- インドアと同じ守り方だと、2人ではコートに穴があきすぎる気がする
- ブロックに跳んだ相方の後ろを、どう守ればいいかわからない
- 砂に足をとられて、思ったところに動けない
こんな悩みを解決します。
ビーチバレーのレシーブがインドアと大きく違うのは、広いコートをたった2人で守るため、1人ひとりの守備範囲と役割分担が段違いに広くなる点です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
インドアで6人守備を長く指導してきた立場から見ると、ビーチの2人制は「拾う技術」よりも「どこを捨てて、どこを守るか」の判断が勝敗を分けます。
なぜなら、2人ではすべてのコースを守り切れないからです。ここを整理するだけで、無駄な動きが減って、拾える球が増えていきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 2人で広いコートを守るための役割分担がわかる
- ブロックとレシーバーの連携の考え方がわかる
- 砂の上でのフットワークと構えのコツがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:2人制は「捨てる勇気」で守りが安定する
先に結論からお伝えします。ビーチのレシーブは、片方がブロック、もう片方がレシーブという役割を明確に分け、守るコースを絞ることで安定します。
ビーチの守備は、2人で全部を守ろうとしない。役割を分け、守るコースを絞ることが安定への近道。
インドアは6人で守るため、1人の守備範囲は限られます。ですがビーチは2人。同じ広さのコートを2人で分け合うので、当然すべては守れません。
そこで大切になるのが、片方がブロックに専念し、もう片方がその裏を守る、という役割の分担です。
- ブロック役とレシーブ役を、そのつど決める
- ブロックが締めたコースは、強打を捨てて他をケアする
- 砂で遅れるぶん、早めに動き出す
サルくん2人で全部守ろうとしちゃダメなの?



2人じゃ全部は無理なんだ。だから「ここは捨てる」と決めて、守る場所を絞る。それが結局いちばん拾えるんだよ。
レシーブそのものの技術は、インドアと変わりません。前腕の中央で面を作り、時間があれば腕を振らずに足で運ぶ、という基本は共通です。両手の親指をそろえて面を作る組み方も、そのまま使えます。
その基本の上に、ビーチでは「2人で分ける」という考え方が乗ってくると理解してください。技術そのものよりも、2人でどう守るかという頭の使い方が、ビーチのレシーブでは大きな比重を占めます。
なぜ2人制はコースを絞る必要があるのか
ビーチのレシーブでコースを絞るのは、2人ではコート全体を物理的に守り切れないからです。



フタリデ ゼンブハ マモレナイ
同じ広さのコートを、インドアは6人、ビーチは2人で守ります。単純に考えても、1人が受け持つ範囲は3倍近くに広がります。
ビーチのコートを2人で守ると、1人の守備範囲はインドアの3倍近くに広がる。
すべてを守ろうと2人がバラバラに動くと、かえってどちらのコースにも穴があきます。だから「この球は捨てて、この球を守る」と決めることが必要になるんです。
コースを絞る基準になるのが、ブロックです。片方がブロックに跳んで一部のコースを塞げば、もう片方はそのコースを守らなくてよくなります。



ブロックが片方のコースを塞ぐと、レシーバーは残りのコースに集中できる。だから2人の連携が大事なんだ。
つまりビーチの守備は、ブロックとレシーブがセットです。ブロックがどこを塞ぐかで、レシーバーの守る場所が決まります。
この関係を2人で共有できていないと、お互いが同じコースを守ったり、逆に両方が空いたりします。事前の合図やサインが大切になる理由が、ここにあります。
言葉にすると当たり前に思えますが、試合の速い展開の中では、この共有が崩れやすいもの。だからこそ、跳ぶ前のサインを毎回きちんと出す習慣が、守備の土台になります。



サインって、そんなに毎回出すものなの?



毎回だよ。1回サボると、そこだけ2人の守る場所がずれる。サインも声かけも、立派な技術のひとつなんだ。
もう一つ、2人制で欠かせないのが声かけです。声は気合いを見せるためのものではなく、相手に動いてもらうための情報だと考えてください。
2人しかいないぶん、どちらも触れる位置にボールが飛んでくる場面は何度も起こります。ここでお見合いが起きると、それだけで1点を失ってしまいます。
- どちらも取れるボールは、先に声を出して動き出した人が取る
- 原則として、ボールが近づいてくる側の人が取り、遠ざかる側はカバーに回る
遠ざかりながら取る形は体勢が苦しく、面が安定せずにミスが出やすくなります。だから「近い方が取る」ではなく「近づいてくる方が取る」と決めておくと、迷う時間が減ります。
跳ぶ前の合図の出し方は、ビーチバレーのサインプレー入門で整理しています。
ブロックとレシーブの役割分担
ビーチの守備の土台は、2人の役割をはっきり分けることです。誰がブロックで、誰がレシーブかを、毎回決めておきます。
- ネット前の1人がブロックに入る
- 後ろの1人がレシーブに専念する
- ブロックが締めたコースの逆を、レシーバーが守る
ブロックに入る人は、相手のスパイカーのどのコースを塞ぐかを決めます。ストレートを塞ぐのか、クロスを塞ぐのかを、跳ぶ前に相方へ合図で伝えます。



ブロックが塞ぐコースを教えてくれれば、後ろの人は残りを守ればいいんだね!



その通り。だから跳ぶ前のサインが命なんだ。塞ぐコースがずれると、2人とも同じ方向を守っちゃうからね。
後ろで守るレシーバーは、ブロックが締めたコースを捨てて、それ以外に集中します。ここで欲張って全部を見ようとすると、動きが中途半端になって拾えません。
ブロックが塞いでいるコースの後ろを守る時は、強打は思い切って捨ててかまいません。塞がれているぶん、そのコースに強打は打ち込まれにくいからです。
そのかわり、ブロックの上を抜ける球や、ショット(軟打)、ワンタッチに全対応します。
ビーチではインドアの指先フェイントが禁止されているため、相手の軟攻は指の甲側を使うポーキーや、指先で運ぶコブラで来ます。



インドアのフェイントが使えないなら、相手の軟攻は少し絞れそうだね。
禁止されている技を知っておくと、相手が何を使ってくるかを先に読みやすくなります。
ビーチ特有の制限は、ビーチバレーのルールを一気に理解にまとめました。
全対応するために有効なのが、手のひらを顔の横から肩の前あたりに置いて、手を挙げて待つ構えです。
ブロックが締めたコースの後ろは、強打を捨てて、ショットとブロック上のボールに全対応する。手を挙げて待つ。
手を下げて待っていると、ブロックの上を速く抜けてくる球に間に合いません。最初から手を挙げておくことで、ショットにも速い球にも、両方へ反応できるようになります。



強打を捨てるって、なんだか不安なんだけど…。



大丈夫。塞いでいるコースには強打は来にくいんだ。来ない球を待つより、来る球に集中した方が拾えるんだよ。
強打を拾えた時の返球も、意識しておきたいポイントです。速い打球をセッター役の相方へピンポイントで返そうとすると、力んで面がぶれてしまいます。
まずはコートの中央あたりへ高く上げることを最優先にします。高く上がれば、相方が入って次の攻撃につなげられるからです。直接失点しなければ、それで十分合格です。
強打を拾う時は、ピンポイントより「コート中央へ高く上げる」を最優先にする。
砂の上のフットワークと構え
ビーチのレシーブでもう一つ大きな壁になるのが、砂です。砂に足をとられると、インドアのように素早くは動けません。



スナデハ ソクドガ オチル
砂は足元が沈むため、走る速さが落ちる。だからこそ早めの動き出しと予測が大切になる。
砂の上では、地面を蹴る力が逃げて、一歩の速さが落ちます。同じ距離でも、インドアより時間がかかると考えておきましょう。
だからこそ、打たれてから動くのでは間に合いません。相手の助走や打つ方向を早めに読んで、動き出しを一瞬でも早くすることが大切になります。
少し距離があるボールには、相手が打つ瞬間に軽く跳ねるスプリットステップが役に立ちます。着地の反動をそのまま一歩目に変えられるため、砂に沈み込む前に動き出せるからです。



砂だと、構え方も変えた方がいいのかな?



基本の構えは同じだよ。足幅を肩幅より広く、重心を低くする。ただ砂は沈むから、いつも以上に低く安定させる意識を持つといいんだ。
構えの基本は、インドアと同じです。足幅を肩幅より広くとり、つま先をやや外に開き、股関節を曲げて重心を低くします。
- 足幅を肩幅より広く、低い姿勢を保つ
- 肘を後ろに下げず、面をすぐ作れる位置に
- 速い球には、目の高さを一定に保って構える
砂は足元が沈むぶん、低い姿勢が自然に作りやすい面もあります。この低さを活かして、速い打球には目の高さを固定したまま構えると、面がぶれにくくなります。
反対に、砂は蹴り出しに力がいるため、動き出しの一歩が重くなります。だから止まってから動くのではなく、相手が打つ前から少し重心を前に置いて、いつでも動ける準備をしておきましょう。



ウゴキダシ ヲ ハヤク
前へ飛び込むフライングも、砂の上では衝撃が少なく使いやすくなります。ただし、普段のフットワークで届く球にまで飛び込む必要はありません。届かない球にだけ使いましょう。
飛び込む時も、いきなり体を投げ出すのではなく、下半身の力で耐えて、胸を床に近づけてから滑り込みます。砂はやわらかいとはいえ、無理な飛び込みは体の負担になるからです。
風とレシーブの関係
屋外のビーチでは、レシーブにも風が関わってきます。同じ打球でも、風の向きで落ちる場所が変わるからです。
まず押さえたいのが、ビーチでは風下側がグッドサイド、風上側がバッドサイドと呼ばれ、風下の方が圧倒的に有利だという前提です。
風下側は向かい風に向かって打てるため、強打がコートに収まりやすくなるからです。
風下=グッドサイド(向かい風に打てる)、風上=バッドサイド。守備はどちらのサイドにいるかで組み立てが変わる。
この前提を、そのまま守備側の読みに置き換えてみましょう。
- 自分たちが風上側=相手は風下側で打つ → 強打が収まりやすいので強打を強く警戒し、やや前寄りをケア
- 自分たちが風下側=相手は風上側で打つ → 強打は伸びて流れやすく、相手はショット中心になりやすい
風上側から強打を打ち込むのは、実はプロでも難しいことです。追い風に乗って伸びてしまうため、よほどの打点やスピンがないとコートに収まりません。



相手が風上側にいる時は、強打よりショットで来る確率が上がる。だったら守る場所は自然と決まってくるよね。
だから自分たちが風下側にいる時は、前のショットへの反応を厚くしておくと拾える数が増えます。逆に風上側にいる時は、相手の強打がしっかり収まってくると考えて、目線を固定した準備を優先しましょう。
もう一つ、拾った後にも風の考え方があります。ビーチではボールコントロールを基本的に風上側へ、が原則です。
風下側へ流してしまうと、相方が風に追いかけるように走らされ、体力もコントロールも削られてしまいます。
強打を拾う時の「コート中央へ高く」も、風がある日は中央よりわずかに風上寄りが目安です。そこへ上げておくと、次の攻撃につながりやすくなります。
拾ったボールは風上側へ。風下へ流すと、相方が走らされて次の攻撃が苦しくなる。
太陽の位置も見落とせません。相手のトスや打球が太陽と重なると、一瞬ボールを見失います。
帽子やサングラスで対策しておきたいところで、必要な装備はビーチバレーに必要な道具一覧にまとめています。
こうした環境の情報も、2人で共有しておくと守りやすくなります。「今は風上側だから強打を警戒しよう」と一言かけ合うだけで、2人の守る位置がそろいます。
風と太陽をどう戦術に組み込むかは、ビーチバレーの風と太陽の使い方で攻撃側の視点からも整理しています。



風って不利になるだけかと思ってた。先に読めれば、こっちの武器になるんだね!
風も太陽も、相手にとっても同じ条件です。あわてず「この風なら、ここに落ちやすい」と考えれば、2人でも落ち着いて守れます。
むしろ、風を先に読めた側が有利になる、と考えるといいでしょう。
なお、コートチェンジの間隔など公式の進行ルールは、国際バレーボール連盟(FIVB)が定めたものが基準になっています。
ビーチのレシーブについてよくある質問
まとめ:役割を分け、コースを絞って守り切る
ビーチのレシーブは、広いコートを2人で守るため、役割分担とコースの絞り込みが勝敗を分けます。ですが、レシーブの基本技術はインドアと変わりません。
| 場面 | 守り方 | ポイント |
|---|---|---|
| ブロックが締めたコースの後ろ | 強打は捨てる | ショット・ブロック上に全対応 |
| 砂の上 | 早めに動き出す | 低い姿勢で目線を固定 |
| 風が強い | サイドで重心を変える | 返球は風上側へ高く |
役割を分け、守るコースを絞り、早めに動く。この3つで2人の守備は安定する。
私は元日本代表として、また指導の現場で、守備は「拾う技術」だけでなく「どこを守るかの判断」で大きく変わることを何度も感じてきました。ビーチの2人制は、その判断力がそのまま結果に出る競技です。



まずは相方と、どっちがブロックでどっちが守るかを決めるところからだね!



いいね。役割がはっきりすれば、2人でも広いコートをしっかり守れるようになるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ビーチバレーについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
送料無料・写真の無制限保存・ネットスーパー・Prime Video
Amazonプライムには、バレーを頑張るみなさんに嬉しい特典がそろっています。
- Prime Video:アニメ「ハイキュー!!」など人気作品が見放題
- 送料無料:バレーボール用品など、対象商品が送料無料で届く
- Amazon Photos:自分の写真も、お子さんの試合や成長の写真も、容量無制限で保存できる
- ネットスーパー:重い飲み物や食料も、買い物に行かず最短約2時間で自宅に届く(対象エリア)
▼ プライムは30日間の無料体験あり(期間内に解約すれば0円)









