バレー部の目標設定のやり方|チームと個人で決める4ステップ

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バレー部の目標設定のやり方の解説記事アイキャッチ。チームと個人で決める4ステップ
  • 「県大会出場」と掲げたものの、そのあと何をすればいいのか決まっていない
  • 目標を紙に書いて貼ったのに、数週間で誰も見なくなった
  • 選手ごとの個人目標がバラバラで、練習とつながっていない

こんな悩みを解決します。

チームの目標が続かない原因は、勝ち負けだけを目標にして、日々の行動に置きかえていないことにあります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきましたが、伸びるチームは目標を数字と行動の両方で持っています。

決め方の順番さえわかれば、目標は貼り紙ではなく練習を動かす道具になります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • チーム目標と個人目標を、どの順番で決めればいいかがわかる
  • 「県大会出場」を日々の練習に落とし込む方法がわかる
  • 決めた目標が途中で忘れられない回し方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:結果目標の下に行動目標を必ず置く

目標には2つの種類があります。この区別をつけるところが出発点です。

目標の2つの種類
  • 結果目標…県大会出場・3位以内など、勝ち負けで決まるもの
  • 行動目標…自分たちの行動で決まるもの。毎日その場で確かめられる

結果目標だけを掲げても、選手は明日から何をすればいいのかわかりません。相手や抽選で結果が変わるので、努力とのつながりも見えにくいところです。

たとえば県大会出場という目標は、同じ地区にどんなチームが入るかで難しさが変わります。自分たちが変えられない部分に、目標の達成が左右されてしまうわけです。

一方で行動目標は、相手が誰でも自分たちで決められます。だから毎日の練習と直接つながります。

そこで結果目標の下に、必ず行動目標をぶら下げる形にします。県大会出場という旗の下に、そこへ届くための行動を並べるイメージです。

れおコーチ

「県大会出場」と貼っただけで終わっていました…。

あげば

旗は必要です。そのすぐ下に、明日やることを置いてあげてください。

バボット

結果ハ選ベナイ 行動ハ選ベル

目標設定がチームを変える2つの理由

目標を決める作業は、時間をかけるだけの価値があります。理由は2つです。

理由1:練習の中身に判断基準ができる

目標がはっきりすると、練習メニューを選ぶ基準ができます。サーブレシーブの精度を上げると決めたチームなら、そこに時間を配分すればいいわけです。

反対に目標があいまいなままだと、毎回同じメニューを流す練習になりがちです。何を伸ばしているのかが、指導者にも選手にも見えません。

メニューの組み立て方そのものを整理したい場合は、こちらの記事が参考になります。

理由2:選手が自分で判断できるようになる

行動目標があると、選手はコートの中で自分の動きを確かめられます。指示を待たずに、決めたことをやれているかを自分で判断できるからです。

私の指導現場でも、目標を自分の言葉で言える選手は伸び方が違います。言えない選手は、練習をこなす作業になってしまいがちです。

れおコーチ

選手が自分で気づける状態を作るのが先なんですね。

あげば

そう。目標は、指導者が管理するための道具じゃないんだ。

目標を決める4ステップ

ここからが実践です。順番に見ていきます。

STEP
今のチームの現在地を数字で確かめる
STEP
1年後・大会までの結果目標をチームで決める
STEP
結果目標に届くための行動目標を3つにしぼる
STEP
一人ひとりの個人目標を、行動目標とつなげて決める

最初にやるのは現在地の確認です。ここを飛ばして目標だけ決めると、届くのか届かないのかが誰にもわかりません。

数字は難しいものでなくて構いません。サーブの成功本数、サーブレシーブが返った本数など、練習で数えられるもので十分です。

数え役はマネージャーや、その日けがで練習に入れない選手に任せる方法もあります。数えるだけでも試合の見方が育つので、任された側にも学びが残ります。

現在地がわかると、目標の高さも自然と決まります。今の倍を目指すのか、あと1本を積むのかが見えてくるからです。

れおコーチ

数字がないと、上がっているのかどうかも言えませんね。

結果目標は、選手たちに言葉にしてもらってください。指導者が決めた目標は、達成できなかったときに他人ごとになります。

行動目標を3つにしぼるのは、増やすほど1つあたりの意識が薄まるからです。多くても4つまでにとどめます。

しぼるときの基準は、いちばん失点につながっている場面から選ぶことです。得点源を伸ばすより、崩れている場面をふさぐほうが勝ち負けは早く変わります。

新チームの立ち上げ時期にまとめて決めておくと、その後の練習が組みやすくなります。

バボット

目標ハ 3ツマデ

チーム目標と個人目標の分け方

2つの目標は役割がちがいます。混ぜてしまうと、どちらも中途半端になります。

チーム目標は全員で同じものを持つ

チーム目標は、全員が同じ言葉で言えるものにします。学年やレギュラーかどうかで内容を変えません。

たとえばサーブレシーブなら、5本のうちAパス2本・Bパス2本・Cパス1本という水準が1つの目安になります。ここまで返れば、サーブレシーブから直接失点しない形が作れます。

Aパスはセッターが定位置でそのまま上げられる返球、Bパスはセッターが動かされてもクイックが使える返球、Cパスは二段トスでの攻撃なら可能な返球です。

数字で表せる目標は、練習でそのまま数えられるところが強みになります。

うまくいっているかどうかを、感覚ではなく本数で共有できます。指導者と選手の間で認識がずれにくくなるところも利点です。

もちろん、すべての課題が数字になるわけではありません。声かけや切り替えの速さのように、回数で数える形に置きかえられるものから始めてください。

バボット

数エラレル形ニ 置キカエル

個人目標はチーム目標につながる形にする

個人目標は選手ごとに変えます。ただし、必ずチーム目標につながる内容にしてください。

サーブレシーブが課題なら、ある選手は構えの高さ、別の選手は1歩目の速さ、というように担当する部分が変わります。同じチーム目標を、それぞれの弱点から支える形です。

まったく関係のない目標を各自が立てると、練習が個人練習の寄せ集めになります。

決め方の手順もシンプルにします。まず選手自身に「チーム目標のために、自分がいちばん足を引っぱっている場面」を挙げてもらってください。

そのうえで、その場面を1つだけ選んで今月の目標にします。指導者は選択肢を示す役に回り、決めるのは本人に任せます。

バボット

決メルノハ 本人

自分で決めた目標は、届かなかったときにも他人のせいになりません。ここが続くかどうかの分かれ目です。

れおコーチ

個人目標は自由に書かせていました…。

あげば

自由に出させたあとで、チーム目標とつなげ直せば大丈夫だよ。

選手が自分で考えられるようになる問いかけは、こちらにまとめています。

目標が続かない3つの原因と直し方

決めた目標が忘れられるのには、はっきりした原因があります。

原因1:結果目標しか書いていない

貼り紙に「県大会出場」だけが書かれているパターンです。毎日見ても、今日やることが1つも書いていません。

直し方は、同じ紙に行動目標を並べて書くことです。旗と足元の両方が見えている状態にします。

原因2:ふり返る日を決めていない

2つ目は、決めた日以降まったく開かないパターンです。目標は立てた瞬間がいちばん熱く、そこから急速に冷めます。

週に1回、曜日を決めてふり返る時間を作ってください。5分で構いません。

練習の最後に組み込んでしまうと、忘れずに続けられます。わざわざ別の時間を取ろうとすると、忙しい週から抜け落ちていきます。

原因3:達成できなかった時に責める空気がある

3つ目は、目標が届かなかった時に選手が責められる場合です。次からは、達成できる低い目標しか出てこなくなります。

目標は評価するためのものではなく、次の練習を決めるためのものです。届かなかった理由を一緒に探す時間にしてください。

指導者の言葉が「なぜできなかったのか」だけになると、選手は言い訳を用意して臨むようになります。「どこまではできたか」から入ると、話す内容が変わります。

達成できなかった週があっても、目標そのものを下げる必要はありません。下げるのは目標ではなく、今週やることの粒の大きさです。

ふり返りで指導者が使う3つの問い
  • 今週、できた場面はどこだった?
  • できなかった時、直前に何が起きていた?
  • 来週やることを1つ選ぶとしたら?

この3つを順に聞くだけでも、選手は自分で原因までたどり着けます。

指導者が答えを先に言ってしまうと、その場は早く終わりますが、次の場面で同じことが起きます。待つ時間も指導のうちだと考えてください。

ふり返りは、反省会ではなく次の1週間を決める会議にする。

調子を落とした選手への関わり方は、こちらの記事で整理しています。

ふり返りを回す週1回の進め方

目標は決めた後の回し方で決まります。時間をかけるのは決める場面ではなく、続ける場面です。

週1回、次の順番で進めてください。

STEP
今週の行動目標を、できた回数で確かめる
STEP
できた場面とできなかった場面を、選手の言葉で出す
STEP
来週やることを1つだけ決める
STEP
その1つを、次の練習メニューに入れる

大事なのは、最後の1行です。ふり返って終わりにせず、決めたことを練習に組み込むところまでを1セットにします。

来週やることを1つにしぼるのは、増やすと結局どれもやらないからです。1週間で1つ変われば、3か月で12個の変化が積み上がります。

選手が自分で1つを選べない場合は、こちらから2つの案を出して選んでもらってください。選ぶ形にするだけでも、自分ごとになります。

れおコーチ

つい、こちらが全部決めてしまいがちです。

あげば

選択肢を用意して、最後の一手だけ渡す。それで十分ですよ。

個人のふり返りは、ノートに書かせると定着しやすくなります。指導者が全部を読む必要はなく、週に1回だけ目を通す形でも十分です。

れおコーチ

週1回5分なら、練習の最後に入れられます!

あげば

その5分がいちばん練習を変えます。まずは1か月続けてみてください。

よくある質問

目標はいつ決めるのがいいですか?

新チームが動き出したタイミングがおすすめです。
大会が終わって代が替わる時期は、現在地も課題も全員の記憶に新しいので、行動目標に落としやすくなります。

選手が高すぎる結果目標を出してきたら、止めるべきですか?

止める必要はありません。
結果目標は高くてよいので、そこへ届くための行動目標を一緒に作り、今週やることまで具体化してください。

個人目標は何個くらいがいいですか?

1人1つで十分です。
チーム目標を支える弱点を1つ選び、それができるようになったら次に進む形にすると続きます。

部員が少なくても同じやり方でいいですか?

同じで問題ありません。
人数が少ないほど1人あたりの役割が大きいので、個人目標をチーム目標につなげる作業がより効いてきます。

まとめ:旗と足元の両方を書けば目標は続く

目標設定は、結果目標を決めて終わりではありません。その下に行動目標をぶら下げ、個人目標までつなげて初めて練習が動きます。

結果目標は選手の言葉で。
行動目標は3つまで。
ふり返りは週1回5分。

つまずき起きていること直す方向
貼り紙が読まれない結果目標しか書いていない同じ紙に行動目標を並べる
途中で忘れられるふり返る日が決まっていない曜日を決めて週1回5分
目標が下がっていく未達成を責める空気がある次の1週間を決める会議にする
個人練習の寄せ集めになる個人目標が自由すぎるチーム目標とつなげ直す

私は元日本代表として、また指導者として多くのチームを見てきましたが、強いチームほど自分たちの現在地を数字で言えます。

れおコーチ

まずは現在地を数えるところから始めます!

あげば

それでいいんです。数えられた瞬間から、目標は具体的になりますよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

🏐 チームの備品、足りていますか?

ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。

  • ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
  • ボールカゴ2つ…球出しと片づけが一気に楽になる
  • ネット・アンテナ…予備がないと、欠けた日の練習が止まる

ケース単位でそろえるなら楽天市場でバレーボールを探すのもおすすめです。

▶ 関連記事: バレー部の用具・備品の管理|数え方・点検・買い替えの基準

この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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