- 慣れない会場に行くと、いつものサーブが急に入らなくなる
- 照明や西日が眩しくて、ボールがよく見えない
- 屋外や空調の風で、サーブが流されてアウトやネットになる
こんな悩みを解決します。
環境でサーブが乱れる一番の原因は、いつもと見え方・打点・トスがズレることにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、会場が変わると崩れる選手を見て最初にチェックするのはトスの高さと打点が、いつもと変わっていないかです。
環境が変わっても、トスを低めに安定させて打点をそろえられる選手は、不思議とミスが増えません。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 風や眩しさでサーブが乱れる本当の理由がわかる
- 環境ごとの具体的な対処のコツがわかる
- 本番で崩れないための準備とルーティンがわかる
それでは、詳しく見ていきましょう。
環境でサーブが乱れる理由

まず大事な結論からお伝えします。
環境でサーブが乱れるのは、技術そのものが落ちたからではありません。
原因は、いつもと「見え方」「打点」「ボールの飛び方」がズレることにあります。
人は無意識に、いつもの体育館の天井・明るさ・広さを基準に打っています。
その基準が変わると、体が勝手にいつもと違う動きをしてしまうんですね。
サルくん練習ではちゃんと入るのに、試合会場だと急に入らなくなるんだよね…。
たとえば天井が高い会場では、ボールがいつもより低く感じて、つい強く打ちすぎます。
照明が眩しいと、トスから目を離してしまい、打点が安定しません。
風があると、ボールが流されて、狙った場所からズレていきます。
環境がサーブを乱すのは、見え方・打点・ボールの飛び方が、いつもと変わるからです。
つまり、やることはシンプルです。
環境が変わっても、自分の中の基準=トスと打点をできるだけ変えないこと。



直すのは環境じゃなくて、自分のトスと打点をいつも通りに保つことだよ。
次の章から、眩しさ・風・会場の違いを、ひとつずつ対処していきます。
眩しい時のサーブの対処


最初は、照明や西日で眩しい時の対処です。
眩しさで一番こわいのは、ボールから目を離してしまうことです。
光がまぶしいと、人は思わず目を細めたり、顔をそらしたりします。その一瞬で打点がブレて、サーブが乱れるんですね。
コツ1:トスを低めに保って、目で追う時間を短くする
眩しい時ほど、トスを低めに安定させるのが効きます。
トスが高いほど、ボールが光の中にいる時間が長くなり、見失いやすくなります。逆にトスを低めにすれば、ボールを目で追う時間が短くなり、眩しさの影響を減らせます。
眩しい時は、トスを高く上げすぎず、低めで安定させる。
このとき大事なのは、トスの頂点で打つことです。
頂点で打てば、ボールが止まって見える一瞬をとらえられるので、打点が安定します。



光がまぶしい時こそ、低くて毎回同じトス。これが一番のお守りになるよ。
コツ2:光と正面で向き合わない立ち位置を選ぶ
立ち位置を少し変えるだけでも、眩しさは和らぎます。
ルールで認められた範囲で、エンドラインに沿って左右に立つ位置を選べます。
光源(照明や窓)を真正面に見る位置を避け、少し横にずれて打つと、目に入る光が減ります。



立つ場所をちょっとずらすだけで、こんなに違うんだ!
それでも眩しい時は、無理にボールの真下から見上げず、ボールの横顔を見る意識にしてみてください。
真上を見上げると照明を直視しがちですが、斜めから見ると光をよけやすくなります。



真上じゃなくて、ボールを斜め横から見る。これだけで楽になるよ。
なお、サーブは一度トスを上げたら打たなければなりません。
眩しくてもトスをやり直すことはできないので、トスを上げる前に立ち位置と見え方を決めておくことが大切です。
風がサーブに与える影響と対処


次は、風の対処です。
風は、屋外コートだけの話ではありません。
体育館でも、空調(エアコン)の風でボールが流されることがよくあります。
風がやっかいなのは、無回転のフローターサーブほど影響を受けやすいことです。
回転がかかっていないボールは、風を受けると左右にぶれたり、ふっと落ちたりするからです。



ムカイテンノボールハカゼニヨワイ
コツ1:アップで風の向きと強さを確かめる
試合前のアップは、フォームの確認だけの時間ではありません。
風がある会場では、風の向きと強さを確かめる時間にもなります。
実際に何本かサーブを打ってみて、ボールがどちらに流れるかを体で覚えておきます。
風下に向かって打つとボールが伸びやすく、風上に向かうと届きにくくなります。
この差をアップでつかんでおくと、本番で慌てずにすみます。



アップで風を確かめておくだけで、こんなに安心なんだ!
コツ2:風が強い時はシンプルなフローターに戻す
風で乱れる時は、いったん打ち方をシンプルに戻すのが近道です。
具体的には、変化を狙ったサーブをやめて、シンプルなフローターサーブに戻します。
無理に強い変化や速い球を狙うほど、風と相まってミスが増えるからです。
風で安定しない時は、まずシンプルなフローターサーブに戻す。
そのうえで、トスを低めに保ち、打点を安定させることを優先します。
風が強い日は、入れることを第一に考えるだけで、十分に相手を崩せます。



風の日は欲張らない。確実に入れるサーブが、結局いちばん効くよ。
会場・天井・床の違いへの慣れ方


風や眩しさ以外にも、会場そのものの違いがサーブを乱します。
特に大きいのが、天井の高さ・広さ・床の感触の3つです。
ここでは、それぞれにどう慣れるかを見ていきます。
天井が高い・広い会場では距離感がズレる
天井が高くて広い会場では、ボールがいつもより小さく、遠く感じます。
すると「もっと飛ばさなきゃ」という気持ちになり、つい強く打ちすぎてアウトになります。
逆に、天井が低い会場では、高いトスが天井に当たらないかが気になって、フォームが縮こまります。



広い会場だと、なんだか急にコートが遠く見えるんだよなあ…。
対処はやはり、トスと打点を変えないことです。
会場が変わっても、いつもと同じトスの高さ、同じ打点で打つと決めておきます。
そのうえで、アップで実際に何本か打って、距離感を体に上書きしておきます。
床のすべりやすさを足で確かめる
会場が変わると、床のすべりやすさも変わります。
すべりやすい床では、踏み込んだ足が流れて、体重が前に乗りきりません。
アップの時に、サーブの踏み込みを何度かやってみて、足が止まる感覚を確かめておきます。
アップでは、サーブの距離感と、踏み込んだ足の止まり方の両方を確かめる。
会場の違いは、頭で考えるより、体で1回試しておくのが一番の近道です。



慣れない会場ほど、アップの数本が本番を助けてくれるよ。
メンタルとルーティンで崩れない準備
ここがこの記事で一番大事な章です。
環境でサーブが乱れる選手の多くは、技術よりも気持ちの乱れで崩れています。
慣れない会場で「入らなかったらどうしよう」と力むと、トスも打点もブレていきます。
これを防ぐのが、毎回同じ動作をくり返すルーティンです。
いつも同じルーティンで環境ごと締め出す
ルーティンとは、サーブの前にいつも行う、決まった動作のことです。
ボールを2回つく、深呼吸を1回する、といった短い動作で構いません。
大事なのは、どんな会場でもまったく同じ動作をくり返すことです。
同じ動作をすると、体が「いつもの状態」に戻り、環境の違いを意識から締め出せます。



ルーティンは、慣れない会場を「いつもの場所」に変えるスイッチだよ。
安定しない時はシンプルなフローターに戻す
それでも乱れる時は、打ち方をいったんシンプルに戻します。
変化や速さを狙うのをやめて、シンプルなフローターサーブに戻すのが鉄則です。
シンプルなサーブほど、環境やきんちょうの影響を受けにくいからです。



迷ったらシンプルなフローターに戻す。覚えておく!
そして、ミスが続く時は、こまかく直そうとしないでください。
学生年代は、少しずつ加減するより、極端に変えて「今これを変えてトライしている」と自分で気づくことが大切です。
たとえばネットにかかるなら、思いきってアウトを目指して打ってみます。
逆にアウトになるなら、極端にアタックラインの前を狙って打ってみます。
ネットにかかる→アウトを狙う。アウトになる→アタックラインの前を狙う。極端に振って体に覚えさせる。
このくらい大きく変えると、自分が何を直しているかがはっきりわかり、修正が速くなります。
本番で乱れないための練習と準備の工夫
最後に、本番で乱れないための、ふだんの準備の工夫です。
会場で慌てないコツは、ふだんから環境の変化に少し慣れておくことです。
いつも同じ場所・同じ明るさでしか打っていないと、本番の変化に対応できません。
ふだんからトスを毎回同じに上げる練習をする
環境対策の土台は、いつでも同じトスを上げられることです。
トスが毎回同じなら、見え方や風が少し変わっても、打点が大きくはブレません。
ふだんの練習から、トスだけを上げてキャッチする反復を入れておきます。
地味な練習ですが、これが環境に強いサーブの一番の土台になります。



毎回同じトス。これさえあれば、どんな会場でも怖くないよ。
立ち位置や見え方を変えて打ってみる
ふだんの練習で、わざと条件を変えて打つのもおすすめです。
立つ位置を左右に変えたり、窓に近い側から打ったりして、見え方の変化に慣れておきます。
サーブの構え自体に不安がある時は、こちらの記事も参考にしてみてください。
いろいろな条件で打った経験があるほど、本番の「いつもと違う」に動じなくなります。
よくある質問
まとめ:環境より自分のトスをそろえる
この記事では、環境でサーブが乱れる時の対処をお伝えしました。
環境がサーブを乱すのは、見え方・打点・ボールの飛び方が、いつもと変わるからです。
眩しい時も風の時も、トスを低めに安定させ、打点をそろえる。乱れたらシンプルなフローターに戻す。
私は元日本代表として多くの選手を見てきましたが、慣れない会場で崩れない選手は、例外なく自分のトスをいつも通りに保てています。



よし、まずは毎回同じトスを上げる練習からやってみる!



いいね! 環境じゃなくて自分のトスをそろえる。それが一番の近道だよ♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
サーブについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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