- レギュラー以外の部員のモチベーションが下がっている
- 副キャプテンやマネージャーに何を任せれば良いかわからない
- 係を決めても形だけになって、結局自分が全部やっている
こんな悩みを解決します。
チームづくりで大切なのは、全員に役割を渡して、1人ひとりをチームの主役にすることです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきた経験から、役割分担がうまいチームは、試合に出ない部員まで生き生きしていると感じています。役割はただの仕事の割り振りではなく、1人ひとりの居場所を作る仕組みです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 副キャプテン・マネージャー・係に任せる仕事の中身がわかる
- 押しつけにならない役割の決め方の手順がわかる
- 役割を形だけで終わらせない運用のコツがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:役割分担は全員を主役にする仕組み
先に結論からお伝えします。役割分担の目的は、指導者が楽をすることではありません。
全員に自分の仕事を渡して、チームへの当事者意識を育てることが本当の目的です。
- 部員1人ひとりに居場所と出番ができる
- チームのことを自分ごととして考えるようになる
- 指導者が指導そのものに集中できる
れおコーチベンチの子たちが、どこか他人事みたいな顔をしているんですよね…。



出番がないと当事者にはなれないんだ。だから、コート外の出番を作ってあげよう。
試合のコートに立てるのは6人だけです。でも、チームを動かす仕事はコートの外にたくさんあります。
その仕事を1人1役で渡していくと、レギュラーかどうかに関係なく、全員がチームの運営者になれます。
なぜ役割分担でチームが強くなるのか
役割分担は、遠回りに見えて、実はチーム力に直結します。理由は大きく2つあります。
理由①:自分の仕事があると部活が自分ごとになる
人は、自分の仕事を任されると、その場所への愛着と責任感が生まれます。
ボール係の子はボールの数と状態に、記録係の子はチームの調子に、自然と目が向くようになります。



役割ハ 居場所ヲ ツクル
居場所のない部員が練習から心が離れていくのが、チームにとって一番の損失。
バレーボールを嫌いになって離れてしまう前に、コートの外でも輝ける出番を渡すことが、指導者にできる大切な仕事です。
理由②:指導者が指導に集中できる
準備・記録・連絡をすべて指導者が抱えると、肝心の指導にかける時間と余裕がなくなります。
運営の仕事を部員に分けることで、指導者は選手を観察し、声をかけることに集中できます。
さらに、自分たちで運営した経験は、卒業後にどのチームへ進んでも生きる財産になります。
準備や記録を自然にできる子は、新しい環境でもすぐに信頼され、チームに欠かせない存在になっていきます。



マカセルコトモ 指導ノウチ
部活動の指導について国が示している指針でも、生徒が主体的に活動を運営していくことが求められています。役割分担は、その考え方をいちばん身近な形にしたものです。
出典:運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(スポーツ庁)



たしかに、準備に追われて練習が始まってからバタバタしています…。



任せるのは手抜きじゃないよ。子どもたちの成長の機会にもなる、一石二鳥の方法なんだ。
副キャプテンの決め方と任せる仕事
役割の中でも、まず整えたいのが副キャプテンです。キャプテンを支える2番手がいるだけで、チームの安定感は大きく変わります。
任せる仕事:キャプテンの補佐と別視点
副キャプテンの仕事は、大きく2つあります。
1つ目はキャプテンの補佐です。キャプテンが不在の日の号令や、練習準備の指揮を代わりに務めます。
2つ目は、キャプテンとは別の視点でチームを見ることです。
キャプテンに言いにくい悩みの受け皿になれるのが、副キャプテンの大きな価値。
まとめ役と相談役を2人で分担できると、部員の本音がチームの運営に届きやすくなります。
選び方:キャプテンと違うタイプを選ぶ
副キャプテンは、キャプテンと似たタイプをそろえるより、違うタイプを組み合わせる方がうまくいきます。



引っぱるキャプテンには、聞き役の副キャプテン。この組み合わせが定番だよ。
キャプテンが声で引っぱるタイプなら、副キャプテンは細かいところに気がつく子を。キャプテンが物静かなタイプなら、副キャプテンは声を出せる子を選びます。
2人の得意が違うほど、チームの死角が減っていきます。
人数の多いチームなら、副キャプテンを2人にして、学年やコートごとに担当を分ける方法もあります。
まとめ役が複数いると、キャプテン1人に負担が集中するのを防げるうえ、次の代のキャプテン候補を育てる場にもなります。



2番手ノ育成ハ 未来ノ投資
副キャプテンを選んだら、キャプテンと同じように、任せる仕事を具体的に伝えることも忘れないでください。
補佐という言葉だけで渡すと、何をして良いかわからず、ただの肩書きで終わってしまいます。
マネージャーと係活動の決め方
次に、マネージャーと係活動です。ここまで整うと、チームは全員参加の組織になります。
マネージャーに任せたい仕事
マネージャーには、チーム運営の中心となる仕事を任せます。
- 練習試合や大会のスコア・記録つけ
- 練習時間の管理とメニューの進行サポート
- 道具の管理と、保護者・チーム間の連絡サポート
スコアの記録は、チームの成長が数字で見える大切な仕事です。記録が好きな子、こつこつ型の子に向いています。
最初はサーブが入った本数を数えるだけ、といった簡単な記録から始めると、無理なく続けられます。
慣れてきたら、サーブレシーブの返球率など、項目を少しずつ増やしていきましょう。記録が増えるほど、チームの課題が数字で見えるようになります。



マネージャーは選手と兼任でも良いんでしょうか?



もちろん。人数の少ないチームなら、選手が交代で担当する形でも十分機能するよ。
係活動は1人1役で割り振る
係活動は、チームの人数に合わせて種類を作り、全員に1つずつ渡すのが基本です。
| 係の例 | 仕事の中身 |
|---|---|
| ボール係 | ボールの数の管理・空気圧のチェック |
| ネット係 | ネットの設営と高さの確認 |
| 記録係 | 練習試合のスコア・サーブ成功数など |
| 声出し係 | アップの号令・練習中の雰囲気づくり |
| 救急係 | 救急バッグの管理・体調不良の報告 |
| 連絡係 | 予定の伝達・忘れ物の呼びかけ |
係の名前や数は、チームの実情に合わせて自由に変えてかまいません。
表の中から自分のチームに必要なものを選び、足りない仕事があれば新しい係として付け足していくイメージです。
大事なのは、仕事のない部員を1人も作らないことです。
決め方は希望制とローテーションの組み合わせ
決め方は、まず希望をとり、重なったところは話し合いかローテーションにするのが円満です。
希望をとる前に、それぞれの係がなぜチームに必要なのかをひと言ずつ説明しておくと、どの係になっても納得感が生まれます。
定期的に入れ替えると、いろいろな仕事を経験でき、特定の子への固定化も防げます。



入れ替えのたびに、仕事の引き継ぎも経験できますね!



そう。前の担当が次の担当に教える流れができると、チームに教え合う文化が育つよ。
小学生のチームなら係は3〜4種類の簡単なものに、中学生以上なら記録や連絡など責任のある仕事も含めて、年代に合わせて調整してください。
役割を形だけで終わらせない運用のコツ
役割分担で一番多い悩みが、決めたのに動かないという状態です。原因のほとんどは、決め方ではなく運用にあります。
仕事ぶりを言葉にして褒める
役割が続かない一番の理由は、やっても誰も見ていないと感じることです。



ネットの高さ、今日もぴったりだったよ。この一言で係の仕事は続くんだ。
プレーと同じで、役割も最初は完ぺきにできなくて当然です。できているところを見つけて、先に褒めることから始めてください。



ミラレテイル実感ガ ヤル気ノ燃料
ミーティングで、今週助かった係の仕事を1つ紹介するだけでも、部員の意識は変わっていきます。
仕事の中身を定期的に見直す
係の仕事は、作りっぱなしにせず、区切りごとに見直します。
いらなくなった仕事は消し、新しく必要になった仕事は係として追加する。この手入れをするだけで、役割の形骸化はかなり防げます。
見直しのときは、部員に「やりにくいところはない?」と聞いてみてください。現場の声から、仕事の改善案が出てくることも多いです。
係ごとに簡単な引き継ぎメモを作っておくと、担当が入れ替わっても仕事の質が落ちません。
仕事の手順・置き場所・気をつけることを3行ほど書くだけで十分です。メモが残るチームは、代替わりしても運営が崩れにくくなります。
よくある失敗と直し方
役割分担でつまずきやすいパターンを3つ知っておきましょう。
- 役割が罰や雑用の押しつけになっている
- しっかり者の子に仕事が集中している
- 決めたあとのフォローがない
失敗①:雑用の押しつけになっている
下級生だけに片付けをさせる、ミスした子に球拾いをさせる、といった運用は、役割を罰に変えてしまいます。
役割は全員で分け合うもの、というメッセージを守るために、上級生やレギュラーにも同じように係を持たせてください。
失敗②:しっかり者に仕事が集中する
頼みやすい子に仕事が集まるのは、どのチームでも起きがちです。



つい、あの子に頼めば安心、と同じ子に頼ってしまいます…。



その安心は、その子の負担でできているかもしれないんだ。
1人1役の原則に立ち返り、仕事量が偏っていないかをときどき見直しましょう。
頼まれた仕事を断れない子は、限界まで抱え込んでから急に元気をなくすことがあります。仕事の量は、本人の申告だけでなく指導者の目でもチェックしてあげてください。
失敗③:決めたあとのフォローがない
係を決めた直後はみんな張り切りますが、フォローがないと1か月ほどで止まります。
うまく回っていない係があったら、責めるのではなく、仕事の中身が曖昧になっていないかを一緒に見直してください。
何を・いつ・どこまでやるかを決め直すだけで、たいていの係は動き出します。
フォローは手間に見えますが、軌道に乗るまでの1〜2か月だけです。そこを越えれば、係は自分たちの力で回り始めます。



止まった係を責めるより、仕事の説明書を作り直すほうが早いよ。
そしてフォローの言葉は、できていない部分の指摘より、できている部分の承認から入るほうが動きます。声のかけ方そのものについては、別の記事でくわしくまとめています。
指導者の方からよくいただく質問にも、あわせてお答えしておきます。
役割分担についてよくある質問
まとめ:1人1役が全員主役のチームを作る
役割分担は、仕事の割り振りではなく、全員に居場所と出番を渡す仕組みです。副キャプテン・マネージャー・係活動がかみ合うと、チームは指導者が動かさなくても回り始めます。
| 役割 | 決め方のポイント |
|---|---|
| 副キャプテン | キャプテンと違うタイプを組み合わせる |
| マネージャー | 記録好き・こつこつ型に。選手と兼任もOK |
| 係活動 | 1人1役・希望制+定期ローテーション |
仕事のない部員を1人も作らない。それが全員主役のチームづくりの出発点。
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、強いチームほど、コートの外の仕事が丁寧に分担されていました。



まずは係の一覧づくりから始めてみます!



うん、全員の名前が一覧に載ったとき、チームは1つ前に進むよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チームづくりや指導については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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