- 試合の日にいくら持たせればいいのか、毎回その場で迷っている
- 「足りなかった」と言われるたび、なんとなく追加で渡してしまう
- 部費や用具代とお小遣いの線引きが、家の中であいまいになっている
こんな悩みを解決します。
お小遣いで先に決めるのは金額ではありません。何を親が出して、何を本人のお金でまかなうのか。この線引きが先です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導するなかで、保護者の方から部活のお金の相談を受けることがよくあります。
金額そのものより、線引きが決まっていないことで揉めている家庭が多いと感じています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 部費・用具代とお小遣いの線引きの決め方が分かる
- 普段・試合の日・遠征で持たせ方を変える考え方が分かる
- お金の渡し方で失敗しやすい形と、その直し方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:金額より先に「どこまでが本人のお金か」を決める
最初にやることは、金額を決めることではありません。
部活にかかるお金を① 親が出すもの ② 本人のお小遣いから出すものの2つに仕分けることです。
ここが決まっていないと、毎回その場の交渉になります。試合のたびに「今日はいくら?」と聞かれ、なんとなく渡す形が続いてしまいます。
うさママいつも、そのとき次第で渡していました。



先に線を引いておくと、毎回の迷いが消えますよ。
仕分けの考え方はシンプルです。競技を続けるために必ずいるものは親、本人の選択で増減するものは本人、と分けます。
- 親が出す:部費・遠征の交通費・シューズやボールなどの用具・大会の参加費
- 本人が出す:試合の日の飲み物やおやつ・友だちとの買い食い・欲しくなったグッズ
- どちらか決めておく:試合の日の昼食・練習後の補食
3つ目がいちばん揉めます。体づくりに必要な補食は親が出す、というのも十分ありえる考え方です。どちらでもいいので、家庭の中で決めておいてください。
決めるときは、口約束で終わらせずに紙に書いてください。書いたものが残っていると、あとから「言った・言わない」にならずにすみます。
冷蔵庫に貼っておく程度で十分です。本人がいつでも確認できる場所にあることが大事になってきます。
年間でどれくらいの出費になるかを把握しておくと、線引きも決めやすくなります。
なぜ部活の子のお小遣いは決めにくいのか
一般的なお小遣いと違って、部活をしている子のお金は決めにくくなります。理由は3つあります。
出費の波が大きい
普通の月と、大会が続く月とでは必要な額がまったく違います。遠征が重なる月は、交通費だけで数千円が動くこともあります。
月に一定額を渡す形だけだと、この波を吸収できません。足りない月に追加で渡すことになり、決めた意味がなくなってしまいます。
しかも大会シーズンは年に何度か決まった時期に来ます。年間の予定が分かっている以上、波が来ること自体は先に織り込めます。



大会の月だけ、いつも足りなくなります。



波がある前提で、形を分けておけばいいんですよ。
親が使い道を見えにくい
体育館や遠征先での買い物は、親の目の届かないところで起こります。何にいくら使ったのかが分からないまま、金額だけが増えていくことになりがちです。



ミエナイオカネハ フエヤスイ
周りの家庭と比べてしまう
これは保護者の方からよく聞く悩みです。チームの誰かが多く持ってきていると聞くと、うちも足りていないのではと不安になります。
ただ、家庭ごとに移動距離も練習日数も違います。よその金額に合わせるのではなく、自分の家の出費から逆算して決めてください。
決め方の5つの順番
実際に決めるときの順番です。上から順に埋めていくと、迷いどころが減ります。
1つ目を飛ばさないでください。予定を書き出さずに金額から決めると、遠征の多い月に必ず破綻します。
2つ目では「実際に使う物」だけを挙げます。あったら便利な物まで入れると、金額がふくらんで続かなくなります。



書き出してみると、意外と項目は少ないですね。



少ないほうが、本人も管理しやすいんですよ。
そして5つ目が肝心です。最初に決めた額は、たいてい合っていません。1か月試して、多すぎたか少なすぎたかを見てから直してください。
一度で正解を出そうとしないほうが、結果的に早く落ち着きます。
場面別に見る|普段・試合の日・遠征
同じ「お小遣い」でも、場面によって性質が変わります。分けて考えると決めやすくなります。
| 場面 | 主に必要になる物 | 渡し方の考え方 |
|---|---|---|
| 普段の練習日 | 飲み物・練習後の補食 | 月額に含める。水筒持参で減らせる |
| 試合の日 | 昼食・飲み物の買い足し | その日だけ別に渡す |
| 遠征・合宿 | 移動中の食事・現地での買い物 | 事前に上限を決めて渡す |
普段の練習日は、月額で回す
普段の練習は出費の幅が小さいので、月に決めた額の中でやりくりできます。
いちばん効くのは水筒です。毎回自販機で買っていると、それだけで月に数千円が動きます。持参の習慣がつくだけで、お小遣いの負担がぐっと軽くなります。
試合の日は、その日だけ別に渡す
試合の日は、昼食を現地で買う場面が出てきます。ここを月額から出させると、月末に足りなくなる子が多くなります。
試合の日は別枠、と決めてしまうほうが本人も管理しやすくなります。渡すときに「昼食用」と用途を言い添えると、使い方も安定します。



何に使うか分かってると、悩まなくてすみます。



使い道が決まっているお金は、迷わないんですよ。
弁当を持たせられる日は、そもそも現金がいりません。試合の日の持ち物は次の記事にまとめました。
遠征と合宿は、上限を先に決める
いちばん金額が動くのが遠征です。移動中の食事、現地でのお土産、自由時間の買い物と、使いどころが一気に増えます。
ここは金額を渡すだけでなく、上限と使い道を先に決めてから渡してください。
「昼食で1回、飲み物で2回まで」のように場面で区切ると、本人も見通しが立ちます。余った分を返させるかどうかも、渡すときに決めておくと後で揉めません。



初日で使いきってしまったこと、あります。



だったら、日ごとに分けて渡せばいいんですよ。
合宿のように何日か続く場合は、初日に全部渡さないでください。後半で足りなくなる子が少なくありません。
封筒や小分けのポーチに1日分ずつ入れておくと、本人が管理しやすくなります。宿でまとめて預かってもらえるチームなら、その方法でも構いません。
交通費そのものを抑える方法は、別の記事で整理しています。
なお、部活の遠征や活動の頻度そのものは、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインで休養日の考え方が示されています。
年間の予定を見通す材料として、目を通しておくと計画が立てやすくなります。
失敗しやすい渡し方と、直し方
渡し方そのものでつまずくことがあります。よくある形を挙げます。
出かける直前に、その場で渡す
いちばん多い形です。玄関で「いくらいる?」と聞いて、言われた額を渡してしまう。
これだと本人が金額を決めることになり、上限の意味がなくなります。前日までに渡しておくと、本人も何にいくら使うかを考える時間が持てます。
足りなくなるたびに追加する
追加が当たり前になると、決めた額が意味を失います。
とはいえ、本当に足りない設計になっていることもあります。追加を求められたら、その場では最小限にとどめ、後で金額の見直しをしてください。



つい、その場で足してしまいます。



足すのは構いません。見直さないのが問題なんですよ。
使い道を後から責める
これも避けたいところです。使った後で問い詰めると、次からは黙って使うようになります。
見えないところで使う癖がつくと、金額の管理そのものが難しくなっていきます。
聞き方を変えるだけでも空気は変わります。「何に使ったの」ではなく「足りた?」と聞けば、責める形になりません。
話しやすい形にしておくほうが、結果として使い道が見えるようになります。
責めるのではなく、渡す前に決めることに時間を使ってください。
部費や用具代と混ぜる
集金の袋とお小遣いを一緒に渡すと、本人の中で境目がなくなります。
部費は親が管理して直接持たせる、お小遣いは別に渡す。この分け方だけで、線引きがはっきりします。
家計とお金の練習|長い目で見た整え方
ここまでは渡し方の話でしたが、家計の側からできることもあります。長い目で見たときに効いてくる部分です。
先に見直すのは、毎月かかる出費
お小遣いの額を削るより先に、家計側で減らせる部分があります。
いちばん効くのは、毎月必ずかかる出費の見直しです。交通費・食費・通信費のように、毎月動く金額に手を入れるほうが効果が続きます。
- 遠征の移動手段(車と電車の使い分け)
- 食費の買い方(まとめ買い・宅配の活用)
- 支払い方法(還元のある決済にそろえる)
支払いをまとめると、部活にいくらかかっているのかも見えるようになります。金額が見えると、お小遣いの妥当な額も判断しやすくなります。



ミエルカスルト キメラレル
支払い方法や食費の見直しについては、次の記事にまとめました。
削る一方ではなく、続けられる形にすることが大事です。子どもが競技を続けられる家計を作ることが、いちばんの目的だからです。
お小遣いを、お金の練習の場にする
もうひとつ、少し先を見た話をします。部活のお小遣いは、体育館という限られた場面で、自分でお金を配分する練習にもなります。
限られた額の中で、飲み物を買うか、補食にまわすかを決める。これは大人になってからの管理そのものです。
- 使ったら金額だけメモさせる(レシートを取っておくだけでも十分)
- 月末に残った分は本人のものにする
- 大きな買い物は、貯めてから買う経験をさせる
2つ目は効果が大きい工夫です。残せば自分のものになると分かると、使い方が一気に変わります。



残ったら好きな物を買えるなら、考えます。



その考える時間が、いちばんの練習ですよ。
失敗して足りなくなる経験も、この時期にしておくほうが安全です。金額が小さいうちに、使いすぎの感覚を覚えられます。
先を見据えて積み立てを考える場合は、こちらの記事も参考にしてください。
よくある質問
まとめ:先に線を引けば、毎回の迷いが消える
部活の子のお小遣いは、金額を決める前に線引きから始めてください。何を親が出して、何を本人のお金でまかなうのか。ここが決まれば、毎回の迷いはほとんど消えます。
決める順番は、予定を書き出す→必要な物を挙げる→親の分を固定する→残りを本人へ。
| 場面 | 渡し方 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 普段の練習日 | 月額に含める | 飲み物を持参にするかどうか |
| 試合の日 | その日だけ別に渡す | 昼食を買うか、弁当を持つか |
| 遠征・合宿 | 上限を決めて事前に渡す | 使い道の内訳と、余りの扱い |
| 部費・用具代 | 親が管理して直接支払う | お小遣いと混ぜない |
相談を受けてきた中でも、金額でもめている家庭より、線引きがないままで来た家庭のほうがずっと多いです。
一度決めてしまえば、あとは月ごとの微調整で回っていきます。



今晩、紙に書き出してみます。



それが、いちばん確実な一歩ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
家計・お金のことについては他にも記事を書いています。
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