
- どっしり構えているのに、いざという時に1歩目が出ない
- 構え方の正解が分からず、毎回バラバラの姿勢になっている
- ボールが横や前に来ると反応が遅れて間に合わない
こんな悩みを解決します。
あげばレシーブの良し悪しは、ボールが来てから決まるのではなく、来る前の「構え」で9割が決まります。
僕は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
千葉県松戸市で10年以上、レシーブが伸び悩む選手を見続けてきました。多くの選手を見てきて感じるのは、運動能力そのものよりも、構え方を直すだけで届くボールがぐっと増えていく選手が多いということです。今日の記事を読んで、まずは構えから整えていきましょう。
- レシーブの構え(パワーポジション)の正しい作り方が分かる
- レシーブの構えで意識すべき足・重心・手の3つのポイントが明確になる
- サーブレシーブや強打など、場面別にレシーブの構えを切り替える判断軸が手に入る
それでは、レシーブの構えを掘り下げて見ていきましょう。
結論:レシーブの構えは「パワーポジション」と「前重心」で決まる


先に結論からお伝えします。レシーブで素早く動ける構えとは、パワーポジションを取りつつ、母指球(つま先寄り)に重心を置いて「前重心」を作ることです。
具体的な4つの要素は以下の通り。
- 足幅:肩幅より10〜30cm広げる
- 膝:120度くらいに軽く曲げる
- 重心:母指球(つま先側)に乗せる(かかとは無理に浮かせなくてOK)
- 手:おへそと胸の間の高さに置く



パワーポジション + 前重心。コノ2ツガ素早イ動キ出シヲ作リマス。
「どっしり構える」とよく言われますが、実は「どっしりすぎる」と動けません。動ける構えとは、軽く跳び出せる準備が完了している状態。ここから1つずつ理由と作り方を解説していきます。



「どっしり」だけじゃダメだったんですね…
なぜレシーブは構えで動き出しが変わるのか


そもそも、なぜ構えを直すだけで動きが変わるのでしょうか。
構えが悪いと、必ず1歩目が遅れる
人間が床を蹴って動き出すには、足の裏に体重が乗っていることが絶対条件です。かかと重心で構えていると、動き出す前にまず「重心を前に移す」というステップが必要になり、その分だけ反応が遅れます。
逆にあらかじめ前重心になっていれば、相手のボールが出た瞬間に床を蹴って飛び出せます。指導現場で「ボールに反応できない」と悩んでいる選手の8割は、この前重心ができていません。



動き出しの遅さは反射神経の問題ではなく、構えの問題であることがほとんどです。
良い構えは「3つの方向」に同時に対応できる
バレーボールのレシーブは、前・横・後ろの3方向にボールが飛んできます。良い構えは、この3方向すべてに同じ速度で動き出せる状態のこと。
ところが、構えが偏っていると(例えば前傾しすぎ・かかと重心)、得意な方向と苦手な方向が出てきてしまいます。



テニス・卓球・バスケなど、すべての球技で同じ構えが使われるのには理由があります。あらゆる方向への動き出しに最適なんですね。
パワーポジションの作り方:4つの要素を分解


ここからは正しい構えの4要素を、ひとつずつ細かく見ていきます。
要素1:足幅は「肩幅より10〜30cm広く」
足幅(スタンス)が狭すぎると、横方向に踏み出した時にバランスを崩します。逆に広すぎると、今度は縦の動きが鈍くなります。
正解は、肩幅より10〜30cm広げるくらい。具体的には、両足のかかとを結んだ線が肩幅より10〜30cm広いイメージです。
- 左右の足はほぼ横並びにし、前後にずらしすぎない
- 足の幅は肩幅より10〜30cm広げる
- つま先はやや外向き(15度くらい)に開く



足幅ハ動キ出シ速度ニ直結シマス。狭イモ広イモNGデス。
要素2:膝は「120度」をおおよその目安に
膝の曲げ具合は、人によって動きやすい角度が違います。とはいえ目安があると分かりやすいので、ここでは120度を基準にします。
膝が伸びすぎている(170度くらい)と、動き出しに時間がかかります。逆に深く曲げすぎる(90度以下)と、今度はそこから上に伸び上がる力が出にくくなります。



椅子から立ち上がろうとする瞬間の膝の角度をイメージしてみてください。あの「あと1歩で立てる」体勢が、ちょうど120度くらいです。
要素3:重心は「母指球」に乗せる
ここがいちばん重要なポイント。体重を足の親指の付け根(母指球)にしっかり乗せます。
かかとは無理に浮かせる必要はなく、浮かせると不自然になる人は床につけたままでOK。床に立った状態で母指球に体重が乗っていれば、どちらでも問題ありません。
このとき、つま先・膝・肩のラインが縦に一直線になるように体をやや前傾させます。これが「前重心」の正体です。



かかとは浮かせないとダメですか?



無理に浮かせなくて大丈夫。大事なのは母指球に体重が乗っていることだよ。浮かせると不自然な人は、床につけたまま前重心を作ればOK。
要素4:手は「おへそと胸の間」に置く
意外と忘れがちなのが、手の位置です。膝の上に置いてしまう選手が多いですが、これだと反応した時に手を持ち上げる動作が1つ余分に入ります。
正解は、おへそと胸の間あたりで両手を軽く構えておくこと。
この位置ならアンダーにもオーバーにも移りやすく、上下どちらのボールにもすぐ対応できます。これが基本ですが、シチュエーションやポジショニングによっては位置が変わることもあります。



うちの子、いつも膝に手を置いてました。今日教えてあげよう…



お母さんからの一言で変わる選手、たくさんいます。ぜひ伝えてあげてください。
スプリットステップ:動き出しを加速させる秘密兵器


正しい構えが作れたら、もう一段階レベルを上げる動作があります。それが「スプリットステップ」です。
スプリットステップとは
相手がボールを打つ直前に、その場で軽くジャンプして両足を着地させる動作のこと。テニスの選手がサーブを受ける時に必ずやっている動きと同じです。
なぜこれが効くのか。床に着地した瞬間、足の裏に体重が一気にかかって床からの反発力をもらえるからです。この反発力を利用することで、何もしない時より1歩目が圧倒的に速くなります。



バイオメカニクスの観点では、ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)と呼ばれる現象を使っています。バネが縮んで伸びるイメージですね。
ジャンプの高さは「ほぼ浮かない」くらいでOK
スプリットステップというと、高く跳ぶイメージを持つかもしれませんが、これは間違いです。高く跳ぶと、相手がボールを打ったタイミングに着地が合わせられません。
正解は床から数センチ浮くか浮かないかという小さな動きで、しかし両足の裏でしっかり床を踏むこと。



「相手が打つ瞬間に着地」これだけ覚えておけば、最高のスタートが切れます。
場面別:構えを微調整する3つのパターン


基本のパワーポジションが作れたら、場面ごとに少しずつ構えを変えていきます。すべての場面で同じ構えだと、対応しにくいボールが出てきてしまうからです。
パターン1:サーブレシーブ(レセプション)
サーブを受ける時は、比較的時間に余裕があるので、しっかりとパワーポジションを作っておくのが正解。手はおへそと胸の間あたりで構え、相手がトスを上げてから打つまでの間にゆっくりとスプリットステップに入ります。



時間ガアル分、姿勢ヲ完璧ニ作レマス。
パターン2:強打レシーブ(ディグ)
相手のスパイクを拾う時は、サーブよりも姿勢を低くして、スプリットステップも小さくします。低い姿勢を取ることで、ボールの下に手を差し込む準備ができている状態を作るのです。
ディグ時の構えのポイントは、目線をできるだけ動かさないこと。上下にバタバタすると、ボールが正確に見えなくなります。
パターン3:守る範囲で構えの高さを変える
速いボールが来そうで、自分の担当エリアを確実に守る場面では、しっかり腰を落とし、スプリットステップも小さくします。目の前のボールを止めることを優先するためです。
逆に、ボールに反応して動き、広い範囲を守る場面では低すぎない構えが大切です。低くしすぎると一歩目が遅れるので、動き出しがスムーズになる高さにしておきましょう。



場面ごとに構えを変えるって、上級者っぽくてカッコいいです!
1人でできるレシーブの構え練習ドリル3選


理屈が頭に入ったら、次は実際に体に染み込ませる練習です。チーム練習がない日でも家でできるドリルを3つ紹介します。
ドリル1:鏡の前で構えをチェック
姿見の前に立ち、パワーポジションを作って自分の姿を確認します。チェックする項目は、足幅・膝の角度・前傾の角度・手の位置の4つ。
ポイントは、30秒間その構えのままキープできるかを試すこと。30秒で疲れてくる場合は、まだ無駄な力みが入っています。本当に動ける構えは、力を抜いた状態で長く保てます。



鏡の前で1日3分やるだけで、1週間後には体が「正しい構え」を覚えています。
ドリル2:壁の前でスプリットステップ
壁から1メートル離れて立ち、構えてから小さくスプリットステップを踏みます。床に着地した瞬間に、すぐに左右どちらかに1歩踏み出して止まる、を繰り返します。
最初はゆっくり、慣れてきたら左右ランダムにスピードを上げていきます。これで「着地と動き出しが連動する感覚」が体に入ります。



中学生は1日10セットも続ければ、十分に体が覚えます。
ドリル3:仲間に投げてもらう「方向反応ドリル」
仲間がボールを持って自分の前に立ち、左右どちらかにボールを転がします。構えからスプリットステップを踏んで、ボールが転がった方向に素早く動いてキャッチする、というシンプルな練習です。
このドリルではボールが転がる「タイミングと方向」の両方に反応する力がつきます。実戦に近い反応練習として最適です。



家でも壁とボールがあればできますね。今日からやります!
よくある間違い:レシーブの構えNG例3選


最後に、指導現場でよく見るNGな構え方を3つ挙げておきます。自分が当てはまっていないかチェックしてください。
- かかと重心で動き出しが遅れる
- 膝が伸びていて、棒立ちに近い
- 肘が後ろに引けている
NG1:かかと重心で動けない
体育の授業などで「踵を地面につけろ!」と言われた経験があるかもしれませんが、レシーブの構えでは母指球(つま先側)に体重を乗せるのが基本です。
かかとは無理に浮かせる必要はありませんが、踵にどっかり体重を預けて固まるのはNG。床に立ったまま母指球に乗る感覚を作りましょう。
NG2:膝が伸びすぎて棒立ちに近い
立ったままの姿勢に近い構えだと、動き出しに必ず「沈み込み」が必要になり、1拍遅れます。膝は意識して120度くらいに曲げておきましょう。
NG3:肘が後ろに引けている
肘が体の後ろに引けていると、ボールに面を当てる位置まで肘を大きく前へ動かす必要があり、先に面を作って止めておくことができません。
肘が止まりきる前にボールが当たると余計な力が加わり、返球が思ったより飛んでいってしまいます。
理想は、膝と肘が縦にそろう位置に肘を置くこと。手はおへそと胸の間あたりで「いつでも動かせる」状態を保ちます。



この3つのNGは、本人の自覚なくやっている場合が多いです。仲間に動画を撮ってもらって自分の構えを確認するのが、いちばん早い気づきになります。
レシーブの構えに関するよくある質問


最後に、構え方について指導現場でよく受ける質問にお答えしておきます。
まとめ:レシーブの構えは「動く準備の完了形」


この記事ではレシーブの構え方について、パワーポジションの4要素・スプリットステップ・場面別の調整・NG例の順で解説してきました。要点を表に整理します。
なお、構え・反応・移動といったバレーの基本動作の全体像もあわせて押さえておくと、レシーブ以外の場面でも一歩目が速くなります。
| チェック項目 | 正解 | NG |
|---|---|---|
| 足幅 | 肩幅より10〜30cm | 狭すぎ/広すぎ |
| 膝の角度 | 約120度 | 伸びてる/曲げすぎ |
| 重心 | 母指球(前重心) | かかと重心 |
| 手の位置 | おへそと胸の間 | 膝の上 |
| 動き出しの工夫 | スプリットステップ | 静止したまま |



元日本代表として、また10年以上の指導者としていちばん多く伝えてきたのが、この構えの大切さです。スパイクやサーブが派手に注目される一方で、本当に試合の勝敗を分けるのは「拾えるかどうか」。その土台が構えです。



今日からまず、おへそと胸の間で構えて母指球に乗ることだけ意識します!



その2つだけでも、動き出しが見違えるほど速くなりますよ。明日の練習が楽しみですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪
レシーブについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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