- ノートを書かせても「楽しかったです」の感想で終わってしまう
- 何をどう書かせればいいのか、フォーマットが決まっていない
- 最初はみんな書くのに、いつの間にか提出が途絶えてしまう
こんな悩みを解決します。
バレーノートが続かない原因は、書く項目を決めていない・指導者が読んで返していないの2つにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきた経験から、練習のふり返りを自分の言葉にできる選手は、同じ練習からより多くを吸収していくと感じています。
書く項目を3つに決めて、指導者がひと言返す。この2つがそろうだけで、ノートは選手の成長を加速させる道具に変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 選手が迷わず書ける3項目フォーマットがわかる
- ノートを続けさせる指導者の関わり方がわかる
- 明日から使える記入例と返事のひと言例が手に入る
ノートとセットで練習の組み立ても見直したい方は、こちらの記事もおすすめです。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:バレーノートは3項目だけ書かせる
先に結論からお伝えします。バレーノートで書かせるのは、次の3項目だけで十分です。
- 今日できるようになったこと
- 今日の課題(1つだけ)
- 次の練習で試すこと(1つだけ)
自由に書かせると、ノートは日記になります。感想が悪いわけではありませんが、上達には直結しません。
ノートの目的は記録ではなく、次の練習の目的を自分で決めること。
れおコーチたくさん書かせた方が、力になりそうな気がするんですが…。



量より、次に何を試すかの1行がある方がずっと伸びるよ。
書く量が多いほど、選手の負担は増えて続かなくなります。3項目なら5分で書けて、練習のたびに次の目的が1つ決まります。
順番にも意味があります。最初に書くのは、できなかったことではなくできるようになったことです。
最初はできないところばかりなのが当然で、できたところから見るのが指導の基本です。ノートも同じ順番にすると、書くこと自体が嫌いになりません。



デキタ→カダイ→ツギ ノ ジュンバン
次の章では、なぜこの小さな3項目が成長を加速させるのかを掘り下げます。
なぜノートで成長が加速するのか
書くだけで上手くなるの?と感じる方も多いはずです。理由は大きく2つあります。
理由①:努力の方向性が自分の言葉で決まる
努力の方向性を間違えると、どれだけ練習しても大きな成果は出ません。ノートは、その方向性を毎回確認するコンパスになります。
課題を1つにしぼって書くと、次の練習は「今日は何をしに来たか」が明確な状態で始まります。同じ2時間でも、目的がある選手とない選手では吸収がまるで違います。



指導者に言われた課題より、自分で書いた課題の方が本気で向き合えるんだ。
指示待ちの選手が多いチームほど、ノートの効果は大きくなります。自分で課題を決める練習を、紙の上で毎回くり返せるからです。
ノートは、自分で考えて練習する選手を育てる一番手軽な道具。
理由②:できるようになった記録が自信になる
もう1つの効果は、成長の見える化です。1か月前のページを開けば、当時の課題が今はできていることに選手自身が気づきます。



前は課題だったサーブが「今は得意」に変わっていると、成長が目に見えますね!



その積み重ねが見えるのが、ノートのいいところなんだよ。
伸び悩みの時期に読み返すと、自分は前に進んできたという事実が支えになります。調子を落とした選手への声かけの材料にもなります。
書いた本人だけでなく、指導者にとっても選手の考えが見える貴重な窓になります。プレーだけでは分からない不安や迷いが、文字には表れるんです。
書き方指導の実践:3つのステップと記入例
ここからは、実際にノートを導入する手順を紹介します。流れは3ステップです。
ステップ①:練習前に今日のテーマを1行書かせる
練習が始まる前に、前回書いた「次に試すこと」を見返して、今日のテーマとして1行書き写させます。
これだけで、前回の練習と今日の練習が1本の線でつながります。書き写すのにかかる時間は1分もありません。



練習前に書かせるんですか!?



そう。書いてから体育館に入ると、練習の集中がまるで変わるよ。
テーマは技術のことでなくてもかまいません。声を出す・1歩目を早くするといった行動のテーマも立派な目的です。
ステップ②:練習後に3項目を5分で書かせる
練習の記憶が新しいうちに書くのが理想です。可能なら、片付けのあとに5分だけノートタイムを作ってその場で書かせます。
家に持ち帰ると、書くのを忘れて提出が途絶える原因になります。その場で書き切る仕組みにすると、続く確率がぐっと上がります。
記入例を1つ示します。たとえばレシーブ練習の日なら、こんな3行で十分です。
- できたこと:サーブが来る前に、低い構えを早く作れた
- 課題:速いサーブだと腕の面がぶれる
- 次に試すこと:腕を振らずに、面を作ったまま運ぶ
最初のうちは、この記入例をコピーして配ると迷う選手がいなくなります。上手な文章はまったく必要ありません。



3行でいいなら、書くのが苦手な選手でも続けられそうですね。
試合の日は、3項目を試合版に置き換えます。できたプレー・見つかった課題・次の試合までに練習すること、の3つです。
練習試合なら、相手チームの上手な選手から盗みたい動きを1つ書かせるのもおすすめです。試合が観察と学びの場に変わります。
ステップ③:指導者がひと言だけ返す
集めたノートには、短くていいので必ずひと言返します。ここがノート指導の生命線です。
返事のないノートは、必ず止まる。読まれている実感が続ける燃料になる。
返事は1行で十分です。課題の切り分けがいいね・次の練習の最初の10本で試そう・先週より字が前向きだね、といった具合です。



全員分にコメントを書く時間が、なかなか取れなくて…。



全文でなくていいんだ。線を1本引いて、ひと言添えるだけでも選手はうれしいものだよ。
時間がない週は、良い気づきに赤線を引くだけでもかまいません。読んだよという印があるかどうかが、続くかどうかの分かれ目です。
ノートを続けさせる関わり方3つのコツ
フォーマットが決まっても、関わり方を間違えるとノートは止まります。続けさせるコツは3つです。
- 赤ペンで直さず、まず認める
- 書かれた課題を練習メニューに反映する
- 週に1回、気づきを共有する時間を作る
コツ①:赤ペンで直さず、まず認める
誤字や文の上手い下手は直しません。ノートは国語の宿題ではなく、選手の頭の中を映す鏡だからです。
内容が浅くても、まず書いたことを認めます。ダメ出しが続くと、選手は指導者に見せるための優等生な文章を書き始めてしまいます。



正直に書けなくなったノートは、もう選手の役に立たないんだ。
本音が書いてあるノートほど価値があります。弱音や不安が書かれていたら、指導のチャンスだと考えましょう。
認める返事の例も挙げておきます。課題を1つにしぼれたね・自分の動きをよく見ているね・この気づきはチームの宝だね、などです。
内容ではなく、書く姿勢そのものを認める言葉を意識すると、どの選手にも自然に声をかけられます。
コツ②:書かれた課題を練習メニューに反映する
複数の選手が同じ課題を書いていたら、次の練習にそのメニューを入れます。そして「ノートにこの課題が多かったから今日はこれをやるよ」と伝えます。
自分の書いたことが練習に反映されると、選手は読んでもらえていることを実感します。ノートがチームを動かす体験は、何よりの継続の動機になります。



選手の書いた課題が練習になるなら、みんな真剣に書いてくれそうです!
課題を深掘りさせたいときは、返事を質問の形にするのも効果的です。問いかけの技術は、こちらの記事でくわしく解説しています。
コツ③:週に1回、気づきを共有する時間を作る
週の終わりに、ノートの気づきを1人1つ発表する時間を5分だけ作ります。仲間の視点は、そのまま全員の学びになります。
発表を前提にすると、書く内容も自然と濃くなります。人に伝えるつもりで練習を見るようになるからです。
ノートの最初のページに、チーム目標と個人目標を書かせておくと、毎回の振り返りが目標につながります。目標の立て方はこちらの記事が参考になります。
よくある失敗と直し方
ノート指導でつまずきやすいパターンを、直し方とセットで整理します。
- 量を求めて、感想文の宿題になる
- 提出を義務にして、罰の道具になる
- 集めるだけで、読みっぱなしになる
1つ目は、1ページ埋めなさいと量を求めるパターンです。埋めるための作文が始まり、中身が薄くなります。分量の指定はやめて、3項目だけを求めましょう。
2つ目は、忘れたら走らせるなど罰とセットにするパターンです。ノートが嫌いになると、振り返りそのものが嫌いになります。
ノートは罰の道具にしない。書きたくなる仕組みで続けさせる。



罰にしてしまうと、書くこと自体がイヤになってしまうんですね…。気をつけます。



だから出さない選手を責めるより、出した選手の気づきをチームで紹介する方がいいんだ。
3つ目は、指導者が集めるだけで反応しないパターンです。前の章のとおり、ひと言でも返す運用に変えれば解決します。
導入のときは、いきなり通年の義務にせず、まず2週間のお試し期間として始めるのがおすすめです。期間を区切ると心理的なハードルが下がります。
2週間後に、書いてみてどうだったかを選手に聞いてみてください。役に立ったという声が出てから本格導入すると、やらされ感なく定着します。



お試し期間なら、選手も気軽に始められそうです!
もう1つ、書くことが目的化してプレーの改善につながらないケースもあります。スマホでフォームを撮影して、ノートの課題と映像を見比べると、振り返りが具体的になります。



映像とノートをセットにすると、課題の言葉がぐっと具体的になりますね!
なお、ノート自体は市販の大学ノートで十分です。日付や項目欄が印刷された部活用の振り返りノートも市販されているので、書くのが苦手な選手が多いチームは枠が決まったタイプを選ぶのも1つの方法です。
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
指導者の方からよくいただく質問にお答えします。
バレーノートについてよくある質問
まとめ:3項目とひと言返しでノートは武器になる
バレーノートは、書かせ方と返し方さえ決まれば、選手の考える力と自信を同時に育ててくれます。最後に運用の全体像を表で整理します。
| 場面 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 練習前 | 今日のテーマを1行 | 前回の「次に試すこと」を書き写す |
| 練習後 | 3項目を5分で | できたこと→課題1つ→次の1つ |
| 提出後 | 指導者がひと言返す | 線1本+ひと言でOK |
| 週1回 | 気づきを1人1つ共有 | 仲間の視点を全員の学びに |
3項目で書かせて、ひと言で返す。この小さな往復が選手を伸ばし続ける。
私は元日本代表として多くの選手を見てきましたが、伸びる選手ほど自分の言葉で練習を振り返っています。その習慣は、指導者の仕組みづくりで誰にでも育てられます。
まずは次の練習後に5分、ノートタイムを作るところから始めてみてください。



まずは3項目のプリントを作って、次の練習から始めてみます!



その一歩が大きいよ。ノートがチームの文化になれば、選手は勝手に伸びていくからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの指導・チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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