- 速いサーブやスパイクが、顔や体に来るのが怖い
- 怖くて目をつぶってしまい、ボールから逃げてしまう
- 周りはどんどん取れるのに、自分だけ怖がっている気がする
どれかに当てはまったあなたは、今こう感じているかもしれません。「自分はバレーに向いていないのかも」と。でも、安心してください。
この記事を読み終えるころには、「怖さは消せるんだ」と思えるはずです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を見てきて、断言できることがあります。
レシーブが怖いのは、心が弱いからではありません。「準備」と「順番」が整っていないだけです。怖さは気合ではなく、技術と段階で小さくしていけます。
- 「怖い」という気持ちの正体が、原因別にわかる
- 恐怖を消す、構え・目線・段階の3ステップが身につく
- 怖がりさんでも安心して取り組める練習がわかる
まず結論|「怖い」の正体は3つ

「怖い」は、ばくぜんとした気持ちのように思えますよね。でも実は、次の3つの正体に分けられます。
- 痛い記憶|腕や顔に当たって痛かった経験が残っている
- 見えない不安|速い球がどこに来るか読めず、準備できない
- 間に合わない焦り|構えが整わず、ボールに振り回される
サルくんぼく、速いボールが来ると、つい目をつぶって逃げちゃうんだ…。



それは体を守ろうとする自然な反応だよ。でも、この3つを順番につぶせば、怖さはちゃんと小さくなるんだ。
ここで「3つもあるの?」と身構えなくて大丈夫です。この3つは、それぞれ「痛くない当て方」「目線」「構え」という、はっきりした対処法とセットになっています。
大事なのは、怖さを我慢や根性で押さえつけないこと。恐怖は心の弱さではなく、準備不足のサインなのです。原因を切り分けて、ひとつずつ取りのぞいていきましょう。
なぜボールが怖い?恐怖は技術不足のサイン


そもそも、なぜボールが怖いのでしょうか。
人は、「次に何が起きるか分からないもの」を強く怖がります。「どこに来るか読めない」と「当たると痛いかも」、この2つが恐怖の正体です。



逆に言えば、「来る場所が読める」「当たっても痛くない」とわかれば、怖さは自然に消えていくんだ。
「でも、上手な先輩は最初から怖がってないし、やっぱり才能では?」そう思うかもしれませんね。
けれど、上手な選手が怖がらないのは、メンタルが強いからではありません。正しい構えで間に合い、目線でボールを読み、痛くない当て方を知っている。
だから「怖がる理由がない」だけなのです。



怖くないんじゃなくて、怖がらなくていい準備ができてるんだね。
つまり、恐怖をなくす近道は「メンタルを鍛える」ことではありません。「準備の技術」を覚えることです。気持ちは、後から自然についてきます。
そして、ここがいちばん伝えたいところです。怖さを「自分の性格の問題」ではなく「まだ準備を習っていないだけ」ととらえ直すと、気持ちがぐっと楽になります。
「自分は弱い」ではなく「やり方を知れば変われる」。そう考えれば、やるべきことがはっきり見えてきます。



怖いのは性格のせいだと思ってた…。



ちがうよ。準備を覚えれば、誰でも怖くなくなる。今日から一緒にやっていこう。
恐怖を消す3つの段階(ステップ)


ここからは、怖さを消す手順を3段階で説明します。順番がとても大切なので、上から取り組んでください。「どれからやればいいの?」と迷う必要はありません。
ステップ1|「間に合う構え」で余裕を作る
怖さの多くは、「間に合わない焦り」から来ています。まずは、いつでも動ける構えを作りましょう。
足幅は肩幅より少し広めに、つま先はやや外へ向けます。股関節を曲げて腰を落とし、体重を母指球(足の親指の付け根)に乗せます。
そして、肘は後ろに引かず、軽く前に置いて「面」を作って待ちます。
「肘を前に?」と意外に感じたかもしれません。肘が後ろにあると、ボールに合わせて面を作るまで肘を大きく前へ動かすことになり、間に合いません。
先に面を作って待っておくと、あわてて手を出す動きが消えて、怖さがぐっと減ります。



構えで余裕が生まれると、心にも余裕ができる。まずは「いつでも動ける姿勢」からだよ。
肩や顔の力は、軽く抜いておきましょう。力が入りすぎると動きが固まり、かえって反応が遅れます。「リラックスして待つ」が、実は怖さを減らすコツなんです。
ステップ2|目線を固定してボールを最後まで見る
構えができても、「やっぱり速い球は目をつぶっちゃう」という人は多いはずです。でも、目を閉じた瞬間、ボールは見えなくなり、かえって怖くなります。



たしかに、怖くて目を閉じると、どこに来たか全然わからなくなる…!



そう。だから「最後まで見る」だけで、怖さは半分くらいに減るんだ。
コツは、低い姿勢のまま、目の高さを一定に保ってボールを追うこと。頭が上下に大きく動くと、ボールがブレて見えてしまいます。
「当たる瞬間まで見る」と決めるだけで、体は自然と正面に入ろうとします。
見えているものより、見えないもののほうが怖い。これは誰でも同じです。最後まで見れば、ボールは「ここに来るとわかるもの」に変わります。
そして「わかる」は、そのまま「こわくない」につながっていきます。
ステップ3|軽い球から「怖くない成功体験」を積む
最後は、体に「大丈夫」を覚えさせる段階です。ここで多くの人がやりがちな失敗があります。それは、怖さを消そうとして、いきなり強い球に挑むことです。
いきなり強い球を受けるのは、おすすめしません。怖い→失敗→もっと怖い、という悪循環に入ってしまうからです。
正しい順番は、次のとおりです。
- ①下からの優しいトス
- ②ワンバウンドのゆるい球
- ③山なりの直接トス
- ④少しずつ速い球へ
各段階で「痛くなかった」「取れた」を積み重ねると、体が安心を学んでいきます。「こんなにゆっくりで意味あるの?」
と思うかもしれませんが、この遠回りこそが最短ルートです。「1回できた」が「自分にもできる」に変わり、恐怖を少しずつ上書きしていきます。



怖くない球を100回取れた子は、自然と速い球にも向かっていける。成功の積み重ねが、いちばんの恐怖克服法だよ。
顔に来るボールが怖い人へ|目線と入り方


「特に、顔の近くに来るボールが怖い」。そう感じている人は、本当にたくさんいます。これにははっきりした対処法があるので、安心してください。
顔に来るボールが怖いのは、多くの場合ボールの正面ではなく、横から手を伸ばして取ろうとしているからです。
横着して手だけ出すと、ボールが顔のすぐ近くを通り抜けてしまいます。
対策は、足を使ってボールの真下・正面に入ること。正面に入れば、ボールは顔ではなく、構えた腕の面にすっと収まります。



動くのが間に合わなくて、つい手だけ出しちゃうんだよね。



だから、相手が打つ瞬間に小さく構え直す「準備のクセ」が大事。一歩目が早くなると、顔で取ることは減るよ。
ここで「打たれてから動けばいいんじゃ?」と思うかもしれません。でも、打たれてから動くと一歩目が遅れて間に合いません。
相手のスイングをよく見て、打つ直前に体を軽く沈めておく。この「打たれる前の準備」で、顔に来る怖さの大半は消せます。



打たれる前に準備しておけば、こんなに変わるんだ!
慣れるまでは、顔の前に手を準備しておくだけでも安心感がちがいます。「守れる」という感覚があると、自然とボールへ向かっていけるようになります。
なお、どうしても下に入る時間がなく、速い球が頭の近くを通るときは、手を上げてオーバーで対応する場面もあります。
ただし中学生のうちは指の力が弱いので、基本は素早く動いて、正面からアンダーで取るのが安全です。
やってはいけない恐怖の克服法(逆効果)


ここまで読んで、「早く怖さを消したい」と焦っているかもしれません。でも、良かれと思ってやっていることが、実は恐怖を強めている場合があります。
- いきなり強いサーブやスパイクを受け続ける
- 怖いのを我慢して、目を閉じたまま取りにいく
- 「気合が足りない」と精神論だけで片付ける
- 痛い当て方のまま、根性で受け続ける
- 体が硬いまま、棒立ちでボールを待つ
特に多いのが、痛い当て方のまま我慢を続けるケースです。



痛い記憶が増えると、恐怖はどんどん大きくなる。まずは「当たっても痛くない」を体に教えてあげよう。
痛みを減らすコツはシンプルです。ボールは、手首の近くの硬い骨ではなく、前腕の中央のやわらかい部分で受けること。そして、腕を組む力は「軽く触れるだけ」で十分です。
強く握りしめるほど、当たったときに痛くなります。
「当たっても痛くない」とわかると、「当たっても大丈夫」という安心が生まれます。その安心が、恐怖の土台をくずしてくれます。
当てる場所や手の組み方は、こちらの記事が参考になります。
怖さを和らげる練習メニュー


ここまでの内容を、家でも体育館でもできる練習に落とし込みます。怖がりさんが安心して取り組める順番に並べました。
- ①対面キャッチ|ゆるい球を手で受け止め、軌道を目で追う
- ②ワンバウンドパス|床で弾ませた球を、正面に入って面で返す
- ③直接トスパス|山なりの球を、構え→正面→面の順で返す
- ④少しずつ速度アップ|痛くない・怖くない範囲で速くする
「①は簡単すぎる」と感じるかもしれませんが、まずは手で受け止めるだけでまったく問題ありません。



いきなり腕で受けなくていいんだ。まずは目で追うところからやってみる!



それでいい。ボールの軌道に目が慣れるだけで、怖さは大きく減るからね。
練習のゴールは「速い球を受けること」ではなく「怖くない成功を積むこと」です。成功の数が、そのまま自信と落ち着きに変わっていきます。
各段階を「怖くない・痛くない」と感じるまで、十分にくり返しましょう。
うまくいかない日があっても、自分を責めないでください。怖さには波があり、行ったり来たりしながら小さくなっていくものです。
昨日より一歩でも前に出られたら、それは立派な成長です。



あせらなくていいんだね。少しずつでも前に進むよ!
ペアがいないときは、壁にゆるくパスを続けるだけでも、ボールに目が慣れます。自分のフォームをスマホで撮り、上手な選手と見比べるのもおすすめです。
よくある質問(FAQ)


まとめ|怖さは「準備」で小さくできる


レシーブの恐怖の正体と、その消し方を振り返ります。
- 「怖い」の正体は「痛い記憶・見えない不安・間に合わない焦り」
- 恐怖は心の弱さではなく、準備不足のサイン
- 間に合う構え→目線を固定→軽い球から段階的に、で消していく
- 顔が怖い人は、正面に入れば腕の面で取れる
- いきなり強い球はNG。怖くない成功体験を積み重ねる



怖さは根性じゃなく、準備で小さくできる。一歩ずつでいいから、怖くない球を取れた成功を積み重ねていこう。



まずは目で追うところから。少しずつ慣れていくよ!
怖さが小さくなると、ボールに自分から向かっていけるようになります。そうなると、レシーブは一気に楽しくなります。
「ボールが来るのが怖い」から「ボールが来るのが楽しみ」へ。その変化は、準備の技術を覚えた人なら、誰にでも訪れます。
あせらず、自分のペースで進めていきましょう。一歩ずつ進めば、その日はきっとやってきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
レシーブについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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