんだ。
部員集めについて、指導者の方からよくいただく質問にお答えします。
新入生勧誘についてよくある質問
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
まとめ:勧誘は3段の階段づくり
新入生勧誘は、才能のある子を探す活動ではなく、「知る→体験する→不安を消す」の階段を丁寧に作る活動です。
| 階段 | 施策 | 合言葉 |
|---|---|---|
| 知る | ポスター・掲示・口コミ | 3秒で「楽しそう」が伝わる |
| 体験する | キャッチバレー・的当てゲーム | 「できた!」で帰す |
| 不安を消す | 名前で褒める・3大不安に先回り | 保護者にも伝える |
| 迎える | 4月は楽しさ最優先 | 辞めさせないまでが勧誘 |
勧誘のゴールは入部届ではなく、「入ってよかった」と思える1年後。
私は元日本代表として多くの体育館を見てきましたが、部員が集まり続ける部には「楽しさを設計する指導者」がいるものです。
まずは体験会の企画を1つ、決めるところから始めてみてください。



まずはキャッチバレー大会から企画してみます!



いいね!体育館に響く歓声が、いちばんのポスターになるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの指導・チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
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