- OB・OGとの距離感がつかめず、対応に気を遣って疲れてしまう
- 卒業生の口出しや昔ながらのやり方に、現役の指導が振り回されている
- チームに良い伝統を残したいが、何から始めればいいかわからない
こんな悩みを解決します。
OB会・OG会との関係は、関わり方のルールを先に決めて、感謝と報告を欠かさないことで、チームの大きな財産に変わります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
私自身も選手として複数のチームを巣立ってきた立場から、卒業生と現役の良い関係が持つ力を実感しています。
卒業生は、扱いを間違えれば悩みの種になり、うまくつながれば何十年も続く応援団になる存在です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- OB・OG会と良い関係を築く基本ルールがわかる
- 口出しなど困った場面への具体的な対応がわかる
- チームに残す伝統の作り方と残し方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:OB・OG会とは「ルール化した距離感」で付き合う
先に結論からお伝えします。卒業生との関係づくりの軸は、次の3つです。
- 練習参加や支援の関わり方を、ルールとして決めておく
- 指導の決定権は現役の指導者にあると、はっきりさせる
- 支援には感謝と報告を返し、関係を一方通行にしない
卒業生との揉め事のほとんどは、悪意ではなく「役割のあいまいさ」から生まれます。
れおコーチOBの方が練習に来てくれるのは嬉しい反面、正直ちょっと緊張するんですよね…。



その感覚は自然だよ。だからこそ、気持ちではなくルールで関係を整えるのが大事なんだ。
先輩だから断れない、恩があるから言えない。そんな空気のまま関係を続けると、小さな違和感がやがて大きな対立になります。
逆に、関わり方の線引きが共有されていれば、卒業生は安心して応援でき、現役は安心して指導できます。
この記事では、そのルールの作り方から順番に見ていきましょう。
なぜOB・OG会との関係がチームの財産になるのか
まず、卒業生とつながる価値を整理しておきます。ここが腹落ちしていると、面倒な調整も前向きに進められます。
- 練習相手・審判など、人手の面での支援
- 用具や大会遠征への金銭的な支援
- チームの歴史と誇りという、心の支え
現役だけでは強い練習相手が足りない時、卒業生の胸貸しは貴重な強化の機会になります。



たしかに、OB戦のあとは選手の目の色が変わる気がします!



先輩の背中は、指導者の言葉より雄弁なことがあるからね。
そして見逃せないのが、3つ目の心の支えです。
「このユニフォームは代々受け継がれてきた」という感覚は、選手の踏ん張りどころで効いてきます。歴史のあるチームが強いのは、偶然ではありません。
さらに、卒業生は進路のロールモデルにもなります。高校や大学でプレーを続ける先輩、社会人になっても大会に出る先輩の姿は、現役にとって将来を思い描く生きた教材です。



レキシハ メニミエナイ 6ニンメ
一方で、関係がこじれた時の負担も現実にあります。口出し、昔のやり方の押しつけ、現役そっちのけの同窓会化。
だからこそ、次の章で紹介する基本ルールが必要になるんです。
OB・OG会との付き合い方の基本ルール
良い関係は、あいまいな善意ではなく、明文化されたルールの上に育ちます。決めるべきは大きく2つです。
練習参加のルールを決める
卒業生の練習参加は、ありがたい支援であると同時に、無秩序になると現役の練習を壊します。次の項目を先に決めておきましょう。
| 項目 | 決めておく内容の例 |
|---|---|
| 頻度・日程 | 参加できる曜日や回数(例:月1回の指定日) |
| 事前連絡 | 参加希望は代表経由で前日までに連絡 |
| 役割 | 練習相手・審判など、お願いしたい役割 |
| 安全 | 準備運動の徹底・無理なプレーをしない |
| 指導 | 技術的な助言は指導者の方針の範囲で |
ポイントは、参加を「いつでもどうぞ」にしないことです。
指定日を設ける形にすれば、現役は計画的に練習を組めますし、卒業生同士も顔を合わせやすくなり、参加の満足度はむしろ上がります。



制限すると、来てくれなくなりませんか?



逆だよ。ルールがある方が、卒業生は「歓迎されている日」がわかって参加しやすくなるんだ。
安全面のルールも忘れずに。久しぶりに体を動かす卒業生の怪我は、本人にもチームにも大きな痛手になります。
支援の受け方と報告の仕方
寄付や用具の支援を受ける時は、受け方の型を決めておきます。
とくに大事なのが、3つ目の報告です。
支援してくれた人が一番嬉しいのは、お礼の言葉よりも「役に立った」という報告です。
「いただいたボールで毎日練習しています」「遠征費のおかげで全員が参加できました」。この一報が、次の支援につながります。
お金の管理と報告の基本は、部費の会計と同じです。くわしくは別の記事で解説しています。
困ったOB・OGへの対応3パターン
ルールを整えても、困った場面はゼロにはなりません。よくある3パターンと対応を押さえておきましょう。
指導方針への口出しには「聞く」と「決める」を分ける
一番多いのが、練習内容や選手起用への口出しです。
対応の軸は、意見として聞くことと、方針を決めることを切り分けることです。話は丁寧に聞き、その上で「チームの方針はこう考えています」と理由ごと伝えます。



大先輩が相手だと、つい流されそうになります…。



気持ちはわかるよ。でも現役の指導に責任を持てるのは、今の指導者だけなんだ。そこは譲っちゃいけない。
その場しのぎで曖昧にうなずくのが、一番危険です。「賛成してくれた」と受け取られ、あとで話がこじれます。
予防策としておすすめなのが、年に1回、OB会の代表にチームの方針を説明する機会を作ることです。先に方針を知っていれば、個々の場面での口出しは自然と減っていきます。
昔ながらの厳しいやり方の持ち込みには安全基準で線を引く
「自分たちの頃はもっと厳しかった」と、時代に合わない練習や上下関係を持ち込もうとするケースもあります。
ここは、好みの問題にせず、安全と方針の問題として線を引きます。
水分補給や休養の考え方、選手への声のかけ方は、チームの決まりとして先に文書化しておきましょう。「チームのルールなので」と示せる形があると、個人対個人の対立になりません。
練習がきつすぎてバレーボールを嫌いになってしまうことこそ、チームにとって一番の損失です。この価値観は、卒業生にも折に触れて伝えていきましょう。
現役より自分たちを優先する参加には役割をお願いする
練習参加が同窓会のようになり、現役のコートや時間が削られてしまうパターンです。
これは参加ルールの指定日制でほぼ防げますが、加えて有効なのが、役割をお願いすることです。
「手伝ってもらう」から「役割を任せる」に変わると、卒業生は現役のための時間として動いてくれます。
乱打の相手、サーブレシーブの的、審判、計測係。役割が明確なほど、参加は現役の成長に直結します。



ヤクワリガ アルト ヒトハ カガヤク
チームの伝統の作り方と残し方
ここからは攻めの話です。卒業生とのつながりを、チームの伝統として形にしていきましょう。
残す伝統と見直す習慣を仕分ける
伝統というと「昔から続くもの」を思い浮かべますが、すべてを残せば良いわけではありません。
| 分類 | 基準 | 例 |
|---|---|---|
| 残す伝統 | 選手を成長させ、誇りになるもの | 挨拶・応援歌・卒業生との定期戦 |
| 見直す習慣 | 誰も理由を説明できないもの | 意味のない上下関係・過度なしごき的練習 |
判断の物差しは1つです。「それは今の選手を成長させているか」。



伝統と悪習の区別って、中にいると意外と難しいですよね。



だから節目ごとに「なぜ続けているのか」を言葉にしてみるんだ。説明できないものは見直しの候補だよ。
見直す時は、卒業生への伝え方に配慮しましょう。「否定」ではなく「進化」として伝えると、無用な反発を避けられます。
伝統を形にする3つの方法
良い伝統は、放っておくと代替わりとともに消えていきます。意識して形に残しましょう。
とくに恒例行事の力は大きいです。「毎年3月はOB戦」と決まっていれば、連絡も準備も型になり、卒業生も予定を空けやすくなります。
行事の運営は、思い切って卒業生側に任せるのも手です。連絡や当日の進行をOB会が担ってくれれば、指導者の負担は減り、卒業生には「自分たちの行事」という愛着が育ちます。



運営を任せる発想はなかったです。卒業生の出番を作ることにもなりますね!



そうそう。人は頼られた場所に愛着を持つ。それは卒業生も同じなんだよ。
卒団式で3年生から下級生へ何かを引き継ぐ演出も、伝統づくりの定番です。ボール、ノート、キャプテンマーク。物に思いを載せると、記憶は長持ちします。
引き継ぎの場面は写真に残して、先ほどの記録ファイルに加えていきましょう。数年分たまると、それ自体がチームの歴史書になります。
チームの方向性やスローガンの決め方は、別の記事でくわしく解説しています。
OB・OG会がない場合の立ち上げ方
「そもそも卒業生とのつながりがない」というチームは、小さく始めましょう。
大切なのは、最初から立派な組織を目指さないことです。名簿と年1回の行事。この2つだけで、つながりは十分機能します。
連絡先の扱いには注意が必要です。集める目的を伝えて本人の同意を取り、チームの行事案内以外には使わないことを約束しましょう。



今年の卒団式から、さっそく名簿づくりを始められそうです!



いいね。今年の3年生が、10年後の応援団になってくれるんだよ。
数年続けば、教員の異動や指導者の交代があっても、卒業生のつながりがチームの記憶を守ってくれるようになります。
指導者がすべてを抱える必要はありません。つながりの器だけ用意して、育てるのは卒業生と現役に任せる。それくらいの力加減が長続きの秘けつです。
指導者の方からよくいただく質問にお答えします。
OB会・OG会についてよくある質問
まとめ:卒業生は10年育てる応援団
OB会・OG会との付き合い方と伝統づくりのポイントを、最後にまとめます。
| 場面 | 押さえるポイント |
|---|---|
| 関係の土台 | 練習参加・支援の受け方をルール化する |
| 口出し対応 | 聞くことと決めることを分け、決定権は現場に |
| 古い習慣 | 安全基準と「選手を成長させるか」で仕分ける |
| 伝統づくり | 記録・恒例行事・合言葉の3つで形に残す |
| 立ち上げ | 名簿と年1回の行事から小さく始める |
ルールで距離感を整え、感謝と報告を返し続ければ、卒業生は何十年も続く応援団になります。
私は元日本代表として多くのチームに関わってきましたが、卒業生が誇りを持って戻ってくるチームには、共通して風通しの良さがありました。



まずは練習参加のルールづくりと、卒業生の名簿から始めてみます!



その一歩が、チームの歴史の1ページ目になるよ。応援してるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チームづくりや指導については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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