- インドアと同じつもりで打つと、砂だと全然跳べない
- 助走のリズムが砂に取られて、うまく踏み切れない
- 着地で足が沈んで、足首をひねりそうで怖い
こんな悩みを解決します。
ビーチのスパイクでインドアの打ち方が通じないのは、砂で踏み切りの反発が返らない・助走が乱れやすい・着地が沈むの3つが理由です。
私は元日本代表として活動し、FIVB世界選手権への出場やビーチバレージャパンでの優勝を経験しています。
インドアからビーチへ転向したとき、私自身も砂の踏み切りに戸惑い、思うように跳べない時期を経験しました。
砂の特性に合わせて助走と踏み切りを変えれば、少ない力でもしっかり跳んで打てるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ビーチのスパイクがインドアと違う理由がわかる
- 砂で跳ぶための助走と踏み切りのコツがわかる
- 足首を守る着地の仕方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:砂では「短い助走・両足で沈めて跳ぶ」が基本
先に結論からお伝えします。ビーチのスパイクは、インドアの助走をそのまま持ち込まないのがコツです。
砂では、助走を短めにして・両足で砂を沈めて踏み切り・柔らかく着地するのが基本。
インドアは硬い床の反発を使って高く跳べます。砂はその反発が返りにくいため、助走のスピードよりも、砂をしっかりとらえる踏み切りが跳躍のカギになります。
| 場面 | インドア | ビーチ(砂) |
|---|---|---|
| 助走 | 3歩前後で加速 | 短め・砂に合わせて調整 |
| 踏み切り | 床の反発で跳ぶ | 両足で砂を沈めて跳ぶ |
| 着地 | 膝でクッション | さらに柔らかく吸収 |
サルくんインドアみたいに助走で加速しちゃダメなの?



砂だと加速しても足が沈んで力が逃げるんだ。だから助走は短めにして、砂をとらえる踏み切りを大事にするんだよ。
まずは「跳ぶ力は助走のスピードより踏み切りで作る」と考え方を切り替えることが、上達の第一歩になります。
なぜインドアの打ち方が通じないのか:砂と反発の関係
ビーチのスパイクを理解するには、砂と踏み切りの関係を知ることが欠かせません。ここがすべての土台になります。



スナハ フミキリノ ハンパツヲ カエシテクレナイ
硬い床は、踏み切った力を反発として返してくれます。この反発があるから、インドアでは助走の勢いを一気に上へ変えて高く跳べます。
砂は踏み切りの力を沈む方向に吸収する。だから床と同じ踏み切りでは、力が逃げて跳べない。
一方、砂は沈むため、踏み切った力の一部が砂を掘る方向へ逃げてしまいます。インドアと同じ感覚で強く踏み切ると、足が沈んで力が伝わりきりません。



床が返してくれた反発を、砂では自分で作りにいくイメージなんだ。だから跳び方から変える必要があるよ。
さらに、助走で勢いよく走っても、砂に足を取られてリズムが乱れやすくなります。この2つの理由から、インドアの打ち方はそのままでは通じないんです。
だからこそ、助走・踏み切り・着地の3つを、砂に合わせて作り直していくことが大切になります。次から順番に見ていきましょう。
砂での助走と踏み切り:両足で砂をとらえて跳ぶ
ビーチのスパイクで最も大事なのが、砂での助走と踏み切りです。ここを砂に合わせられるかで、跳べる高さが大きく変わります。
助走は短く・小さいステップで整える
砂の上では、助走を短めにして、小さいステップでリズムを整えます。大きく走り込むと足が沈み、かえってリズムが乱れて力が逃げます。
砂の助走は短く・小さく。スピードより、踏み切りの直前で体勢を整えることを優先する。
無理にスピードを上げず、踏み切りの直前でしっかり体勢を作ることを優先しましょう。砂の上では、加速の勢いよりも、砂をとらえる準備の方が跳躍につながります。



助走で飛ばすより、踏み切りの準備が大事なんだね。



そうなんだ。短い助走でも、砂をしっかり沈めて跳べば十分高く跳べるよ。
両足で砂を沈めて、その反動で跳ぶ
砂での踏み切りは、両足で砂を面でとらえ、しっかり沈めてから、その反動で上へ伸び上がるのが基本です。
片足で鋭く踏み切るより、両足の方が沈み込みを分散でき、力が逃げにくくなります。
つま先だけで蹴るのではなく、足裏全体で砂を沈める意識を持ちましょう。砂を一瞬とらえる「間(ま)」を作ってから跳ぶと、少ない力でも安定して高さが出ます。



砂を下に押して、返ってくる力で伸び上がる。あわてず、砂をとらえる一瞬を大事にしてね。
腕は、踏み込みに合わせて素早く振り上げます。腕の振り上げは、砂の反発が少ない分、跳躍の高さを補う大切な力になります。
両腕をしっかり振り上げると、その勢いが体を上へ引き上げてくれます。砂の上では、この腕の振り上げが跳躍を助ける割合が、インドアよりも大きくなります。



腕を振り上げる勢いも、跳ぶ力になるんだね。



そうなんだ。砂は反発が少ないから、腕の振り上げをサボらないことが高さにつながるよ。
トスの位置に入り直してから踏み切る
ビーチのトスは、風の影響を受けやすく、インドアほど毎回同じ場所には上がりません。
だからこそ、砂のスパイクでは踏み切る前の位置取りが、跳ぶ高さと同じくらい大切になります。
風で流れるトスに、自分の真上でとらえられる位置まで入り直してから踏み切るのが安定のコツ。
トスの軌道を見て、自分が最も安定して打てる位置に入り直しましょう。
無理に高いトスを追いかけて体勢を崩すより、確実に打てる位置で踏み切る方が、砂の上では効果的です。



トスがぶれると、打つのが難しそう…。



だからこそ、まず足で位置を合わせるんだ。いい位置に入れれば、あとは落ち着いて打てるよ。
砂の上では1歩の移動にも力がいるため、早めにトスの落下点を読んで動き出すのがポイントです。位置取りを丁寧にすることが、砂のスパイクを安定させる近道になります。
空中姿勢とミート:体をひねって手のひらで押し出す
砂で高く跳べたら、次は空中でしっかりボールをとらえる番です。ここはインドアのスパイクと共通する部分が多くあります。
背骨を軸に体をひねってテイクバック
空中では、打つ側の肩を後ろに引き、反対側の肩を前に出すように、背骨を軸にして体を水平にひねります。このひねりを戻す力が、スパイクのパワーを生みます。



野球のバッティングやテニスのフォアハンドを思い浮かべて。背骨を軸に肩を後ろに引いて、ひねり戻すことでパワーが生まれるよね。スパイクも同じ仕組みだよ。
背骨を軸に体をひねってテイクバックし、そのひねり戻しでボールに力を伝える。
砂の上では跳べる高さがインドアより出にくい分、無理に高い打点を狙うより、確実にミートすることを優先しましょう。
安定して当てられる打点で打つ方が、砂では効果的です。
手のひらで包み込んで押し出す
ミートは、打つというより、手のひらでボールを包み込んで押し出すイメージです。
インパクトの瞬間に手首を返して、手のひらや指先ではなく、手の甲が打球方向を向くまで振り抜きます。



ミートは打つというより、手のひらでボールを包み込んで押し出すイメージです。最後は手首を返して、手の甲が打球方向を向くくらいまで振り抜くよ!



力の入れ方にコツはあるの?



あるよ。踏み込みで力を入れて、空中では脱力、ヒットの瞬間にまた力を入れる。この3段階のリズムが大事なんだ。
踏み込みで力を入れて体に軸を作り、空中では余計な力を抜いて姿勢を安定させ、ヒットの瞬間に再び力を入れてボールにパワーを伝えます。
この切り替えが、砂の上でも安定した強打につながります。
強打だけでなく「ショット」も使い分ける
砂の上では、いつも全力で打ち切れるとは限りません。相手の手が高く出ているときや、風でトスが流れて体勢が整わないときは、コースを狙って柔らかく返す「ショット」が有効な選択になります。
ここで気をつけたいのが、ビーチ特有のルールです。
インドアで使う指先のフェイントは、ビーチバレーでは反則。柔らかく返すときも、指先でボールを押し出さない。
ネット際の難しいボールには、ビーチならではの2つの技を使います。人差し指と中指を折り曲げ、指の手の甲側で返す「ポーキー」と、指先を使って返す「コブラ」です。



インドアみたいに指先でちょんと落とすのはダメなんだね。



そうだよ。ビーチではショットやポーキーで返す。まずは強打の形を固めて、余裕が出てきたら覚えていこう。
強打とショットを打ち分けられるようになると、砂の上でも相手を大きく揺さぶれます。
砂での着地:柔らかく吸収して足首を守る
跳んで打った後に忘れてはいけないのが、着地です。砂は柔らかい一方で、足が沈んで足首をひねりやすい面もあります。



チャクチハ ヤワラカク スナニ シズメテ キュウシュウ
着地は膝を柔らかく使い、砂に足を沈めながら衝撃を吸収する。両足で受けて片足に頼らない。
砂はクッションになりますが、その分、足が不意に深く沈むことがあります。着地は両足で受け、膝を柔らかく曲げて衝撃を吸収しましょう。
片足だけで着地すると、足首をひねりやすくなります。



砂だからって油断せず、柔らかく着地するんだね。



そうだね。砂はクッションになるけど、足首は自分で守る意識が大切だよ。
なお、砂の上でも無理な着地や踏み込みで足首をひねることはあります。痛みや違和感が続くときは、無理をせず休み、必要なら医療機関に相談してください。
着地を安定させると、次のプレーへの動き出しも速くなります。打って終わりではなく、着地までを1つの動作として意識しましょう。
砂のスパイクに慣れる練習のコツ
理由と動きがわかったら、あとは体を砂に慣らしていくだけです。段階を踏んで、無理なく作っていきましょう。
まずは助走なしで、その場で両足で砂を沈めて跳ぶ動きから始めましょう。砂をとらえて跳ぶ感覚を、体に覚え込ませるのが目的です。
いきなり全力で打たず、砂をとらえて跳ぶ→短い助走→ミート、と段階を分けて慣らしていく。
慣れてきたら、短い助走を付けてリズムを合わせ、最後に軽いボールで確実にミートする練習へ進みます。砂は体力を使うので、短い時間でこまめに区切るのがおすすめです。
いきなり試合と同じ強さで打とうとすると、フォームが崩れたまま体に覚え込んでしまいます。
まずは7割くらいの力で、砂の踏み切りと着地を安定させることを優先しましょう。
強く打つのは、砂で跳んで着地する一連の流れが安定してからで十分です。土台ができてからパワーを上げる方が、遠回りに見えて確実に上達します。
なお、練習でも無理な着地や踏み込みで足首をひねることがあります。痛みや違和感が続くときは、無理をせず休み、必要なら医療機関に相談してください。



まずは砂を沈めて跳ぶところから、こつこつやってみる!



いいね。砂の踏み切りに慣れれば、スパイクは一気に安定してくるよ。
ビーチのスパイクについてよくある質問
まとめ:砂の踏み切りを覚えて、ビーチのスパイクを打とう
ビーチのスパイクは、砂で反発が返らない・助走が乱れやすい・着地が沈むという特性に合わせるのがコツです。
助走を短くし、両足で砂をとらえて跳び、柔らかく着地すれば、少ない力でも安定して打てます。
| ポイント | 砂での打ち方 |
|---|---|
| 助走 | 短く・小さいステップで整える |
| 踏み切り | 両足で砂を沈めて跳ぶ |
| ミート | 手のひらで包み込んで押し出す |
| 着地 | 両足で柔らかく吸収する |
跳ぶ力は助走より踏み切りで作る。砂をとらえて跳び、手のひらで押し出し、柔らかく着地する。
私は元日本代表として、砂の踏み切りに戸惑った時期を経て、跳び方を変えるだけで安定して打てるようになった経験があります。
焦らず、砂の踏み切りから一つずつ身につけていきましょう。



よし、砂を沈めて跳ぶ踏み切りから練習するぞ!



その意気だよ。砂の踏み切りが決まれば、スパイクはぐっと力強くなるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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