- 一生懸命練習しているのに、なかなか身体が大きくならない
- 試合の後半になると、すぐにバテて動けなくなってしまう
- 何を食べて、どれくらい寝ればいいのか、よく分からない
こんな悩みを解決します。
強い身体は練習だけでなく、「食事・睡眠・回復」という3つの土台の上に作られます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
トップの世界では、同じ練習をしていても、コンディショニングを大切にする選手ほど故障が少なく、長く活躍していました。
練習で身体を「使う」だけでなく、しっかり「育てて回復させる」ことが、上達への近道です。
このページでは、バレーボール選手のコンディショニングの全体像を整理します。
気になるテーマは、それぞれの詳しい記事へリンクしているので、あわせて読んでみてください。
- コンディショニングを支える「食事・睡眠・回復」の3本柱
- 勝てる身体を作る栄養素の考え方と、食べ方のコツ
- 保護者ができる食事サポートと、回復の整え方
なお、体質や年齢によって最適な量は一人ひとり違います。気になることがあれば、管理栄養士やお医者さんなど専門家にも相談しながら進めてください。
それでは順番に見ていきましょう。
コンディショニングとは?食事・睡眠・回復の3本柱

コンディショニングとは、練習や試合で最高の力を出せるように、身体の状態を整えることです。
多くの選手は「練習量」に目が向きがちですが、その練習を活かすも殺すも、コンディショニング次第です。
サルくんたくさん練習すれば、自然と強くなるんじゃないんですか?



練習は「きっかけ」なんだ。身体が強くなるのは、食べて、寝て、回復しているときなんだよ。
コンディショニングは、大きく3つの柱で考えると分かりやすくなります。栄養を摂る「食事」、身体を修復する「睡眠」、疲れを抜く「回復(ケア)」の3つです。
この3つは、どれか1つだけ頑張っても効果は半減します。バランスよく整えることで、はじめて練習の成果が身体に積み上がっていきます。
たとえば、どんなに食事に気をつけても睡眠不足では身体は回復しませんし、たっぷり寝ても栄養が足りなければ成長の材料が不足します。3つはつながっていて、おたがいを支え合っているのです。



コンディショニング=食事・睡眠・回復ノ3本柱デ成リ立ツ。
次の章から、まずは土台となる「食事(栄養)」を中心に、順番に見ていきましょう。
食事の基本|勝てる身体を作る栄養バランス


身体は、毎日食べたものから作られます。どんなに練習しても、材料となる栄養が足りなければ、身体は大きく強くなりません。
食事で大切なのは、特定のものばかり食べることではなく、いろいろな栄養素をバランスよく摂ることです。
主食(ごはん・パン)、主菜(肉・魚・卵・大豆)、副菜(野菜・海藻)、それに乳製品や果物をそろえると、自然とバランスが整いやすくなります。



「定食」をイメージするといいよ。ごはん、おかず、野菜、汁物。これがそろえば合格点だね。
特に成長期の選手は、しっかり食べることそのものが大切なトレーニングです。練習を頑張る分、いつもより少し多めに食べる意識を持ちましょう。
ただし、たくさん食べればいいというわけではありません。自分の活動量に合った量を、3食でしっかり摂ることが基本です。
特に朝食を抜いてしまう選手は要注意です。朝食は、午前中の練習や授業を乗り切るためのエネルギー源になります。
前の晩に空っぽになった身体に、しっかり燃料を入れてから1日を始めましょう。



朝はあまり食べられないけど、抜いちゃダメなんですね…。



そう。少量でもいいから、おにぎり1個でも口にしてから動こう。空腹のままだと力が出ないんだ。
3食だけでは足りないと感じるときに役立つのが、練習前後の補食です。おにぎりやバナナ、牛乳など消化のよいものを少量とっておくと、練習の後半までエネルギーが続きます。
練習が終わってから夕食まで時間が空く日も、同じように軽く口に入れておきましょう。空腹の時間が長くなるほど、身体は回復の材料を作れなくなってしまうからです。



練習の合間におにぎりを食べるのも、ちゃんと意味があるんですね!
食事の基本的な組み立て方や、そろえたい栄養バランスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
三大栄養素|タンパク質と炭水化物


数ある栄養素の中でも、身体を動かし、作るうえで特に大切なのが「三大栄養素」です。中でもタンパク質と炭水化物は、選手にとって欠かせません。
タンパク質は、筋肉や骨、血液など、身体そのものを作る材料になります。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれています。



筋肉をつけたいから、タンパク質をたくさん摂ればいいんですね!



大事だけど、摂りすぎても全部は使われないんだ。自分に合った「目安の量」を知っておこう。
一方の炭水化物(糖質)は、身体を動かす「エネルギー源」です。ごはんを抜くと試合の後半でバテてしまうのは、このエネルギーが切れてしまうからです。
ダイエットのイメージから、ごはんを減らそうとする選手もいますが、成長期のアスリートにとっては逆効果になりがちです。
エネルギーが足りないと、練習の質が落ちるだけでなく、身体を作るための材料まで消費されてしまいます。
しっかり動いて、しっかり食べる。これが成長期の選手の基本です。減らすのではなく、活動量に見合った量を食べることを意識しましょう。
タンパク質は「材料」、炭水化物は「ガソリン」——この2つは、どちらが欠けても良いプレーはできません。
タンパク質の必要な量の目安や、炭水化物の役割と摂り方については、それぞれの記事で詳しく紹介しています。
ビタミン・ミネラルと「食べ方」の工夫
身体を作る材料とエネルギーがそろっても、それをうまく働かせるためには、ビタミンやミネラルが必要です。
ビタミン・ミネラルは、野菜・海藻・果物などに多く含まれ、コンディションを整えたり、疲れを回復させたりするのを助けてくれます。



ビタミン・ミネラル=身体ノ調子ヲ整エル「潤滑油」ノ役割。
また、「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」も大切です。食べる順番を工夫したり、油(脂質)の質を選んだりすることで、身体への入り方が変わってきます。
脂質は太る原因と思われがちですが、選手にとっては大切なエネルギー源でもあります。避けるのではなく、質の良い油を適量とることがポイントです。
たとえば、同じ食事でも野菜から先に食べると、血糖値の急な上昇をゆるやかにしやすいと言われています。
ちょっとした順番の工夫でも、身体への負担は変わってきます。



油も、選んで摂れば味方になるんですね!
ビタミン・ミネラルは、たくさん摂れば良いというものではなく、いろいろな種類をまんべんなく摂ることが大切です。
だからこそ、彩りのよい食事を心がけると、自然と必要な栄養素がそろいやすくなります。
ビタミン・ミネラルの役割、食べる順番の工夫、脂質の選び方については、それぞれの記事で解説しています。
睡眠でコンディションを整える


食事と並んで大切なのが、睡眠です。身体が大きく強くなるのは、実は寝ている間です。
睡眠中には、身体を成長させたり、傷ついた筋肉を修復したりする働きが活発になります。睡眠が足りないと、せっかくの練習や食事の効果も十分に活かせません。
練習・食事で「材料」をそろえ、睡眠で「組み立てる」——このイメージを持っておきましょう。
成長期の選手ほど、たっぷりの睡眠が必要です。夜更かしを減らし、毎日できるだけ同じ時間に寝起きするだけでも、コンディションは安定します。



「寝る子は育つ」は、アスリートにとっては本当のことなんだよ。
寝る前のスマホやゲームは、眠りの質を下げてしまいます。布団に入る少し前には画面から離れる習慣をつけると、ぐっすり眠れるようになります。
睡眠は「長さ」だけでなく「質」も大切です。同じ時間寝ても、浅い眠りでは身体は十分に回復しません。
寝る前にゆっくりお風呂に入る、部屋を暗くするといった工夫で、深い眠りに入りやすくなります。



身体ガ成長スルノハ睡眠中。寝不足ハ練習効果ヲ下ゲル。
練習で疲れた日ほど、いつもより少し早く布団に入ることを心がけましょう。睡眠は、最も手軽で効果の高い回復方法でもあります。
疲労回復とセルフケア
毎日練習を続けていると、疲れは少しずつ溜まっていきます。この疲れを上手に抜くことも、コンディショニングの大切な一部です。
練習後のストレッチや、湯船にしっかり浸かること、軽く身体を動かして血流を促すことなどは、疲労回復を助けてくれます。



疲れているときは、ただ寝て休むだけじゃダメなんですか?



休むことも大事。でも、軽く動かして血を巡らせたほうが、疲れが早く抜けることもあるんだ。
特に大切なのは、痛みを我慢しないことです。疲労と痛みは違います。痛みが続くときは、無理をせず休み、必要であればお医者さんに相談しましょう。
疲れは「抜くもの」、痛みは「サイン」——この区別ができると、大きな怪我を防ぎやすくなります。
頑張り続けることと同じくらい、しっかり回復させることも、強くなるための立派なトレーニングです。
また、週に1日はしっかり休む「オフの日」を作ることも大切です。休まず練習を続けると、疲れが抜けきらないまま蓄積し、かえってパフォーマンスが落ちてしまいます。



休むのは「サボり」じゃない。次に向けて身体を回復させる、大事な時間なんだ。
しっかり動いて、しっかり休む。このメリハリが、長くケガなくバレーを続けるための土台になります。
疲れが抜けているかどうかは、朝の目覚めでわかります。起きたときに身体が重い日が続くようなら、練習量を増やす前に、睡眠と食事のほうを見直してみてください。
保護者ができる食事サポート(食育)
成長期の選手にとって、毎日の食事を支えるご家族の存在はとても大きいものです。とはいえ、特別なことをする必要はありません。
大切なのは、栄養バランスのとれた食事を、毎日できる範囲で続けることです。完璧を目指すよりも、無理なく続けることのほうが、長い目で見ると効果があります。



高い食材より、いつもの食事を「そろえる」こと。これがいちばんのサポートだよ。
また、子ども自身が「食べることも練習の一部」と理解できるよう、なぜその食事が大切なのかを一緒に学ぶこともおすすめです。
自分で考えて食べられるようになると、遠征や合宿など親元を離れた場面でも、コンディションを保ちやすくなります。
無理に食べさせたり、苦手なものを強制したりする必要はありません。楽しく食卓を囲むこと自体が、心と身体の両方を元気にしてくれます。
食事の時間が前向きなものになるよう、家族で支えていきましょう。
保護者の方が知っておきたい食育の考え方や、家庭でできるサポートのコツは、こちらの記事にまとめています。
ここからは、選手や保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
コンディショニングについてよくある質問
まとめ
バレーボールのコンディショニングは、食事・睡眠・回復という3つの土台を整えることが基本です。最後にポイントを振り返りましょう。
- 食事は「定食スタイル」で栄養バランスをそろえる
- タンパク質は材料、炭水化物はエネルギー源として欠かせない
- 睡眠と回復で身体を組み立て、痛みは我慢せず休む
コンディショニングは、一度に全部を完璧にしようとしなくて大丈夫です。気になるテーマの記事から1つずつ取り入れて、少しずつ整えていきましょう。
毎日の食事をそろえる、しっかり眠る、疲れを抜く——こうした小さな習慣の積み重ねが、練習の成果をしっかり身体に変えていきます。
身体づくりは、すぐに結果が出るものではありません。けれど、コツコツ続けた選手の身体は、必ず少しずつ変わっていきます。
技術の練習と同じように、コンディショニングも毎日の習慣として続けていきましょう。
なお、体質や持病、アレルギーなどがある場合は、自己判断せず、お医者さんや管理栄養士に相談しながら進めてください。



まずは3食しっかり食べて、早く寝ることから始めます!



いいね。身体が整うと、練習の伸びもぜんぜん変わってくるよ。一緒に強くなろうね♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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