- 2人しかいないので、何から練習すればいいのか分からない
- 砂の上だと体育館でできていたことが急にできなくなる
- コートを借りても、気づいたら打ち合って終わっている
こんな悩みを解決します。
ビーチバレーの練習は、人数がそろわなくても組めます。拾う・上げる・返すの3つを2人でつなぐ形にして、順番に積み上げる、これが土台です。
私は元日本代表として活動し、ビーチバレーでは世界選手権に出場、日本選手権でも優勝を経験しています。
砂の上に立ってきた経験から、私がまず見るのは打つ前の足元です。
強く打てる人より、砂の上で落下点に入れる人のほうが、はるかに早く試合で使える形になります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 2人でできるビーチバレーの練習メニューが分かる
- 砂の上で体育館の感覚が通用しない理由が分かる
- 90分のコート時間をどう配分するかが分かる
ビーチバレーの基本やルールは、こちらの記事でまとめています。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:2人で完結する6つのドリルを順番に積む
先に結論をお伝えします。ビーチバレーの練習は、2人で完結するドリルを、基礎から実戦の順に積むのが基本です。
人数が集まらないことを前提に組めば、練習が流れることもありません。
順番はこの6つです。
上から順に積むと、最後のゲーム形式で崩れにくくなります。
逆に、いきなり打ち合いから入ると、足元が作れないまま形だけの練習になってしまいます。
サルくん2人だと、できる練習が少ない気がします。



むしろ2人がちょうどいいですよ。全部のボールに触れますからね。
ここからは、砂で変わること・基礎の3つ・実戦の3つ・時間の配分・やりがちな失敗の順に見ていきます。
砂の上で体育館の練習が通用しない3つの理由
同じバレーでも、砂に入った瞬間に前提が変わります。ここを知っておくと、練習の狙いがはっきりします。
理由1:踏むたびに足が沈む
いちばん大きいのがこれです。砂は踏み込んだぶんだけ沈むので、体育館と同じ歩幅では落下点に届きません。
1歩が短くなるぶん、歩数を増やして運ぶ感覚になります。走るというより、足を細かく動かして近づくイメージが近いでしょう。
体育館で2歩で届いた距離は、砂では3歩かかると考えておくと、動き出しが遅れにくくなります。
跳ぶときも同じです。沈むぶん力が逃げるので、高さを求める前に、沈んでも姿勢が崩れない体の使い方から入ります。
理由2:2人ですべての役をやる
次が人数です。1本目を拾った人以外は1人しかいないので、上げる役も打つ役も毎回入れ替わります。
つまり、どの技術も苦手のままにしておけません。拾うのが得意だから拾うだけ、という分担ができないわけです。
だからこそ、練習も2人で交互に全部の役を回す形にします。1本ごとに役を入れ替えるだけで、偏りは自然に消えていきます。



得意な役だけやってはいけないんですか?



2人しかいないので、苦手な役も必ず回ってきますよ。
理由3:風と日差しが毎回違う
3つ目が外の環境です。屋外なので、風向き・日差し・砂の硬さがその日ごとに変わります。
体育館のように同じ条件で反復できないぶん、条件が変わっても同じ形でできるかを確かめる練習になります。
風の強い日を嫌がる人は多いのですが、その日こそ学べることが多いんですよね。



砂ト風ハ 毎回 チガウ
風や日差しへの向き合い方は、環境を味方にする記事でくわしく扱っています。
基礎をつくる3つのドリル


ここからが本題です。最初の3つは、2人いれば必ずできます。
ドリル1:直上パスで砂の足場を作る
自分の真上にボールを上げ、落ちてくるまでに足で入り直します。10回続けるのを目安にしてください。
砂の上では、触る前に足を止めるのが最大のポイントになります。動きながら触ると、面が流れてボールが横へ逃げます。
最初はアンダーだけで構いません。ビーチのオーバーは回転の基準が厳しいので、まずは確実に上げられる形を体に入れます。
- 触る前に両足が止まっているか
- ボールが自分の前ではなく、体の近くに落ちているか
- 10回のうち何回、同じ場所に立っていられたか
数えると変化が見えます。5回しか続かなかった人が10回続くようになれば、それだけで試合中の1本目が変わります。
ドリル2:対面パスで距離を伸ばす
2人で5mほど離れて向かい合い、アンダーで往復します。まずは10往復を続けることを目標にしましょう。
続いたら、1歩ずつ下がって距離を伸ばします。遠くへ運ぶときほど、腕を振らずに膝と体で送る形が必要になります。
風のある日は、途中で立ち位置を入れ替えてください。風上と風下では、同じ力で送ってもボールの伸び方がまったく違います。
往復の本数より、同じ高さで返せた本数を数えるほうが上達は早くなります。高さがそろえば、次に触る人が入り直す時間を作れるからです。



風下だと全然飛びません…。



力を足すより、面を少し立てて高さを変えてみてください。
ドリル3:サーブを続けて入れる
1人が打ち、もう1人が受けます。これだけでサーブとレセプションが同時に練習できるのが、2人の強みです。
狙うのは強さではなく、続けて入れることです。10本続けて入るようになってから、コースや強さを足していきます。
打つ側は、風上と風下の両方から必ず打ってください。同じフォームでも、風上からは伸びすぎ、風下では落ちます。
受ける側は、1本ごとに立ち位置を変えます。試合では同じ場所へは来ないので、動いて入る練習にしておきます。
試合に近づける3つのドリル


基礎が続くようになったら、試合の形に近づけます。ここからは判断が入ります。
ドリル4:拾う・上げる・返すを3本つなぐ
1人が軽く打ち込み、もう1人が拾って、自分で上げて返します。3回で相手コートへ返す流れを体に入れる練習です。
ビーチではブロックで触れた回数も1回に数えるので、3回の使い方に余裕がありません。1本目をどこへ上げるかが、そのまま返球の質になります。
触れる回数の数え方は、ルールをまとめた記事で確認できます。
上げる高さは、自分が入り直せる高さにします。砂の上では、速いトスより高いトスのほうが攻撃になる場面が多くなります。
低く速いボールは、体育館なら間に合っても、沈む足では追いつけません。
慣れてきたら、返す場所を先に決めてから始めてください。決めた場所へ返せた本数を数えると、練習が試合に近づきます。



3回ノ ツカイ方ガ 勝負
ドリル5:跳ぶ役と拾う役を決める
2人制では、片方が跳んだら、もう片方が後ろ全部を見ます。この役割の入れ替えを練習で固めておきます。
1人がネット際から打ち込み、もう1人が跳ぶか下がるかを選びます。跳ばずに下がる選択も、同じ回数だけ練習してください。
跳ぶと決めたら、後ろは空きます。空けた場所へ返された1本を追う時間まで含めて、1セットの動きになります。
声は短くします。跳ぶ・下がるの2語だけ決めておけば、砂の上でも聞きとれます。
ドリル6:2対2のゲーム形式で条件を足す
4人そろう日は、2対2で試合の形にします。ただ点を取り合うのではなく、条件を1つ決めてから始めてください。
条件があると、狙いが1本ごとにはっきりします。勝ち負けだけを追うと、得意な形しか出なくなります。
- 3本目は必ず空いた場所へ落として返す
- サーブは風上から打つときだけ強く打つ
- 跳ばずに下がる選択を1セットで3回は使う
- 1本目は全部アンダーで上げる
2人しかいない日は、コートを半分にして1対1にします。範囲が狭くなるだけで、判断の中身は変わりません。



相手がいない日もできるんですね。



できますよ。半分のコートなら2人でも試合になります。
90分のコート時間をどう配分するか
ビーチのコートは時間で借りることが多いので、配分を決めておくと迷いません。90分を例にします。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10分 | 砂の上を歩く・走って足を慣らす |
| 20分 | 直上パスと対面パス |
| 20分 | サーブとレセプション |
| 20分 | 3本つなぐ形 |
| 20分 | ゲーム形式(または1対1) |
最初の10分を飛ばさないでください。砂の上は足首と膝の使い方が変わるので、いきなり跳ぶとけがにつながります。
暑い時期は、この配分のまま1本ごとに休みを増やします。時間を削るのではなく、密度を下げるほうが安全でしょう。



借りた時間はもったいなくて、つい詰め込みます。



最後の20分で動けなくなるほうが、もったいないですよ。
体を作る練習を足したい日は、コートを借りる前後に回します。限られたコート時間は、ボールに触る内容を優先しましょう。
ビーチの練習でやりがちな3つの失敗
最後に、コートに立てる時間を無駄にしてしまう場面を挙げておきます。どれもよく見かけます。
失敗1:打ち合いから始めてしまう
いちばん多いのがこれです。コートに入るとすぐ打ちたくなりますが、足場ができていない状態で打つとフォームが崩れます。
砂は沈むので、踏み切りの位置が毎回変わります。まず落下点に入る練習を済ませてから打つ、この順番を守ってください。
打つ前の5分で直上パスを入れるだけでも、足元は整います。順番を変えるだけなので、練習時間は増えません。
私が選手に伝えているのも、打つ本数を減らすのではなく、打つ前に5分だけ足場を作るという入り方です。
打つ時間を減らす必要はありません。前に基礎を置くだけで、同じ本数でも当たりが変わります。
失敗2:風のない日にしか練習しない
次が、条件の選びすぎです。穏やかな日ばかり練習していると、風の強い試合で手が止まります。
風の日は、サーブとトスの高さを変える練習に切り替えます。上げすぎたボールがどれだけ流れるかを、その場で覚えられます。
思うようにいかない日があっても構いません。その経験が、試合当日の引き出しになります。
強い風の日にやるのは、勝ち負けではなく高さと力加減の確認、と決めておくと気持ちも切れません。



風ノ日コソ 学ベル
失敗3:休憩と水分を後回しにする
3つ目が体調です。砂の照り返しは想像以上で、動いた時間のわりに体温が上がります。
30分に1回は日陰に入り、水分をとってから戻ってください。集中が切れた状態で続けても、身につくものはほとんどありません。
練習の質を保つための休憩だと考えると、とりやすくなります。



休むと練習量が減る気がしていました。



倒れて中止になるほうが減りますよ。先に休んでくださいね。
よくある質問
まとめ:足場を作ってから打つ順番で積み上げる
ビーチバレーの練習は、直上パスで足場を作り、対面パス・サーブ・3本つなぎ・役割分け・ゲーム形式の順に積むのが基本の形です。
2人しかいない日でも、この順番のまま内容を薄くせずに組めます。
| ドリル | いちばんの狙い |
|---|---|
| 直上パス | 触る前に足を止めて落下点に入る |
| 対面パス | 腕を振らずに距離を出す |
| サーブとレセプション | 風上と風下の違いを体で知る |
| 3本つなぐ | 3回の使い方に余裕を作る |
| 跳ぶ役と拾う役 | 空いた場所を2人で埋める |
| ゲーム形式 | 条件を決めて狙いをしぼる |
私は現役でビーチのコートに立ってきましたが、強く打てる人より、砂の上で同じ場所に立ち続けられる人のほうが先に勝てるようになります。
次の練習では、最初の10分を直上パスに使ってみてください。



まず直上パス10回からやってみます!



それだけで1本目が変わりますよ。続けてみてくださいね♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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