- スパイダーランの記録が、ある所から縮まらなくなった
- 折り返しのターンで、いつも体が流れてタイムをロスする
- 走り方は覚えたのに、速さがもう一歩伸びない
こんな悩みを解決します。
この記事は、スパイダーランの基本のやり方ではなく、タイムを縮めるための「ターンの筋力」を鍛えることに絞ってお伝えします。
まだやり方に不安がある人は、基本動作の記事から先に読むのがおすすめです。この記事は、走れるようになった人が次にタイムを削るための一歩です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、タイムが伸び悩む選手の多くは、走る速さではなく折り返しでロスしています。
ぜひ参考にしてみてください。
- タイムロスがターンの瞬間に集中する理由がわかる
- 減速と重心の低さを支える筋力の鍛え方がわかる
- タイムを縮める練習メニューがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:タイムロスは「ターン」で起きている

先に結論からお伝えします。スパイダーランでタイムが縮まらない一番の原因は、走る速さではなく、折り返しのターンで体が流れることです。
直線の速さより、いかに速く止まって、速く向きを変えられるか。ここでタイムが決まる。
スパイダーランは、コーンやマークの間を細かく往復する動きです。1回のターンで失う時間はわずかでも、何度もくり返すうちに、大きな差になります。
- しっかり減速して止まる力
- 低い重心で向きを変える安定
- すぐに次へ加速し直す力
サルくん直線を速く走る練習をしても、タイムが伸びないんだ…。



直線じゃなくて、折り返しで時間を失ってるんだよ。そこを速くすれば記録は縮むよ。
多くの選手は、タイムを縮めようとして直線を速く走ることばかり意識します。でも、実際に時間を失っているのはターンの瞬間です。
だからこそ、タイムを縮めるには、走る練習より「止まって向きを変える」動きを支える筋力を鍛えることが近道になります。
もう1つ見落としがちなのが、止まったあとの「加速し直す力」です。向きを変えても、次の一歩がもたつくと、そこでもタイムを失います。
つまりターンは、止まる・向きを変える・加速し直す、という3つの動きがつながっています。この一連の流れがなめらかになるほど、記録は縮んでいきます。



止まるだけじゃなくて、そのあとの一歩も大事なんだね。



そう。止まってから次の加速までを1つの動きとしてつなげると、ぐっと速くなるよ。
なぜターンの筋力がタイムを縮めるのか


ターンが遅くなる原因は、多くの場合「うまく止まれないこと」にあります。止まりきれずに体が流れると、その分だけ次の一歩が遅れます。



トマル チカラ ガ タイム ヲ キメル
急に止まって向きを変えるとき、太ももの前の筋肉が体の勢いを受け止めます。ここが弱いと、勢いに負けてブレーキが甘くなり、体が流れてしまいます。
太ももの前(大腿四頭筋)が、減速の主役。ここが強いと、速く止まって速く戻れる。
止まる力が上がると、コーンのぎりぎりまで速いスピードで走り込み、そこからすばやく折り返せます。手前で早めに減速する必要がなくなり、タイムが縮みます。



速く走る力より、速く止まる力。これがタイムを削るカギなんだ。
もう1つ大切なのが、低い重心を保つ力です。向きを変える瞬間に上体が起き上がると、バランスを崩して一歩目が遅れます。
この低さを支えているのが、内ももの筋肉(内転筋)です。ここが働くと、重心を低く保ったまま鋭く切り返せるようになります。
タイムを縮める筋力トレーニング


ここからは、ターンを速くするための筋力トレを紹介します。走り込みだけでは鍛えにくい部分を補うイメージです。
減速を支える太もも前のトレ
まずは、止まる力のもとになる太ももの前を鍛えます。代表的なのが、スクワットとランジです。



スクワットが、止まる力につながるんだね!



そう。下ろす動きをゆっくり行うと、止まるときに使う力が育つよ。
とくに大事なのが、腰を下ろす動きをゆっくり行うことです。ブレーキと同じ筋肉の使い方になり、減速する力が身につきます。
前に踏み出すランジも効果的です。片足に体重を乗せて止まる動きが、ターンで片足に体重が乗る場面によく似ています。
スパイダーランのターンは、たいてい片足で体を止めて向きを変えます。両足そろえて止まる場面は少ないので、片足で踏ん張るランジは実戦に直結します。
踏み出した足のひざが内側に入らないよう、つま先とひざを同じ向きにそろえるのがコツです。ひざが内に入ると、力が逃げるだけでなく、痛める原因にもなります。
重心を低く保つ内ももとお尻のトレ
次は、低い姿勢を支える内ももとお尻を鍛えます。横方向の動きを取り入れるのがポイントです。



内ももって、ターンにこんなに関係してるんだ!



うん。横に踏ん張る力が、低い重心での切り返しを支えてるんだよ。
横に開いて腰を落とすサイドランジは、内ももに効く代表的な種目です。切り返しで踏ん張る力が育ち、重心を低く保てるようになります。
お尻の筋肉も、向きを変えるときに体を支える大事な部分です。スクワットやランジと合わせて鍛えると、ターン全体が安定します。
内ももとお尻は、ふだんの生活ではあまり使われにくい部分です。だからこそ、意識して鍛えると、ターンの安定に大きな差が出やすいところでもあります。



太もも前だけ鍛えればいいのかと思ってた。



前だけだと重心が高くなりがちなんだ。内ももとお尻もそろえると、低いまま鋭く曲がれるよ。
大切なのは、太もも前・内もも・お尻をバランスよく鍛えることです。どれか1つだけが強くても、ターンはうまくつながりません。
タイムを縮める実戦的な練習メニュー


筋力がついてきたら、実際の動きの中で速さを磨きます。ただ走るのではなく、ターンの質を意識するのがコツです。
| メニュー | 内容 | ねらい |
|---|---|---|
| コーンターン | コーン手前で低く止まり折り返す | 減速と切り返し |
| 8の字走 | コーンを8の字に回り込む | 曲がりながらの重心保持 |
| 反復ダッシュ | 短い距離で止まって戻る | 加速と減速の切り替え |



ヒクク トマッテ スルドク マガル
おすすめは、コーンを2つ置いて8の字に走るメニューです。曲がりながら重心を低く保つ練習になり、実戦の細かい動きに近づきます。



ただ往復するのと、8の字は何が違うの?



8の字は曲がり続けるから、低い重心をずっと保つ力が育つんだ。ターンがなめらかになるよ。
練習では、タイムを計るより先に、ターンで体が流れていないかを見ましょう。低く沈んで、鋭く向きを変えられているかがポイントです。
止まり方は1つではありません。距離やタイミングがはっきりしていて素早く止まりたいときは、最後の一歩を大きく踏み込んで一気に受け止める止め方。
落下点までの距離が微妙で、位置を微調整したいときは、小刻みなステップで少しずつ勢いを吸収する止め方です。どちらが上ということはなく、場面で使い分けられるほどターンが速くなるからです。
練習では、自分がどちらで止まっているかを一度確かめてみましょう。



大きく一歩で止まるのと、小刻みで止まるの、どっちが正解なの?



どっちも正解だよ。距離がはっきりしてるときは大きく一歩、位置を直したいときは小刻み。使い分けられると強いよ。
フォームが整ってきたら、タイムを計って記録の変化を確かめます。数字を追うのは、正しい動きが身についてからにすると、悪いクセがつきにくくなります。
タイムを計るときは、毎回同じ距離・同じコーンの置き方でそろえましょう。条件がばらばらだと、速くなったのか環境が変わったのか、区別できなくなります。
同じ条件で計り続けると、筋トレや練習の効果が数字ではっきり見えてきます。伸びが見えると、続けるやる気にもつながります。



記録がちょっとでも縮むと、うれしくてもっとやりたくなる!



いいね。数字が伸びを教えてくれるから、正しく計るのも練習のうちだよ。
よくある失敗と成長期の注意


タイムが伸びない選手にありがちな失敗と、注意点を見ておきましょう。
- 上体が起き上がって、重心が高いままターンしている
- コーンの手前で早く減速しすぎている
- 止まる力が足りず、体が流れている
上体が起き上がってしまう人は、目線を下げず前に置き、腰を落としたままターンする意識を持ちましょう。重心が低いほど、体は流れにくくなります。



手前で減速しすぎるのは、どう直せばいいの?



止まる力がつけば、ぎりぎりまで攻められるよ。だから筋トレと合わせて練習するといいんだ。
コーンのずっと手前で減速する人は、止まる力が足りていないことが多いです。太ももの前を鍛えると、ぎりぎりまで速く走り込めるようになります。
ここで、成長期の選手に大事な注意点があります。育ち盛りの時期は、急停止や切り返しの負担が膝にかかりやすく、無理なくり返しは避けてください。
「オスグッド病」など成長期特有の膝のトラブルは、ジャンプや急停止のくり返しで起きやすくなります。痛みが出たら休むことを最優先にしましょう。
筋トレも、成長期のうちは自分の体重を使ったスクワットやランジで十分です。重いダンベルやバーベルを急いで持つ必要はありません。
骨の成長やケガのリスクを考えると、器具で重い負荷を扱うのは高校年代からで間に合うからです。まずは正しいフォームで、ゆっくり動かすことを優先してみてください。
タイムより体が大事。膝やかかとに痛みが出たら、その日は迷わず休む。



痛みが続くときは、がまんせず、専門家や医療機関に相談してね。
選手や保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
スパイダーランのタイムについてよくある質問
鍛えた力を実戦で活かすコツ
スパイダーランで磨いた速さは、コートの動きに使えてはじめて意味があります。実戦につなげる意識を持っておきましょう。
- ボールへ向かうとき、ぎりぎりまで速く走り込む
- 止まる瞬間は、重心を低く保って体を流さない
- 向きを変えたら、すぐ次の一歩を出す
レシーブでボールに向かうときは、練習と同じようにぎりぎりまで速く走り込み、低く止まる意識を持ちましょう。止まる力があれば、遠い球にも間に合います。



速く止まれれば、その分だけ動ける範囲が広がるんだね!



そう。止まる力と低い重心が、守れる範囲を広げてくれるよ。
向きを変えたあとは、間を置かずに次の一歩を出します。低い姿勢を保ったままつなぐと、素早く次の動きに移れます。
スパイダーランで身につく「低く止まって鋭く曲がる」動きは、レシーブだけでなく、ブロックの横移動にも生きてきます。ネット際を素早く動いて止まる場面でも、この力が支えになります。
守備範囲が広い選手は、足が速いだけでなく、止まって向きを変えるのがうまいものです。タイムを縮める練習は、そのままコートで拾える範囲を広げる練習にもなります。
ふだんの練習から、止まって向きを変えるたびに「低く、鋭く」を思い出すと、鍛えた力が自然とプレーに表れてきます。
トレーニングと同じ「低く止まって鋭く切り返す」を、実戦の動きでも意識する。
まとめ:ターンの筋力で、スパイダーランのタイムを縮めよう
スパイダーランのタイムは、直線の速さではなく、折り返しのターンで決まります。速く止まり、低い重心で鋭く切り返す筋力が、記録を縮めるカギです。
| ポイント | 鍛える部分 | ねらい |
|---|---|---|
| 減速 | 太もも前(大腿四頭筋) | 速く止まる |
| 重心 | 内もも(内転筋)・お尻 | 低く保つ |
| 練習 | 8の字走・反復ダッシュ | ターンの質を上げる |
直線を速くするより、速く止まって鋭く曲がる力を鍛える。それがタイム短縮の近道。
私は元日本代表として、ターンの筋力がついた選手のタイムがぐっと縮むのを何度も見てきました。あせらず、正しいフォームを大切に積み上げていきましょう。



よし、まずはスクワットで止まる力から鍛えるぞ!



その意気だよ。折り返しが速くなれば、記録も守備範囲も広がってくるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの身体づくり(パフォーマンスアップ)については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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