- 速いボールへの反応が遅れて、いつも一歩出遅れてしまう…
- 反射神経は生まれつきだから、今さら鍛えられないと思っている…
- 反応を速くする具体的な練習方法を知りたい…
こんな悩みを解決します。
バレーの反応速度は、生まれつきの才能ではなく、あとからの練習で必ず速くできます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、反応が遅い選手ほど、力みすぎて体が固まっているケースがほとんどなんです。一方で反応の速い選手は、目で見てから動くまでの流れがとてもスムーズです。
逆に言えば、その流れを練習で整えるだけで、反応速度はぐっと上がります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 反応速度が「3つの段階」でできていることが分かる
- 反射神経をあとから鍛える練習方法が手に入る
- 速いボールに出遅れない準備の考え方がつかめる
反応速度は基本動作の土台です。構え・移動もあわせて知りたい方は、こちらもどうぞ。
それでは、まず反応速度の仕組みから見ていきましょう。
結論:バレーの反射神経はあとから鍛えられる

最初に結論をお伝えします。バレーの反応速度は、練習で速くできます。
「反射神経は生まれつき」と思っている人も多いのではないでしょうか。バレーで必要なのは、いわゆる純粋な反射ではありません。
目で見て→どう動くか決めて→体を動かす、この一連の流れを速くすることなんです。
この流れは、正しい練習を積めばだれでも短くできます。
サルくん反射神経って、生まれつきで決まってると思ってました…。



バレーで大事なのは、見てから動くまでの流れ。そこは練習で速くできるよ。
私のスクールでも、最初は出遅れていた選手が、数か月で見違えるように動けるようになる姿を何度も見てきました。そのほとんどは、特別な才能があったわけではありません。
見て・決めて・動くという流れを、正しい順番でくり返し練習しただけのこと。
反対に、いくら走り込みや筋トレをがんばっても、この流れを意識しないと反応速度はなかなか伸びません。だからこそ、まず知ってほしいのは「反応速度は鍛えられる」という事実。
努力の方向さえ間違えなければ、反応速度は着実に伸びていきます。この後の章で、具体的な鍛え方を順番に見ていきましょう。
反応速度の仕組み|認知→判断→動作を短くする


反応速度を速くするには、まず仕組みを知ることが近道です。
バレーの反応は、次の3つの段階でできています。
- ①認知(見る)
- ②判断(決める)
- ③動作(動く)
この3つのどこかに時間がかかると、その分だけ一歩目が遅れます。



反応速度=認知+判断+動作ノ合計時間
逆に言えば、それぞれの段階を短くできれば、全体の反応も自然と速くなっていきます。特に大きな差がつくのが、次にお話しする「脱力」の使い方です。
①認知:ボールと相手を「先に」見る
最初の段階は、ボールや相手の動きを目でとらえる「認知」です。ここでの見え方ひとつで、そのあとの判断も変わってきます。
ここで大事なのは、ボールが飛んできてから見るのではなく、相手が打つ前から見ておくこと。相手の腕の振りや体の向きを早めに見ておくと、ボールがどこへ来るかを早くつかめます。
ボールだけを目で追っていると、来てからしか情報が手に入らず、どうしても出遅れます。見る情報が早ければ早いほど、次の判断にかける時間が増えるんです。
つまり、認知を速くする一番の方法は、見るタイミングを前に持ってくることです。



ボールを待つんじゃなくて、相手の動きを先に見ておくのがコツだよ。
②判断:迷いをなくして決断を速くする
次は、どう動くかを決める「判断」の段階です。ここで時間を食う一番の原因は、迷いそのもの。
「前かな、後ろかな」と迷っている間に、ボールは目の前を通り過ぎてしまいます。判断を速くするには、よくある場面のパターンを練習でくり返し、考えなくても体が反応する状態を作っておきましょう。



迷ってる時間が、出遅れの正体だったんですね!
③動作:最短の動きで一歩目を出す
最後は、実際に体を動かす「動作」の段階です。ここでは、いかにムダな動きをなくして一歩目を出せるかがポイント。
このとき体が力んでいると、動き出しがワンテンポ遅れます。
くわしくは次の章でお話ししますが、脱力が動作の速さを決める大きなカギになることを覚えておいてください。
力むと反応が遅れる|脱力が反射神経を引き出す


ここはこの記事でいちばんお伝えしたい大事なところです。反応の速さは、意外にも才能より脱力の使い方で決まります。
反応が遅い選手の多くに共通するのが、構えの段階でのガチガチな力み。力んだ筋肉は、動き出すときに一度ゆるめてからでないと動けません。
この「一度ゆるめる」ぶんだけ、一歩目が遅れてしまうんです。



力ミスギ=動キ出シニ遅レ発生
なぜ力むと神経の伝わりが遅れるのか
体を動かすときは、脳から筋肉へ「動け」という信号が伝わります。このとき筋肉がすでに固まっていると、その信号がスムーズに動きに変わりません。
イメージしやすいように言うと、固く握ったこぶしから急に手を開くより、軽く開いた手のほうがパッと動かせますよね。
体も同じで、ゆるんだ状態からのほうが、速く動けます。



力で身構えるほど、逆に動きは遅くなっちゃうんだよね。
反応する直前は「ゆらゆら」して待つ
では、どうすれば力まずに待てるのでしょうか。
おすすめは、構えのときに体を軽くゆらしておくことです。その場で小さく弾むように、ひざと足首をゆるめて、ゆらゆらと待つのがコツ。
止まって固まるのではなく、軽く動きながら待つことで、いつでも一歩目を出せる状態が保てます。これは抜重(ばつじゅう)という、一瞬体の力を抜いて素早く動き出す動きにもつながっています。



固まって待つのをやめて、ゆらゆら待ちを試してみます!



それだよ。触る前の脱力が、そのまま速い一歩目につながるからね。
反応速度を上げる練習|リアクションドリル


ここからは、反応速度を実際に上げる練習を紹介します。ポイントは、合図に反応して動く練習をくり返すこと。
決まった動きをなぞるのではなく、合図を見てから動くことで、認知→判断→動作の流れがまるごと鍛えられます。



合図ニ反応スル練習ガ反応速度ヲ鍛エル
逆方向ドリル:合図と反対に動く
まずおすすめなのが、合図と反対に動くドリルです。ペアの相手が手で右を指したら左へ、左を指したら右へ動く、これが基本の形。
わざと逆に動くことで、見てから判断するまでの脳の働きを強く使えます。ふだんは無意識にやっている「見て決める」作業を、あえて意識して行う練習になるんです。
慣れてきたら、指す速さを上げたり、上下も加えたりして、難しくしていきましょう。



逆に動くって、最初は混乱するけど、それが脳の良い練習になるんだ。
合図スタートドリル:いろいろな合図で動き出す
次は、いろいろな合図で動き出すドリルです。声・手のひら・ボールなど、合図のきっかけを変えながら、それを見たり聞いたりした瞬間にスタートするという内容。
合図のパターンを増やすほど、どんな状況でもすばやく反応できる力がつきます。
このとき、前の章でお話ししたゆらゆら待ちの構えからスタートすることを忘れないでください。



同じスタートでも、待ち方を変えるだけで全然違う!?



そうなんだよ。脱力して待つだけで、動き出しが一気に軽くなるよ。
練習で気をつけたいこと
最後に、練習を続けるうえで気をつけたいことをお伝えします。
- 軽い動きから始めて、だんだん速さを上げること
- 1回ごとに全力で動き出すこと(だらだらやらない)
- 短い時間で集中して行い、疲れたら休むこと
反応の練習は、つかれてくると動きが雑になり、かえって遅い動きが体にしみついてしまいます。だらだらと長く続けるより、短い時間に全力を出し切るほうが効果的。
1セットを短く区切り、合間にしっかり休みを入れて、いつも最高の動き出しで練習しましょう。
短く・集中して・全力でを合言葉に取り組んでください。



きつい走り込みのように、長くやればいいわけじゃないからね。
次に来るボールを予測する準備


反応速度を上げる最後のカギは、準備です。実は、反応の速い選手は、ただ目や体が速いわけではありません。
常に「次に来るボール」を予測して、心の準備をしているんです。予測ができていれば、ボールが来てから考える時間が減り、結果として反応がぐっと速くなります。



予測アリ=判断時間ガ短縮サレル
相手の動きから予測する
予測の材料になるのは、相手の動きです。相手の腕の角度・体の向き・助走のコースをよく見ておくことが、予測の第一歩。
「このフォームならクロスに来そうだ」と先読みできれば、その方向へ早めに準備ができます。
これは練習や試合をくり返すなかで、少しずつ身についていく力です。特別なセンスがなくても、経験を積むほど誰でも伸ばしていけます。



相手をよく見る選手ほど、自然と予測がうまくなっていくよ。
「来たらこう動く」を先に決めておく
もう1つの準備は、動きを先に決めておくことです。
ボールが来てから「どうしよう」と考えるのではなく、「ここに来たらこう動く」を先に決めておくと、迷いがなくなります。
迷いがなくなれば、判断の段階にかかる時間は大きく減るはず。
自分の守る範囲をはっきりさせ、「自分が取る・任せる」を味方と声で確認しておくのも、大切な準備の1つです。



来てから考えるんじゃなくて、先に決めておくんですね!



そう。準備しておけば、あとは体が勝手に動いてくれるよ。
試合のなかで予測の精度を上げる
予測は、試合の経験を重ねるほど精度が上がっていきます。同じ相手と何度も対戦すると、その選手のクセが少しずつ見えてくるもの。
得意なコースや、苦しいときに出やすい打ち方が分かれば、先に準備しておけるようになります。
大切なのは、ただプレーするだけでなく、毎回「次はどこに来そうか」と考えながらプレーすること。この積み重ねが、ボールが来てから慌てない落ち着いた反応につながっていきます。



考えながらプレーする選手は、試合のたびに反応がうまくなっていくよ。
ここでは、指導現場でよく寄せられる質問にまとめてお答えします。反応速度の練習を始める前に、ぜひ目を通してみてください。
バレーの反射神経 よくある質問
まとめ
この記事では、バレーの反射神経の鍛え方について解説しました。最後に重要なポイントを振り返りましょう。
反応速度は認知→判断→動作の流れを短くすることで、あとからでも必ず速くできます。
そのカギになるのが、次の3つです。
- 力まずに脱力して待つこと
- 合図に反応するドリル
- 次のボールを予測する準備
私は元日本代表として、またコーチとして10年以上指導してきましたが、反応の遅さに悩む選手ほど、この3つで大きく変わっていきます。焦らず、1つずつ取り組んでみてください。



才能のせいにしてたけど、今日から練習で変えていきます!



その意気だよ。脱力と予測を意識するだけで、一歩目は確実に速くなるからね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
基本動作については他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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