- 練習が行き当たりばったりで、積み上がっている実感がない
- 大会前にどんな練習をすればいいのか分からない
- 試合のない冬に何を強化すべきか迷っている
こんな悩みを解決します。
年間計画づくりの答えは、大会から逆算して1年を「鍛える時期」と「仕上げる時期」に分けることにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきた経験から、伸びるチームとそうでないチームの差は、練習量よりも「時期ごとのテーマがあるか」に表れると感じています。
大会直前にフォームをいじるチームは崩れ、試合のない冬に土台を作ったチームは春に見違えるほど伸びます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 大会から逆算した期分け(ピリオダイゼーション)の考え方がわかる
- 中学バレーの大会カレンダーに沿った時期別の強化ポイントがわかる
- そのまま使える年間計画の作り方5ステップがわかる
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論:年間計画は大会から逆算して「期」で分ける
先に結論からお伝えします。年間計画は、1年をひとまとめに考えず、大会日程から逆算して役割の違う「期」に分けることが出発点です。
スポーツの世界では、この期分けの考え方をピリオダイゼーションと呼びます。言葉はむずかしそうですが、中身はシンプルです。
- 準備期:フォームと体力の土台を作る(大会まで遠い時期)
- 強化期:測定で見つけた課題をしぼって修正する
- 調整期:大会前の約2週間。新しいことをせず状態を整える
- 大会期:準備したことをそのまま出す
れおコーチ正直、1年中ずっと同じような練習をしていました…。



時期で目的を変えるだけで、同じ練習時間でも積み上がり方が変わるよ。
大事なのは、期ごとに「やること」と同じくらい「やらないこと」を先に決めてしまう点です。
たとえば調整期にフォーム修正はしない、準備期に勝ち負けを求めない、と決めておきます。
基準が先にあれば、日々のメニュー選びで迷う時間が減り、選手への説明も一貫します。



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まずは、なぜ期分けがそれほど効くのかを見ていきましょう。
なぜ年間計画で差がつくのか
年間計画は「作ると良いもの」ではなく、チームの伸びと選手の体を守る土台になるものです。理由は大きく2つあります。
理由1:練習の迷いと無駄が消える
計画がないチームは、直近の試合結果に練習が振り回されます。負けるたびにメニューが変わり、どの技術も中途半端なまま次の大会を迎えがちです。
期のテーマが決まっていれば、「今はフォームを固める時期だから、試合形式は少なめでいい」と迷わず判断できます。
課題は次の大会までに直すものを最大3つにしぼる。
全部を直そうとすると、結局どれも直りません。3つにしぼる勇気こそ、計画の役割です。
私の指導現場でも、課題をしぼって取り組んだチームほど修正が速く、選手の手応えもはっきりしています。



負けるたびにあれもこれもと詰め込んでいました…。



気持ちは分かるよ。でも直せる数には限りがあるんだ。
理由2:疲労と怪我をコントロールできる
1年中フルスロットルの練習は、成長期の選手にとって故障のもとです。疲労はミスの最大原因でもあります。
期分けをすると、追い込む時期と疲労を抜く時期が計画に組み込まれ、結果として怪我の予防につながります。
国の指針でも、行き過ぎた練習量にならないよう休養日の設定が求められています。
出典:運動部活動の在り方に関する総合ガイドライン(スポーツ庁)



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練習がきつすぎてバレーボールを嫌いになってしまうのが、一番良くありません。計画は選手を守る道具でもあるんです。
中学バレーの大会カレンダーと期分けの実例
期分けの軸になるのが大会日程です。中学バレーの1年は、大きく3つの大会を柱に回っています。
主要3大会の流れを押さえる
| 時期 | 大会 | チームの状態 |
|---|---|---|
| 5〜6月 | 選手権(春の大会) | 3年生中心の集大成期スタート |
| 7月 | 総合体育大会(総体) | 3年生の集大成。負けた時点で引退 |
| 10〜11月 | 新人戦 | 2年生主体の新チーム初の公式戦 |
| 2月ごろ | 1年生大会(地域による) | 1年生の自立の場 |
市予選の名称や時期は地域によって差があります。着任したら、先輩顧問や地区専門部の年間計画で自分の地域の日程を確かめておきましょう。



5月から7月は、ほとんど大会が続くんですね!



だから春に慌てても遅いんだ。冬までの積み上げで勝負が決まるよ。
8月はチームが生まれ変わる切り替え点
総体で3年生が引退すると、8月から2年生主体の新チームが始まります。
つまり年間計画は、「4月〜7月=今のチームの集大成」と「8月〜3月=新チームづくり」という2つの物語で作ると整理しやすくなります。
年間計画は「7月まで」と「8月から」の2部構成で考える。
新チームは10月の新人戦から逆算して土台を作り、冬にフォームと体力を鍛え直して春を迎える。この大きな流れは、どの地域でもほぼ共通です。
時期別の強化ポイント
ここからは、期ごとに「何を強化するか」を具体的に見ていきます。1年で一番大切な章です。
準備期(12〜2月):フォーム改造と体力の土台
試合がない冬は、フォームを作り直せる唯一の時期です。サーブ・スパイク・レシーブを撮影し、理想の形と見比べて1人1課題を決めます。
スパイクのフォーム改造なら、立ち姿勢のスイングから固め直し、2歩助走、着地の順で積み上げます。動かない状態で形を作ってから、下半身を足すのが最短ルートです。



フォームの修正は、試合期にやってはいけないんですか?



直しかけの時期が一番崩れるからね。試合のない冬が唯一のチャンスだよ。
体力面は、心拍がしっかり上がった状態(おおむね140前後)を保って動き続けるラントレーニングやダッシュのインターバルで土台を作ります。
心肺機能が低い選手は、試合後半にプレーの精度がガクッと落ちるからです。
ただし、走り込みのしすぎは禁物です。きついだけの冬は、選手の心を折ってしまいます。ゲーム性のあるメニューを混ぜて、楽しい時間も残しましょう。
なお、重いダンベルやバーベルを使う筋トレは、怪我防止や骨の成長への配慮から高校年代からで十分です。
強化期(9〜10月・3〜5月):課題を3つにしぼって修正する
大会が視野に入ってきたら、まずチームの現在地を数字で測ります。
- サーブ:10本中何本入るか(狙ったコースに行った本数も)
- サーブカット:セッターに返った割合と返球の質
- スパイク:トス10本中、相手コートに打ち切れた本数
数字にすると、どこが弱いかが感情論になりません。中学バレーの失点はサーブミスとサーブカットの乱れから生まれることが多いので、強化はこの2つから手を付けるのが基本です。



数字なら、経験のない私でも判断できます!



そのとおり。測って、課題を3つにしぼって、練習に変換する。この繰り返しだよ。
調整期(大会前2週間):新しいことをしない
大会前の2週間は、仕上げに徹します。鉄則はただ1つ、新しい技術やフォーム修正を持ち込まないことです。
直しかけのフォームは一番崩れやすく、試合で出せません。メニューはサーブからサーブカット、ラリーへつなぐ実戦形式が中心になります。
大会前は量を2〜3割減らして疲労を抜く。
前日は軽めに切り上げ、当日の集合からアップまでの段取りを紙で配っておくと、選手は安心して大会に入れます。
大会後:結果を「症状」で分解して次につなぐ
大会が終わったら、「負けた」で終わらせず症状で分解します。サーブで崩されたのか、つなぎで落としたのか、決定力で負けたのか。
分解した症状を次の期の練習テーマに変換できれば、負けた大会も強化の材料になります。



マケタ デハナク ドコデ マケタカ
振り返りはできたことから伝え、課題は3つにしぼって次へ。この習慣がチームの前向きさを保ちます。
年間計画を立てる5ステップ
考え方がそろったところで、実際に計画へ落とし込む手順です。ノート1冊とカレンダーがあれば作れます。
ポイントは、最初から完璧な計画を目指さないことです。計画は作った瞬間から現実とずれていくものなので、月初の見直しまでを1セットにします。
書き出してみると、定期テスト前後や行事の週など、思った以上に練習できない期間があると気づくはずです。その現実を先に見えるようにしておくことが、無理のない計画の第一歩になります。
期ごとのテーマは、紙に書いて選手にも言葉で伝える。
「今は土台を作る時期」と共有できているチームは、練習の意味づけが変わります。



これなら未経験の私でも作れそうです!



完璧じゃなくていいんだ。見直しながら育てる計画が、一番強いよ。
平日の練習時間が短くて計画どおり進まない場合は、1回の練習のテーマを1つにしぼる短時間練習の組み方と組み合わせると、限られた時間でも積み上げが生まれます。
部員が多いチームは、班分けで練習を回す工夫を計画に織り込んでおくとスムーズです。
年間計画のよくある失敗と直し方
最後に、年間計画づくりでつまずきやすい失敗を3つ紹介します。先に知っておけば避けられるものばかりです。
失敗1:大会前に新しい技術を入れてしまう
大会が近づくと不安になり、新しいサーブや攻撃パターンを足したくなります。しかし直前に入れた技術は、本番でほぼ機能しません。
調整期の合言葉は「準備したことを出すだけ」です。足りない部分は、次の期のテーマとしてメモしておきましょう。
失敗2:冬をきつさだけの走り込みにする
「冬は走り込み」という思い込みで、体力メニュー一色にするのは危険です。フォーム改造という冬にしかできない仕事が丸ごと抜け落ちます。
さらに、きつさだけの練習は選手のやる気と継続率を確実に下げます。体力づくりは計画的に、楽しさとセットで進めましょう。
失敗3:計画を作ったまま見直さない
春に立てた計画を1年間そのまま使うと、チームの成長や怪我人の状況とずれていきます。
計画は「作る」より「月初に見直す」ほうが大事。
月に1回、今月の大会・行事と期のテーマを確認し、選手に伝える。これだけで計画は生きた道具になります。



見直し前提なら、気楽に作り始められますね。



うん。まず1年分の大会をカレンダーに書き出すところから始めよう。
年間計画づくりについて、指導者の方からよくいただく質問にお答えします。
年間計画についてよくある質問
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まとめ:期分けで1年の練習に背骨を通そう
年間計画は、大会から逆算して1年を役割の違う期に分けることで、日々の練習に背骨を通す道具です。
| 時期 | やること | 合言葉 |
|---|---|---|
| 準備期(冬) | フォーム改造・体力の土台 | 冬を超えると春に別人になる |
| 強化期 | 測定→課題を3つに絞って修正 | 数字で判断する |
| 調整期(大会前2週間) | 実戦形式で仕上げ・疲労を抜く | 新しいことをしない |
| 大会期 | 準備したことを出す | 出し切れたかで振り返る |
大会から逆算して期で分け、期ごとに「やらないこと」まで決める。
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、強いチームほど「今は何の時期か」を選手まで共有できています。
まずは1年分の大会をカレンダーに書き出すことから、始めてみてください。



さっそく今週、大会日程を調べて書き出してみます!



その一歩が、1年後のチームを変えるよ。応援してる!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの指導・チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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