- 練習では打てるのに、試合になると決まらない
- 本番でトスに合わせられず、空振りやミスが増える
- 「決めなきゃ」と思うほど力んで、視野が狭くなる
こんな悩みを解決します。
練習で打てるのに試合で打てない原因は、技術よりもトスの質の違いと、決めなきゃという力みの2つにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、練習番長で終わる選手ほど、フォームではなく試合という環境への合わせ方でつまずいています。
練習と試合の違いを知って、自分の入るスイッチを決めておけば、本番でも同じスイングができるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 練習で打てるのに試合で打てない、本当の原因がわかる
- 試合前のウォームアップで確認すべきポイントがわかる
- 自分だけの入るスイッチ(ルーティン)の作り方がわかる
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論:試合で打てない原因はフォームより「トスの質」と「力み」
練習では決まるのに、試合になると打てない。
この差の正体は、フォームの良し悪しではありません。
ほとんどの場合、原因はトスの質が練習と試合で違うこと、そして決めなきゃという力みで体が硬くなることの2つです。
サルくん練習だとあんなに打てるのに、なんで試合だと当たらないんだろう…。



フォームが下手になったわけじゃないんだ。トスが変わって、体が力んでいるだけだよ。
つまり、直すのは打ち方そのものではありません。試合という環境に体を合わせる準備と、力みをとる工夫の2つです。
練習で安定して打てているなら、まず疑うべきはフォームより試合という環境です。問題は、その力をいつもと違う環境で出せるかどうかなんですよね。
試合で打てないのは、技術の問題ではなく出し方の問題です。



だから本番直前にフォームをいじるのは逆効果。かえって打てなくなるよ。
いつもと違うトスにどう合わせるか、本番の緊張で硬くなった体をどうほぐすか。この記事では、その2つを順番に見ていきます。
なぜ試合になると崩れるのか|練習にはない2つの壁


まず、なぜ試合だと打てなくなるのかを整理します。
ここがわかると、この後の対策の意味がスッと入ってきます。
壁①:トスの質が練習と試合でまるで違う
練習のトスは、決まった味方が、決まった高さで、何本も同じように上げてくれます。
体が高さとタイミングを覚えているので、考えなくても打てます。
ところが試合では、レシーブが乱れた後にトスが上がることがほとんどです。



シアイノトスハ毎回チガウ
トスが少し低い、ネットに近い、横に流れている。
こうしたいつもと違うトスが来た瞬間に、覚えたタイミングが合わなくなります。
しかも相手のブロックという、練習にはなかった壁も目の前にあります。
体が覚えているのは、何も邪魔がない状態で上がる、きれいなトスへの動きです。
その動きのまま、乱れたトスとブロックに向かっていくので、ズレが生まれます。



試合のトスは生き物だよ。同じ球は2度と来ないと思っておこう。
逆に言うと、いつもと違うトスに体を合わせ直せれば、試合でも打てるようになります。
壁②:決めなきゃという力みで体が硬くなる
もう1つの壁が、心の力みです。
ここで決めたい、ミスしたくない。この気持ちが強くなると、肩や腕に余計な力が入ります。
力みは、スパイクで一番大事な空中での脱力をうばうのがやっかいなところです。
スパイクは、踏み込みで力を入れ、空中ではいったん脱力し、ヒットの瞬間にまた力を入れる動作です。その真ん中の脱力ができないと、スイングが小さくなったり、手打ちになったりします。



決めなきゃと思うと、なぜか手が縮こまっちゃう…。



力むと視野もせまくなるんだ。ブロックも味方も見えなくなるよ。
力みは、スイングだけでなく、目の働きにも影響します。
緊張すると人はボール1点だけを見つめてしまい、周りが見えなくなります。
その結果、ブロックの真正面に打ち込んだり、空いたコースを見逃したりします。
緊張すること自体は、誰にでも起きる自然な反応です。
大切なのは、緊張をゼロにすることではなく、力みに変えない工夫を持っておくことなんですよね。
対策①:試合前のウォームアップで確認すべきこと


トスの質の違いは、試合が始まってから慌てても間に合いません。
だからこそ、試合前のウォームアップで先に確認しておきます。
アップは体を温めるだけの時間ではなく、今日のトスと自分を合わせる時間です。
アップで確認する3つのポイント
特に大事なのが、トスの軌道が見えてから動き出す感覚です。
セッターからボールが出て、軌道がわかった瞬間に1歩目を出す、これを本番前に体へ思い出させておきます。
トスに触れた瞬間に走り出すと、トスがどこに上がるか見えないまま動くことになります。
軌道を見てから動くことで、乱れたトスにも体を運べるようになります。



アップは打ち方の練習じゃないよ。今日のトスとなかよくなる時間だよ!
会場の違いにも体を慣らしておく
確認するのはトスだけではありません。
会場の広さや天井の高さ、ボールの感触も、いつもの練習体育館とは違います。
天井が高い会場では、ボールがいつもより上がって見えて、打点がずれることがあります。



だから試合会場のアップは大事なんだね!
その違いも、アップのうちに体へ慣らしておきましょう。
乱れたトスへの具体的な合わせ方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
対策②:いつもと違うトスへの合わせ方と視野の作り方


アップで準備しても、試合では予想外のトスが必ず来ます。
その時にあわてないための、合わせ方と視野の作り方を見ていきます。
合わせ方:打点を合わせて、無理なら確実につなぐ
トスが乱れたら、まず自分が一番力を出せる打点に体を運ぶことを優先します。
低いトスなら助走を少し遅らせる、流れたトスなら助走の方向を変える。打点さえ合えば、いつものスイングが戻ってきます。



大事なのはトスに体を持っていくこと。待って手だけ伸ばすと打点が前すぎるんだ。
トスを待って手だけ伸ばすと、打点が体の前すぎてネットを越えにくくなります。
ただし、どうしても体勢が崩れる時もあります。その時は無理に強打せず、コートに入れることを最優先にします。



崩れた球を無理打ちするより、確実に入れて次につなぐ方が点になるよ。
1本のミスより、ラリーを続けることの方が、チームには大きい場面が多いんです。
崩れた体勢から確実につなぐ技術は、それ自体が大きな武器になります。
視野:ボールだけでなくブロックと相手コートも見る
力むと、ボールしか見えなくなります。
これが、ブロックに当てたり、空いたコースを見逃したりする原因です。
意識したいのは、助走に入る前に相手コートを1度見ることです。
全部を完璧に見る必要はありません。
ブロックがいるか、いないか。それだけでも見えれば、打つコースの判断が変わります。



ボールだけじゃなくて、相手も見ればいいんだね!
スパイクは、ただ強く打つのではなく、誰と勝負するかを考えることが大切です。
ブロッカーと勝負するのか、その後ろのレシーバーと勝負するのか。
相手の弱いところを狙う意識があると、決定率は大きく上がります。
相手のどこを狙うかという考え方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
失敗例:試合で打てない人がやりがちな3つのこと
ここで、試合で打てない選手によく見られる失敗を3つ挙げます。
自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
失敗①:練習と同じトスが来る前提で動いてしまう
一番多いのが、練習のトスのつもりで助走を始めてしまうパターンです。
トスが乱れているのに、いつものタイミングで跳んでしまう。その結果、ボールに体が届かず空振りや手打ちになります。
本人は練習どおりに動いているつもりなので、なぜ打てないのか気づきにくいのが特徴です。
直し方は、対策①で書いたとおり、トスの軌道を見てから動き出すことです。軌道を見てから動けば、乱れたトスにも体を運べます。
失敗②:1本ミスすると、その後も引きずってしまう
試合では、ミスをゼロにはできません。
問題は、1本のミスを引きずって、次も、その次も硬くなってしまうことです。



1本ミスると、もう打つのが怖くなっちゃう…。



大丈夫。一流の選手でも半分は決まらないものだよ。
ミスを引きずると、それを取り返そうとしてさらに力みます。
力むとまたミスする、という悪い流れにはまってしまいます。
ミスとの向き合い方は、この後のルーティンの章でくわしく書きます。
失敗③:強打にこだわって、つなぐ選択肢を捨ててしまう
決めたい気持ちが強いと、崩れたトスでも全部強打しようとします。
無理な体勢からの強打は、ミスになる確率が上がります。
強く打つことだけが得点ではありません。
確実に入れてラリーを続け、次の良いトスで決める。
この考え方を持てると、試合での決定率はぐっと安定します。



全部を強打で決めようとしないこと。引き出しが多いほど試合で楽になるよ。
ルーティンと思考法|入るスイッチと1本目の捉え方


最後に、力みをコントロールするための、心の準備を見ていきます。
ここが、練習番長で終わるか、試合で力を出せるかの分かれ目です。
自分の「入るスイッチ」を決めておく
緊張で力む体を、毎回同じ状態に整える方法がルーティンです。
打つ前にいつも同じ動きをすることで、体と心がいつものモードに切り替わります。
動きは何でもかまいません。
大切なのは、毎回まったく同じ動きをくり返すことです。



同じ動きをすると、体が今からいつものスパイクだって思い出すんだ。
息を吐く動作は、特におすすめです。
力が入ると人は息を止めがちなので、吐くことで肩の力が自然に抜けます。
ルーティンは、緊張する場面ほど効果を発揮します。
普段の練習から同じ動きをくり返しておくと、本番でも自然に体が動きます。
1本目のミスをどう捉えるか
試合の最初の1本をミスすると、不安になります。
でも、1本のミスはデータだと考えてみてください。
低かったのか、ブロックに当たったのか、力んだのか。
ミスは責めるものではなく、次の1本を直すための情報です。



1本目はお試し、って思えば気が楽だ!



そうそう。1本目で今日のトスや相手がわかる。2本目から修正すればいいんだ。
スパイカーは、セットの序盤で試して、後半に向かって決定率を上げていく。
これは試合で力を出すうえで、とても大切な考え方です。
最初から完璧を狙わず、試しながら合わせていく。
そう思えると、1本目の力みがふっと軽くなります。
ミスを恐れて手堅く打つより、思い切って振り抜いた方が、結果として決まることも多いんですよね。
次の練習で試したい3つ
ここまでの内容を、次の練習ですぐ試せる形にまとめました。
部活や練習試合の中で、この3つを意識してみてください。



全部いっぺんにやらなくていいよ。1つずつ習慣にしていこう!
まとめ:試合で打てない原因は技術より準備と心構え
練習で打てるのに試合で打てない原因は、フォームではありません。
トスの質の違いと、決めなきゃという力みの2つが本当の原因です。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 試合前(アップ) | その日のトスを何本も打って体に合わせる |
| いつもと違うトス | 打点を合わせる・無理なら確実につなぐ |
| 視野 | 助走前に相手ブロックを1度見る |
| 打つ前 | 入るスイッチ(ルーティン)で力みを抜く |
| 1本目のミス | 責めずに、次を直す情報として使う |
私は元日本代表として、そして指導者として多くの選手を見てきましたが、本番に強い選手は技術より準備と心構えがしっかりしています。



フォームを直すんじゃなくて、準備と気持ちを整えればいいんだね!



そのとおり。練習で打てているなら、あとは出すだけだよ!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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