指導者に不満があるときの伝え方|親と監督の関係づくり

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指導者に不満があるときの伝え方を解説するあげばとうさママ
  • 監督の起用や指導方針に納得できず、もやもやしている
  • 意見を伝えたいけれど、子どもが不利にならないか心配
  • そもそも保護者が口を出していいのか、線引きがわからない

こんな悩みを解決します。

指導者への不満を伝えるときに大切なのは、感情をぶつけず、伝えていいことと控えたいことを切り分けて、対立ではなく相談の形で話すことです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

選手としても、指導する側としても現場に立ってきて感じるのは、親と指導者が対立すると、いちばん苦しむのは真ん中にいる子どもだということです。

伝え方の順番と線引きさえ押さえれば、不満は関係を壊すものではなく、信頼を深めるきっかけにもなります。ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 伝えていい不満と、控えたい不満の線引きがわかる
  • 子どもが不利にならない伝え方の順番がわかる
  • 指導者と良い関係を築くための日ごろの心がけがわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:対立ではなく「相談」の形で伝える

先に結論からお伝えします。指導者への不満は、次の順番で向き合うのがおすすめです。

不満を伝えるときの3ステップ
  • 切り分ける:伝えていい話か、控えたい話かを見極める
  • 落ち着く:感情が高ぶったまま動かない
  • 相談する:対立ではなく、教えてもらう姿勢で話す

いちばんやってはいけないのは、感情のまま抗議したり、子どもの前で指導者を否定したりすることです。

不満は「抗議」ではなく「相談」の形にすると、こじれずに伝わります。

指導者も一人の人間です。頭ごなしに否定されれば身構えますが、相談として持ちかけられれば、耳を傾けてくれます。

うさママ

言いたいことはあるけれど、角が立たないか心配で…。

あげば

大丈夫。伝え方さえ選べば、むしろ信頼が深まることもあるんだよ。

まずは、そもそも伝えていい不満かどうかを見極めるところから始めましょう。

伝えていい不満・控えたい不満の線引き

すべての不満を伝えればいい、というわけではありません。まずは、伝えるべき話とそうでない話を切り分けます。

この線引きがあいまいだと、些細なことまで伝えてしまい、いざ大事なことを相談したいときに聞いてもらいにくくなります。

伝えるべきことにしぼるからこそ、その言葉に重みが生まれます。次の表を、切り分けの目安にしてください。

伝えてよい・相談すべき控えたい・伝え方に注意
安全や健康に関わること起用やポジションへの不満
ハラスメントが疑われること指導方針そのものの否定
子どもの心身の不調他の子との比較や順番
事務連絡・費用の不明点勝ち負けの采配への口出し

迷わず伝えるべきこと

安全や健康、そしてハラスメントに関わることは、迷わず相談してください。これは保護者の大切な役割です。

たとえば、真夏の練習で水分補給の時間がない、暴言が日常化している、けがをしても無理に続けさせられる。こうした状況は、子どもを守るために声を上げるべき場面です。

子どもの安全・健康・尊厳に関わることは、遠慮せず相談してよい領域です。

とくに暴力や暴言など、ハラスメントが疑われる場合は、家庭だけで抱え込まないでください。学校や競技団体の相談窓口など、専門の窓口に相談することも大切な選択肢です。

公的な窓口としては、公益財団法人日本スポーツ協会が暴力行為等の相談窓口を設けています。

どこに相談すればよいか迷ったときの選択肢として、頭の片隅に置いておくと安心です。

こうした場面では、遠慮して様子を見すぎないことが大切です。子どもは、親に心配をかけまいと、つらい状況を隠すことがあります。

普段と違う様子に気づいたら、まず子どもの話を聴き、必要と感じたら早めに動いてください。安全に関わることは、慎重になりすぎるより一歩踏み出す方が安心です。

うさママ

大げさかなと思って、つい様子を見てしまいそうです…。

あげば

安全のことは、大げさなくらいでちょうどいいんだ。気づいたら早めに動こう。

伝え方に注意したいこと

一方で、起用やポジション、采配への不満は、伝え方に注意が必要です。これらは指導者の専門的な判断に関わる領域だからです。

「なぜうちの子を使わないのか」と直接ぶつけると、対立になりやすく、子どもが板挟みになります。

伝えるとしても、抗議ではなく「家でどう支えればいいか」という相談の形にしましょう。

うさママ

つい、なんでうちの子が控えなのって思ってしまうんです…。

あげば

その気持ちは自然だよ。でも、采配は指導者に任せる領域と割り切ると、心が少し楽になるんだ。

指導者は、練習での様子やチーム全体のバランスを見て起用を決めています。試合で見えている一部だけでは、親には判断材料が足りないことも多いのです。

まずは、その判断の背景を「教えてもらう」という姿勢で聞いてみましょう。頭ごなしに否定するのとは、伝わり方がまるで変わります。

うさママ

抗議じゃなくて、理由を教えてもらう。それなら聞いてみられそうです。

あげば

うん。理由がわかれば、家での支え方も見えてくることが多いんだよ。

子どもが不利にならない伝え方の手順

伝えると決めたら、次は伝え方です。子どもが板挟みにならないよう、順番を意識しましょう。

まず感情が落ち着くのを待つ

不満を感じた直後は、動かないのが鉄則です。試合や練習の直後、感情が高ぶったまま話すと、言葉がきつくなり、こじれます。

一晩おいて、それでも伝えるべきだと思うなら、そのとき初めて動きます。時間をおくと消える不満も多く、それは伝えなくてよかった不満だったということです。

落ち着いてから改めて考えると、伝えたいことの中身が変わっていることもあります。感情の勢いで言っていたことと、本当に相談したいことは、案外別のものだったりします。

まず一度、頭の中を整理してみてください。

何を伝えたいのか、それは誰のためのものかを問い直すと、話す内容が自然としぼられていきます。

あげば

試合直後に感情のまま抗議するのは、いちばん避けたい伝え方なんだ。

サルくん

親同士がその場でもめると、子どもとしてはすごく気まずいんだよね…。

相談の形で、場を選んで話す

伝えるときは、多くの人がいる前ではなく、個別に時間をとってもらいます。まわりに人がいると、指導者も身構えてしまいます。

時間の取り方にもコツがあります。練習の準備や片づけで指導者が動いている最中に呼び止めると、どうしても立ち話になってしまいます。

「少しご相談したいことがあるので、お時間をいただけませんか」と先に一言お願いしておくと、指導者も落ち着いて向き合ってくれます。

話す時間は長くても15分程度をめどに、伝えたいことを1つか2つにしぼっておくと、内容がぼやけません。

言い方も「抗議」ではなく「相談」にします。「家でどう声をかければいいですか」「本人が悩んでいるようで」と、子どものサポートを一緒に考える姿勢で話すと、指導者も味方になってくれます。

あげば

大事なのは、責めることじゃなくて、一緒に子どもを支える仲間になることなんだ。

このとき、主語を「あなた(指導者)」にすると責める形になります。「なぜ使わないのですか」ではなく、「私は家でどう支えればいいか悩んでいて」と、自分を主語にするのがコツです。

同じ内容でも、相手を責める言い方か、自分の悩みを打ち明ける言い方かで、受け取られ方は大きく変わります。

主語を「私(親)」にして、家での支え方を相談する形にすると、対立を避けられます。

子どもの前で指導者を否定しない

最後に、これがいちばん大切です。どんなに不満があっても、子どもの前で指導者を否定しないでください。

親が指導者を悪く言うと、子どもは誰を信じればいいかわからなくなります。信頼できない相手の指導は、素直に入っていきません。

結果として、いちばん損をするのは子どもです。

不満があっても、子どもの前では指導者を立てる。相談は、子どものいないところで大人同士が行う。この線引きが、子どもの練習環境を守ります。

たとえ内心では納得できなくても、「監督はあなたのことをちゃんと見てくれてるよ」と伝えてあげる方が、子どもは安心してコートに立てます。

うさママ

子どもの前では、監督への不満は口にしないようにします。

あげば

うん。それだけで、子どもは安心して練習に集中できるんだよ。

良い関係を築く日ごろの心がけ

不満が生まれたときの対処だけでなく、日ごろの関係づくりも大切です。土台があれば、いざという相談もスムーズになります。

感謝を先に、こまめに伝える

指導者は、多くの場合、限られた時間の中で子どもたちを見てくれています。まずは、その労力への感謝をこまめに伝えましょう。

普段から「いつもありがとうございます」と一言あるだけで、関係はぐっと良くなります。感謝の土台がある相手からの相談は、指導者も前向きに受けとめてくれます。

送迎や大会の運営など、保護者として協力できる場面で手を貸すのも、信頼づくりにつながります。日ごろの関わりが、いざというときの話しやすさを生みます。

あげば

感謝の貯金があると、いざという相談も自然と伝わりやすくなるんだよ。

指導者を信頼して任せる

日ごろは、指導は指導者に任せると腹をくくることも大切です。あれこれ口を出すより、任せて見守る姿勢の方が、子どもも指導者も伸び伸びできます。

もちろん、任せるとは無関心とは違います。子どもの様子には目を向けつつ、技術指導や采配は専門家に委ねる。この役割分担が、良い関係の基本です。

指導者にとっても、信頼して任せてくれる保護者は、とてもありがたい存在です。

信頼されていると感じると、指導者も自然と子ども一人ひとりに目を配りやすくなります。

任せることは、指導を丸投げすることではありません。互いの役割を尊重し合う姿勢が、結果として子どもにとって良い環境を育てていきます。

サルくん

親も監督も同じ方向を向いてくれてると、すごく頑張れるんだ!

あげば

そうだよね。親と指導者はライバルじゃなくて、同じチームなんだよ。

なお、どうしても関係が改善せず、子どもが苦しんでいる場合は、我慢を続けさせる必要はありません。

学校や競技団体の相談窓口を頼ったり、環境を変える選択を検討したりすることも、子どもを守るための大切な判断です。

指導者への不満の伝え方でよくある質問

起用に納得できません。伝えてもいいですか?

伝えること自体は問題ありませんが、抗議ではなく相談の形にするのがおすすめです。「なぜ使わないのか」ではなく「家でどう支えればいいか」と尋ねると、対立を避けつつ、指導者の考えも聞けます。

直接言うのが怖いです。連絡帳やメールでもいいですか?

手段は状況に合わせて選んで大丈夫です。ただし文章は感情が伝わりにくく、誤解も生みやすいので、内容は事実と相談に絞り、感謝の一言を添えると角が立ちにくくなります。

暴言や体罰が気になります。どうすればいいですか?

ハラスメントが疑われる場合は、家庭だけで抱え込まないでください。まず事実を記録し、学校や競技団体の相談窓口など、専門の窓口に相談することが大切です。子どもの安全が最優先です。

他の保護者と一緒に意見を出すのは効果的ですか?

複数だと圧力になり、対立を深めることがあります。安全に関わる重大な問題を除けば、まずは個別に相談する方が、冷静に話し合いやすいです。集団での抗議は慎重に判断してください。

指導者への不満の伝え方まとめ

ここまでの内容を、最後に表で整理します。

場面意識したいこと避けたいこと
切り分け安全・健康は相談、采配は任せるすべての不満をぶつける
タイミング一晩おいて落ち着いてから試合直後に感情のまま
伝え方相談の形・個別に・場を選ぶ抗議・大勢の前・詰め寄る
日ごろ感謝を伝え、信頼して任せる子どもの前で指導者を否定

対立ではなく相談。感謝を土台に、子どもの前では指導者を立てる。これが基本です。

私は元日本代表として、また指導する立場としても、親と指導者の関係を数多く見てきました。うまくいくチームは、決まって両者が同じ方向を向いていました。

不満を感じたときこそ、伝え方を選ぶチャンスです。対立ではなく相談として届ければ、その一件が、かえって信頼を深めるきっかけになります。

親と指導者が手を取り合えたとき、その安心は必ず子どもに伝わります。

まわりの大人が同じ方向を向いている環境は、子どもがのびのび力を出せる土台になります。

不満をきっかけに関係を壊すのではなく、対話のきっかけに変えていく。その積み重ねが、子どもにとって何より心強い応援になります。

うさママ

相談という形なら、勇気を出して話してみられそうです。

あげば

うん。その一歩が、子どもにとっていちばんの環境を作るんだよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

子育てとバレーの関わり方については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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