ビーチバレーの暑さ・脱水対策|現場でできる基本

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ビーチバレーの暑さ・脱水対策を解説するアイキャッチ画像
  • 夏の砂浜での練習で、後半になると頭がぼーっとして力が入らない
  • 水分をとっているつもりでも、足がつったり気分が悪くなったりする
  • 暑い日の試合で、どう体調を守ればいいのか具体的に知りたい

こんな悩みを解決します。

ビーチバレーを夏に安全に楽しむカギは、のどが渇く前から、暑さと脱水にこまめに備えておくことにあります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

砂浜は照り返しが強く、インドアの体育館とは比べものにならないほど体に熱がこもります。この環境で無理をすると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、体調を崩す危険もあります。

正しい備え方を知っておくと、暑い日でも安心して、自分の力を出しきれるようになります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 砂浜で体温が上がりやすい理由と、暑さのリスクがわかる
  • プレーの前・中・後でできる水分・体温管理の基本がわかる
  • 体調の危険サインと、早めに休む判断の目安がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

なお、この記事は現場でできる基本的な対策をまとめたものです。持病がある方や体調に不安がある方は、無理をせず、事前に医師に相談してください。

体調が悪くなったときは、がまんせず医療機関や大会の救護に相談することが最優先です。

ビーチバレーそのものの基本から知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

目次

結論:暑さ対策は「渇く前・上がる前」に動く

先に結論からお伝えします。暑さと脱水への対策は、のどが渇いてから、体が熱くなってから動くのでは遅いという点に尽きます。

のどの渇きを感じたときには、体はすでに水分が足りない状態に傾いています。だから、渇く前からこまめに水分をとり、体温が上がりきる前に日陰で休むことが基本になります。

暑さ対策の3つの基本
  • のどが渇く前から、こまめに水分をとる
  • 休憩ごとに日陰へ入り、体を冷やす
  • 体調の異変を感じたら、迷わず休む
サルくん

のどが渇いてから飲むんじゃ、遅いの?

あげば

そうなんだ。渇いたと感じた時点で、もう水分が足りなくなり始めている。だから「渇く前」がキーワードなんだよ。

まずは下の表で、プレーの前・中・後にやるべきことを整理しておきましょう。

タイミングやることねらい
プレー前あらかじめ水分をとる脱水のスタートを防ぐ
プレー中こまめに給水・日陰で休む体温の上がりすぎを防ぐ
プレー後水分と塩分を補い体を冷やす疲労と熱を残さない

この流れを頭に入れておくだけで、暑い日の過ごし方が大きく変わります。次の章から、それぞれを掘り下げていきます。

なぜ砂浜は体温が上がりやすいのか

ビーチバレーの環境は、暑さの面でとても過酷です。砂浜には日差しをさえぎる屋根も壁もなく、太陽の熱を直接受けます。

砂浜は「上から」「下から」熱を受ける、二重の暑さ環境。

バボット

スナハマ ハ アツサ ガ コモル

さらに、砂は太陽の熱を吸って高温になり、その照り返しで下からも体をあぶります。上からは直射日光、下からは砂の照り返し。この二重の熱が、体温を一気に押し上げます。

あげば

体育館なら日陰があるけど、砂浜はどこにいても暑い。この違いを甘く見ないことが大事なんだ。

加えて、砂の上での動きは、平らな床よりも多くの力を使います。同じ時間動いても体育館より負担が大きく、その分だけ熱も汗も多く出るためです。

汗をたくさんかけば、体の水分と塩分がどんどん失われていきます。

こうした条件が重なると、脱水や熱中症のリスクが高まります。だからビーチでは、インドア以上に意識して暑さ対策をする必要があるんです。

特に真夏の日中は、体調管理そのものが競技の一部。そう考えておくくらいでちょうどいいでしょう。

私は選手に、その日の暑さ指数(WBGT)を練習前にみんなで確認するよう伝えています。

環境省の熱中症予防情報サイトでは地域ごとの暑さ指数が公開されています。練習の強度や休憩の取り方を決める材料になります。

サルくん

砂の上って、走るだけでこんなに疲れるんだね。

あげば

そうなんだ。一歩ごとに足が砂に沈むから、平らな床の何倍も力を使う。その分、体温も汗も多く出るんだよ。

もう一つ知っておきたいのが、湿度の影響です。気温が同じでも、湿度が高いと汗が乾きにくくなります。

汗は蒸発するときに体の熱を奪ってくれるので、乾かなければ体温も下がりにくくなるからです。海辺は湿度が高くなりやすく、気温以上に暑く感じることがあります。

「今日はそれほど暑くない」と感じた日ほど、油断は禁物。気温だけで判断しないようにしましょう。

プレー前・中・後の水分と体温の管理

暑さ対策は、プレーの前・中・後で、やるべきことが変わります。順番に見ていきましょう。

場面別のポイント
  • 前:練習が始まる前から水分をとっておく
  • 中:休憩ごとにこまめに飲み、日陰で体を冷やす
  • 後:失った水分と塩分を補い、体をクールダウンする

まずプレー前です。運動を始めてから飲み始めるのでは間に合いません。練習や試合の前から、あらかじめ水分をとっておきたいところです。

前日からしっかり水分をとり、当日も朝から意識して飲んでおきましょう。

サルくん

始まる前から準備しておくんだね!

あげば

そう。スタートの時点で水分が足りていると、後半のバテ方がぜんぜん違うよ。

次にプレー中です。汗で失われる水分と塩分を、こまめに補います。一気にたくさん飲むより、少しずつ何度も飲むほうが体に吸収されやすいためです。

休憩のたびに日陰に入り、首の後ろやわきの下など、太い血管が通る場所を冷やすのも効果的。体温を下げやすくなります。

汗を大量にかく場面では、水だけでなく塩分やミネラルの補給も意識しましょう。スポーツドリンクや経口補水液、塩分を含むタブレットなどを使うと、水分と塩分を一緒に補えます。

最後にプレー後です。運動でほてった体を冷やし、失った水分と塩分をしっかり補います。ここで手を抜くと、疲れや熱が翌日まで残りやすくなるからです。

日陰で体を落ち着かせ、ゆっくり水分をとりながらクールダウンしましょう。

サルくん

終わったあとのケアも、次の日のためには大事なんだね。

あげば

そう。ここで体をしっかり冷やしておくと、疲れの残り方がぜんぜん違うよ。連日の大会では特に効いてくるんだ。

連日で試合が続く大会では、この前・中・後のサイクルを毎日きちんと回すことが、最後まで戦い抜く体を作ります。

1日だけ無理をしても翌日に響いてしまいます。暑い時期ほど、日々のケアを丁寧に積み重ねていきましょう。

服装・道具でできる暑さ対策

水分管理と合わせて、服装や道具でも暑さをやわらげられます。ちょっとした工夫が、体への負担を軽くしてくれます。

直射日光をさえぎる帽子・サングラス・日焼け止めは、暑さ対策の基本装備。

あげば

暑さ対策は飲むだけじゃない。日差しそのものを減らす工夫も、体を守ることにつながるんだ。

まず、つばのある帽子です。頭部への直射日光をさえぎり、体温の上がりすぎを抑えるのに役立ちます。

サングラスはまぶしさを防ぎ、目からの疲労を減らしてくれます。日焼け止めも、肌のダメージだけでなく、日焼けによる体力の消耗を抑えることにつながります。

STEP
つばのある帽子で頭部を守る
STEP
サングラスでまぶしさと目の疲れを防ぐ
STEP
日焼け止めをこまめに塗り直す

ウェアは、汗を素早く乾かす吸汗速乾タイプが向いています。汗が肌に残ると不快なだけでなく、体温調整の妨げにもなるからです。

色にも少しだけ気を配ると効果的です。黒っぽい濃い色は太陽の熱を吸収しやすく、白や淡い色は熱を反射しやすい傾向があります。

真夏の炎天下なら、明るめの色を選ぶだけでも、体に伝わる熱をわずかにおさえられます。小さな工夫の積み重ねが、長時間のプレーでは効いてくるんです。

サルくん

ウェアの色まで気にしたことなかったです。

あげば

ほんの少しの差だけど、炎天下で何時間も動くならバカにできないよ。

冷却グッズも活用しましょう。首に巻く冷感タオルや、休憩中に体を冷やす保冷剤入りのアイテムなど、手軽に体温を下げられる道具がたくさんあります。

使い心地には個人差があるので、実際に試して自分に合うものを選ぶのがおすすめです。

冷やす場所にもコツがあります。首の後ろ、わきの下、足の付け根には太い血管が通っていて、ここを冷やすと血液が効率よく冷えるためです。

やみくもに体を冷やすより、こうしたポイントを狙うほうが効果的。休憩のたびに、冷たいタオルや保冷剤をこれらの場所へ当てる習慣をつけておきましょう。

道具の全体像は、こちらの記事でまとめています。

見落としやすい「砂の熱さ」から足の裏を守る

暑さ対策というと水分や日差しに目が向きがちですが、ビーチでもう一つ気をつけたいのが足の裏です。

真夏の砂は素足で立っていられないほど熱くなり、足の裏の火傷や水膨れの原因になります

私自身、現役でビーチに取り組みはじめた頃は、足の裏に水膨れが何度もできてしまい、歩くのも大変になった時期がありました。

プレー中は夢中で気づきにくく、練習が終わってから痛みに気づくことも少なくありません。

サルくん

水分ばかり気にしてたけど、足の裏はノーマークでした…。

あげば

そこがビーチ特有なんだ。砂は思った以上に熱くなる。足を痛めると、次の日の練習そのものができなくなるからね。

足の裏を守る3つの手立て
  • サンドソックスを用意して、熱い砂から足の裏を守る
  • 用意できない日は、通常のソックスである程度代用する
  • 休憩のたびに日陰や濡れた砂の上へ移動し、足を休ませる

私がすすめているのは、ビーチ用のサンドソックスを用意しておくことです。素足の感覚に近いまま、熱い砂から足の裏を守れます。

すぐに用意できないときは、ふだんのソックスでもある程度は代用できます。

ただし一つだけ注意点があります。砂浜で使ったソックスは砂まみれになり、そのまま洗濯機で洗うと故障の原因になることがあるためです。

代用したソックスは、洗って使い回そうとせず、そのまま処分してしまうのがおすすめです。

バボット

スナ ハ センタクキ ノ テキ

危険サインと休む判断の目安

どんなに対策をしても、体調が悪くなる可能性はゼロにはできません。大切なのは、危険なサインに早く気づき、無理せず休むことです。

注意したい体の危険サイン
  • 頭痛・めまい・吐き気を感じる
  • 手足がつる、力が入らない
  • 汗が急に止まる、体が熱いのに汗が出ない
サルくん

どうなったら休んだほうがいいの?

あげば

頭が痛い、めまいがする、気持ち悪い。こういうサインが出たら、すぐにプレーをやめて日陰で休んでほしい。がまんは禁物だよ。

頭痛やめまい、吐き気は、体が暑さに耐えられなくなっているサインのことがあります。手足がつる、力が入らないといった症状も見逃せません。

特に、体は熱いのに汗が出なくなるのは危険な状態の可能性があります。すぐにプレーをやめ、体を冷やしてください。

こうしたサインを感じたら、がまんせず、すぐにプレーを中断して日陰で休むことが何より大切です。水分をとり、首やわきの下を冷やして、体温を下げましょう。

症状が改善しない、あるいは意識がはっきりしないといった場合は、ためらわず医療機関や大会の救護に連絡してください。

周りの仲間の様子にも気を配り、異変に気づいたら声をかけ合う。それがみんなの安全につながります。

暑さ対策は、勝ち負けよりも優先されるべきことです。体を守れてはじめて、次の試合も練習も続けられます。無理をしない勇気を、いつも持っておきましょう。

あげば

「まだいける」と思ったときこそ、いったん休む。その一歩が、自分と仲間の安全を守るんだよ。

指導者やチームで練習する場合は、あらかじめ休憩の時間を決めておくのも有効です。「30分に一度は必ず給水する」といったルールがあれば、夢中になっていても飲み忘れを防げます。

特に暑さに慣れていない時期は、体が順応するまで時間がかかります。序盤は運動量をおさえ、こまめな休憩を多めにとりましょう。

サルくん

チームで「30分に1回」って決めちゃえば、忘れないですね!

あげば

そう。個人の気合いに任せないで、仕組みにしておくのがいちばん確実だよ。

また、体調は日によって変わります。睡眠不足や食事を抜いた状態では、いつもより脱水になりやすくなります。

その日の自分のコンディションを正直に見て、調子が悪いと感じたら思い切って休む。その判断も立派な実力のうちです。

最後に、海辺ならではの注意をひとつ。砂浜での食事はおすすめしません。上空をトンビが飛んでいて、おにぎりやパンを上から奪いに襲ってくることがよくあるからです。

休憩や補食は、屋根のある休憩所や車の中など、上が守られた場所でとるようにしましょう。

よくある質問

水分は何を飲むのがいいですか?

汗を大量にかく場面では、水だけより塩分やミネラルを含むスポーツドリンクや経口補水液が向いています。状況や体質に合わせて選び、心配な場合は専門家に相談してください。

どのくらいの間隔で水分をとればいいですか?

のどが渇く前に、こまめに少しずつが基本です。休憩のたびに飲む習慣をつけると、飲み忘れを防げます。量や間隔は気温や運動量で変わります。

曇りの日でも暑さ対策は必要ですか?

必要です。曇りでも気温や湿度が高ければ熱はこもります。日差しが弱くても油断せず、こまめな水分補給と休憩を続けてください。

砂が熱くて足の裏が痛いときはどうすればいいですか?

サンドソックスを用意すると、熱い砂から足の裏を守れます。用意できない日は通常のソックスである程度代用できますが、砂まみれになるので使ったあとは処分するのがおすすめです。
痛みや水膨れがある場合は無理をせず、医療機関に相談してください。

まとめ:暑さに備えて、安全にビーチを楽しもう

ビーチの暑さ対策は、「渇く前・上がる前」に動くことが基本です。

プレーの前から水分をとり、途中は日陰でこまめに休み、終わったら体を冷やして水分と塩分を補う。この流れを守るだけで、体への負担は大きく変わります。

そして、足の裏を守ることも忘れずに。熱い砂から足を守れれば、翌日の練習も気持ちよく始められます。

場面やることポイント
事前に水分をとる渇く前に始める
こまめに給水・日陰で冷却少しずつ何度も
水分・塩分を補い冷やす疲れと熱を残さない

暑さ対策は勝敗より優先。体を守れてこそ、プレーは続けられる。

暑さの中で無理をして、本来の力を出しきれないまま終わってしまう選手を、私は何人も見てきました。暑さへの備えは地味に見えて、実はパフォーマンスを支える大切な土台なんです。

体調に少しでも不安があれば、無理をせず、専門家に相談しながら安全にプレーを楽しんでください。

サルくん

よし、次の夏の練習は、渇く前からこまめに水分をとるぞ!

あげば

その意識が大事だよ。体を守れば、暑い日でも安心してプレーできるからね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ビーチバレーについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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