- 練習をがんばっているのに、朝から体が重そう
- 夜中までスマホを見ていて、何時に寝ているかわからない
- 休みの日はお昼まで寝ていて、生活リズムが戻らない
こんな悩みを解決します。
中学生・高校生の睡眠時間は8〜10時間が目安で、整えるときは寝る時刻ではなく起きる時刻からそろえるのが先です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、動きが急に鈍くなった選手に話を聞くと、練習量ではなく寝る時刻が変わっていることがよくありました。
眠りは、練習した内容を体に定着させる時間でもあります。削れば削るほど、練習の効果そのものが薄くなっていきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 中高生バレー選手に必要な睡眠時間の目安がわかる
- 夜型になってしまう本当の理由がわかる
- 睡眠時間を確保する具体的な手順がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:中高生は8〜10時間・起きる時刻から逆算する
先に結論からお伝えします。睡眠を整えるときにやることは、次の3つだけです。
- 起きる時刻を毎日そろえる(休日もふくむ)
- そこから8〜10時間さかのぼって、寝る時刻を決める
- 決めた寝る時刻の1時間前を、静かに過ごす時間にする
厚生労働省の睡眠ガイドでは、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することがすすめられています。
多くの人が思っているより長い時間ではないでしょうか。成長期のうちは、大人よりも長く眠る必要があるとされています。
サルくん8時間!? そんなに寝てる日、ほとんどないかも…



だから朝がつらいんだよ。まずは起きる時刻をそろえるところからでいいよ。
ここで大事なのが順番です。寝る時刻を先に決めても、部活や勉強の都合でかんたんにずれてしまいます。
一方で、起きる時刻は学校がある限りほぼ固定されています。動かないほうを基準にして、そこから逆算するほうが現実的です。
たとえば朝6時30分に起きるなら、8時間を確保するには夜10時30分には眠っている計算になります。逆算すると、自分が今どれだけ足りていないかがはっきり見えてきます。
この記事では、睡眠が足りないと何が起きるのか・なぜ夜型になるのか・どう整えるのか、の順に見ていきます。
出典の情報は、こちらから確認できます。
睡眠が足りないと、練習した分が体に残らない
なぜここまで睡眠を重く見るのか。理由は大きく2つあります。
動きを覚えるのは、練習中ではなく眠っている間だから
1つ目は、覚えた動きが定着するタイミングです。
体の動かし方は、練習しているその瞬間に完成するわけではありません。眠っている間に整理されて、次の日に使える形になっていきます。



レンシュウハ タネマキ スイミンハ ソダテル ジカン
だから、たくさん練習した日ほど睡眠が必要になります。長く練習して短く寝るのは、種をまいて水をやらないのと同じことです。
体が重いまま次の練習に入ると、フォームも崩れやすくなります。崩れたフォームで反復すると、今度はその崩れた動きのほうが定着してしまいます。
私はスクールで動きが重い選手を見かけたとき、フォームを直す前に前の晩の就寝時刻を聞くようにしています。
上達が止まったように感じるとき、原因が技術ではなく生活のほうにあることは珍しくありません。
疲れが抜けきらないまま、次の練習が始まるから
2つ目は、回復が追いつかなくなることです。
睡眠は、体を作り直す時間でもあります。ここが削られると、筋肉の張りも関節のだるさも、次の日に持ち越されます。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、こどもの睡眠時間が不足することで、気分が落ち込みやすくなることや、学業成績が下がることが報告されているとされています。
体だけでなく、気持ちや集中力にも関わってくるということです。



最近ちょっとしたことでイライラしているみたいで…寝不足も関係あるのかしら?



関係することはありますよ。性格の問題だと決めつける前に、眠れているかを見てあげてください。
食事で回復を早める工夫については、こちらの記事でまとめています。
夜型になるのは、意志が弱いからではありません
ここは保護者の方にも、選手本人にも知っておいてほしいところです。
思春期には、体のリズムが後ろにずれるから
厚生労働省の睡眠ガイドによると、思春期が始まる頃から睡眠と覚醒のリズムが後ろにずれ、眠りに関わるホルモンが出はじめる時刻が遅くなる傾向があるとされています。
つまり、夜に眠くなりにくくなるのは体の変化として自然に起きることです。



早く寝なさいって言われても、目がさえて眠れないんだよね…



それは気合いの問題じゃないよ。だからこそ、朝の光と時間の使い方でリズムを戻していくんだ。
ここを性格や根性の問題にしてしまうと、家の中で言い合いになるだけで何も改善しません。
体の仕組みとして起きていると理解できれば、対策も具体的になります。
部活・勉強・スマホが、そこに重なるから
体のリズムが後ろにずれるところへ、生活のほうも夜に寄っていきます。
練習が終わるのが遅く、帰ってから食事とお風呂、そこから勉強となれば、寝る時刻はどんどん後ろへ動きます。
同じ睡眠ガイドでは、部活動や勉強、友人とのつきあい、デジタル機器の使用などで夜遅くまで活動することが増える一方、朝は学校に合わせて起きる必要があるため、睡眠不足がたまりやすいとされています。
生理的な夜型 + 生活の夜型。この2つが重なるのが、中高生の睡眠の難しさです。
だからこそ、本人の努力だけに任せず、家庭で時間の使い方を一緒に見直す価値があります。
睡眠時間を確保する4つの手順
ここからが具体的な進め方です。順番どおりに進めてください。
いちばん効くのが1つ目です。寝る時刻は毎日ばらつきますが、起きる時刻は自分で固定できます。
朝の光には、後ろへずれたリズムを前に戻す働きがあるとされています。だから2つ目を組み合わせます。



起こすときにカーテンを開けるだけなら、今日からできそうです!



それだけでも変わりますよ。声をかけるより、光のほうが効きます。
朝ごはんも同じ役割をもちます。睡眠ガイドでは、朝食を摂らない生活習慣は、リズムが後ろにずれるのを進めてしまうと報告されているとされています。
3つ目の逆算では、勉強の時間をどこに置くかが問題になります。夜に粘るより、朝に回したほうが結果的に進むことも多いです。
4つ目は、眠る準備の時間です。部屋の明るさを落として、体を静かなほうへ向けていきます。
私は選手たちに、寝る前の1時間を勝負の時間にしないように伝えています。勝ち負けのある刺激は、体を起こす方向へ働くからです。
- 明るい画面を近い距離で見続けること
- 激しい運動や、勝ち負けのかかった対戦ゲーム
- カフェインを含む飲みもの
睡眠ガイドでも、寝る直前の激しい運動はかえって眠りの質を下げる可能性があるため控えたほうがよいとされています。
夜の練習が遅い日は、帰ってからのお風呂とストレッチで体を落ち着かせる時間をとってみてください。
眠りの質を下げるやりがちな習慣3つ
時間だけ確保しても、次の3つが残っていると効果が薄くなります。
休みの日の寝だめ
いちばん多いのが、休みの日にお昼まで寝てしまうパターンです。
平日の睡眠不足を取り返したい気持ちはわかります。ただ、起きる時刻が大きくずれると、午前中の光を浴びられません。
睡眠ガイドでは、休日に起床時刻を遅らせることで日光を浴びられず、リズムがさらに後ろへずれやすくなるとされています。



日曜にたっぷり寝たのに、月曜がいちばんきついのはそれか…



そう。ずらすなら1時間まで。足りない分は昼寝で足すほうがいいよ。
眠くて仕方ない日は、20分程度の短い昼寝で補うほうがリズムを守れます。
布団の中でのスマホ
2つ目は、寝る場所にスマホを持ち込むことです。
睡眠ガイドでは、デジタル機器は寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋に置くことがすすめられています。
寝そべって使うと画面との距離が近くなり、寝つきや眠りの質が悪くなることにつながるとされています。



取り上げると、けんかになってしまうんですよね…



取り上げるのではなく、置き場所を家族全員で決めるほうがうまくいきますよ。
保護者だけ持ち込んでいる状態だと、子どもは納得しません。充電場所をリビングにまとめる形なら、公平さも保てます。
帰りの車や電車での居眠り
3つ目が、練習帰りの短い居眠りです。
家に着く直前に寝てしまうと、夜の眠気が抜けてしまい、就寝時刻がさらに後ろへ動きます。
送迎の車内なら、話しかける・音楽をかけるなど、起きていられる工夫をしてみてください。
送迎そのものの負担を減らす方法は、こちらでまとめています。
試合前日に眠れないときの考え方
大会前になると、緊張で寝つけない選手が出てきます。
まず知っておいてほしいのは、前日1日眠れなかったことが、そのまま試合の結果を決めるわけではないということです。
大事なのは前日ではなく、その前の1週間です。ここで足りていれば、前日が浅くても体は動きます。
試合前日だけがんばって早く寝ようとするより、1週間前から積み上げるほうが効きます。
眠れないときに、眠らなければと考えるほど目はさえていきます。横になって体を休めているだけでも意味があると考えてください。



眠れなくても、目をつぶって休んでればいいんだね。



そう。焦らないことがいちばんの準備だよ。
遠征先では、いつもと枕や明るさが違って眠りにくくなります。使い慣れたタオルを持っていくなど、いつもに近づける工夫が役に立ちます。
睡眠環境を整えるグッズの選び方は、こちらでまとめています。
試合当日の過ごし方とあわせて考えると、当日の動きが変わってきます。
それでも朝起きられないときは相談する
ここまでの工夫を続けても、朝どうしても起きられない状態が長く続くことがあります。
その場合は、生活習慣だけの問題ではない可能性があります。
睡眠ガイドでは、夜ふかしと朝寝坊の習慣が長く続いて朝起きることが難しくなる状態は睡眠障害の1つとされ、できるだけ早く医師に相談することが大切だと書かれています。



怠けているわけじゃないかもしれない、ということですね。



はい。長引くようなら、家庭で抱え込まずに医療機関へ相談してください。
朝起きられない状態が続くと、遅刻や欠席が増え、本人がいちばん自分を責めてしまいます。
休むのは根性がないからだ、という決めつけをしない。これは、指導する側にも保護者にもお願いしたいことです。
体調や気持ちの変化が気になるときは、自己判断をせず、医師や学校の先生に相談してください。
気持ちが落ちているサインの見分け方は、こちらでまとめています。
よくある質問
まとめ
睡眠は、練習した内容を体に残すための時間です。時間を削るほど、練習の効果そのものが薄くなっていきます。
起きる時刻をそろえ、そこから8〜10時間を逆算する。まずはここからで十分です。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 毎朝 | 同じ時刻に起きて、カーテンを開ける |
| 休みの日 | 起きる時刻のずれは1時間まで |
| 寝る1時間前 | 部屋を暗くして、スマホは別の部屋へ |
| 試合前日 | 眠れなくても焦らず、横になって休む |
| 起きられない日が続く | 家庭で抱え込まず、医師に相談する |
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、伸びる選手ほど生活の土台が安定していました。



今日から、起きる時刻をそろえるところだけやってみる!



それでいいよ。1つずつでいいから、続けていこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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