- あと5cm高いところでボールを触りたい
- 筋トレは頑張っているのに打点が上がらない
- ジャンプ力じゃなく技術で高さを稼ぎたい
こんな悩みを解決します。
スパイクの最高到達点は、筋力を増やさなくても踏み切り・腕の振り上げ・シューズの3つで数cm伸ばせます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、伸び悩む選手ほど「筋トレの量」ばかり気にして、今もっているジャンプ力を跳躍に変えきれていません。
同じ筋力でも、踏み切りの向きと腕の使い方が変わるだけで、触れる高さは変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 今のジャンプ力のまま高さを稼ぐ3つの技術ポイントがわかる
- 筋トレを増やす前に見直すべき踏み切りと腕振りがわかる
- シューズのグリップ力が跳躍に与える影響がわかる
スパイクの全体像から見直したい人は、こちらの基本ガイドもあわせてどうぞ。
それでは、詳しく見ていきましょう。
あなたのジャンプは高さをロスしていないか

- 助走の勢いを跳躍に変えきれていない
- 腕の振り上げが小さく、体が引き上がっていない
- シューズが滑って、地面を押した力が逃げている
最高到達点は、じつは筋力だけで決まるわけではありません。
同じジャンプ力でも、地面をとらえる向き・腕の使い方・足元のグリップで、届く高さは変わります。
つまり多くの選手は、すでにもっている力を高さに変えきれず、途中でロスしているんです。
言いかえれば、筋力を増やさなくても、ロスをなくすだけで最高到達点は伸びるということです。まずはこの視点をもつことが、5cmを稼ぐ出発点になります。
サルくんえ、筋トレしなくても高くなるの?



筋力アップとは別の話だよ。今の力を跳躍に変える効率を上げるんだ。
高さは「筋力×技術×装備」で決まる
高く跳ぶ力そのものは、たしかに下半身や体幹の筋力が土台です。
ただ、その力を上に変換する技術と、力を地面に伝える装備がそろって初めて、最高到達点になります。
どれか1つが欠けると、せっかくの筋力がもれてしまいます。



チカラヨリ ヘンカンコウリツ
とくに変換のロスは、自分では気づきにくいのがやっかいなところです。
がんばって助走しているのに高さが出ないとき、多くの選手は「もっと筋力をつけよう」と考えます。
でも本当の原因は、筋力不足ではなく、生み出した力が途中でもれていることのほうが多いのです。
だからこそ、筋トレを増やす前に、まず今の力をどこでロスしているかを見つけることが近道になります。
筋トレそのものは、こちらの記事でくわしく解説しています。
まず自分の最高到達点を知っておく
技術を直す前に、今の自分の最高到達点を測っておくと、伸びが数字で見えてやる気が続きます。
測り方や平均の高さ・目標の目安は、別の記事にまとめました。
数字を知ってから技術を直すと、「5cm伸びた」がはっきり実感できます。
技術①:踏み切りで助走の勢いを真上へ変換する





ここが技術で稼ぐ5cmの一番大きい部分だよ。
高さを一番大きく左右するのが、踏み切りです。
助走で前に進んだ勢いを、上向きの跳躍にどれだけ変えられるか。ここで差がつきます。
助走の勢いは止めずに上へ向ける
よくある勘違いが「踏み切りで勢いを止めて、真上に跳ぶ」という考え方です。
でも、せっかくの助走スピードを止めてしまうと、それはただのエネルギーのロスになります。
正解は、助走スピードを殺さず、進む勢いをそのまま上向きに変えることです。
勢いは止めるのではなく、上へ変える。これが最高到達点を伸ばす第一歩です。



止めたほうが高く跳べそうなのに、逆なんだ!?



止めるとロスするんだ。車が急ブレーキで止まると、その勢いはどこにも残らないよね。
右利きは左足のつま先をやや右に向ける
では、どうやって前の勢いを上に変えるのか。
カギは、最後の踏切足の向きです。
右利きの場合、最後の踏切足は左足です。左足のつま先を、やや右方向に向けて軸を作ります。
このとき、太ももの外側(外側広筋)とお尻の筋肉(臀筋群)という大きな筋肉を使って、水平方向の勢いを上方向へ変換します。
小さい筋肉ではなく、体で一番大きい太ももとお尻の筋肉を使うのがポイントです。大きい筋肉ほど、大きな力を生めます。
つま先の向きは、ほんの少しでかまいません。真正面のままだと、前へ流れる勢いをそのまま前に逃がしてしまいます。
やや右に向けることで、体が上を向く軸ができて、前の勢いが上へ切り替わります。
慣れないうちは、その場で左足のつま先を右に向けて跳ぶ練習だけをくり返すと、感覚がつかみやすくなります。



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最後の一歩をやや大きく踏み込む
もう1つ、踏み切りで高さを稼ぐコツがあります。
助走の最後の一歩を、それまでより少し大きく踏み込むことです。
歩幅を最後だけ広げると、地面をとらえる時間が生まれ、前の勢いを上に変えやすくなります。
ただし大きくしすぎると、体が前に流れてしまいます。ボールの真下より、ほんの少し手前で踏み切る意識でちょうどよくなります。
踏み切りの足の位置とタイミングは、こちらの記事でさらにくわしく解説しています。
技術②:腕の振り上げで体を引き上げる





踏み切りの次は、腕の使い方で高さを足していくよ。
踏み切りと同じくらい大切なのが、腕の振り上げです。
腕を使わずに跳ぶのと、しっかり振り上げて跳ぶのとでは、届く高さがはっきり変わります。
両腕を後ろに引いてから一気に振り上げる
跳ぶ直前、両腕を後ろに引いておきます。
そして踏み切りと同時に、その両腕を勢いよく上へ振り上げます。
すると、振り上げた腕につられて体全体が上に引き上げられます。腕の勢いが、跳躍に足し算されるんです。
イメージとしては、腕で自分の体を上へ引っ張り上げる感覚です。腕を振り上げた勢いに、体がついていく形になります。
両腕を後ろに引く → 踏み切りと同時に一気に振り上げる。この振り上げが、体を上へ引っ張り上げます。
腕をだらんと下げたまま跳ぶと、この足し算が丸ごとなくなります。同じ脚力でも、届く高さがはっきり変わるのはそのためです。



腕って、打つときだけ使うものだと思ってた。



跳ぶ瞬間の振り上げが大事なんだ。ここで体が浮く高さが変わるよ。
打つ側の腕は耳の後ろまで引き上げる
体が浮いたら、次はテイクバックです。
打つ側の手は、肘を高く上げて、手のひらを耳の後ろまで引きます。
肘が低いままだと、そのぶん打点が下がってしまいます。空中で肘をしっかり高く保つことが、最高到達点でボールをとらえる条件です。
このとき、背骨を軸に体を水平方向にひねっておくと、より高い位置に腕をセットできます。野球のバッティングやテニスのフォアハンドと同じ仕組みです。



肘の高さがそのまま打点の高さになるよ。低い肘は、高さを自分で捨てているようなものなんだ。
腕の振り方そのものは、こちらでさらにくわしく解説しています。
ジャンプの頂点でボールをとらえる
腕を高くセットできても、タイミングがずれると高さは活きません。
ジャンプには頂点があります。上がりきる前でもなく、下がり始めた後でもなく、頂点でボールをとらえるのが理想です。
上がりきる前だと、まだ体が上昇中で高さが足りません。頂点を過ぎると、体が落ち始めて打点が下がります。
せっかく高く跳んでも、頂点とボールがずれると高さは活きない。跳躍の高さとタイミングは、セットで最高到達点になります。
セッターからボールが出て、軌道が見えた瞬間に1歩目を出す。この習慣が、頂点とボールを合わせやすくします。



チョウテンデ ミートスル
装備:シューズのグリップ力がジャンプを変える





シューズで高さが変わるの!?



意外と見落とされがちだけど、足元は跳躍の土台なんだ。
技術を直したら、最後は足元です。
どれだけ踏み切りがよくても、シューズが滑っていたら、地面を押した力が横に逃げてしまいます。
滑るシューズは踏み切りの力を逃がす
踏み切りは、地面を強く押して、その反発で跳ぶ動きです。
このとき足裏がしっかり止まっていないと、押した力の一部が滑りに変わって、上に伝わりません。
グリップ力のあるシューズは、踏み込んだ力をしっかり受け止めて、跳躍に変えてくれます。
どんなに踏み切りの技術を直しても、足裏が滑っていたら、その力は上まで届きません。技術と装備は、セットで初めて高さになります。
滑るシューズは、せっかくの踏み切りの力を逃がしてしまう。足元は跳躍の土台です。
靴底がすり減ったら早めに替える
新品でグリップがよくても、使い込むと靴底のパターンはすり減っていきます。
すり減った靴底は、体育館の床で滑りやすくなり、踏み切りの力が逃げるだけでなく、ケガのもとにもなります。
つま先で床を触ってみて、以前よりツルッと滑る感覚があれば、替えどきのサインです。



底がすり減ったシューズのままだと、技術を直しても高さが逃げちゃうよ。定期的にチェックしてね。
練習量が多い選手ほど足元を見直す
練習量が多い選手は、そのぶん靴底の消耗も早くなります。
「最近ジャンプの伸びが止まった」と感じたら、技術だけでなく、足元のグリップが落ちていないかも見てみてください。
シューズ選びに迷ったら、グリップ力とクッション性を基準にすると失敗しにくくなります。着地の衝撃から膝を守るクッションも、長く跳び続けるためには大切です。
とくに成長期の中学生は、膝への負担がたまりやすい時期です。ジャンプは上りよりも、着地の下りで膝に大きな衝撃がかかります。
グリップとクッションのそろったシューズは、高さを稼ぐだけでなく、ケガの予防にもつながります。技術を伸ばしていくためにも、足元は早めに見直しておきたいところです。
よくある失敗とその直し方



最後に、高さをロスしがちな失敗を3つ挙げておくね。
失敗①:勢いを止めて真上に跳ぼうとする
一番多いのが、助走の勢いを止めてから跳ぼうとするパターンです。指導現場でも、まじめな選手ほどこの形になりやすいと感じます。
止めた瞬間に前の勢いは消えて、ゼロから真上に跳ぶことになります。これでは助走の意味がありません。
直し方は、勢いを止めず、左足のつま先を右に向けて上へ変換する意識です。
失敗②:腕を振り上げず、いきなり打ちにいく
早く打ちたい気持ちが強いと、腕を振り上げずに、いきなり打つ動作に入ってしまいます。
すると体が上に引き上げられず、打点も下がります。
跳ぶ瞬間の振り上げと、打つ動作を分けて考えると直しやすくなります。まず振り上げて体を浮かせ、それから打つ、の順番です。
失敗③:肘が下がったまま打ってしまう
空中で肘が下がると、そのぶん打点が下がって、最高到達点を自分から捨てることになります。
打つ側の肘を高く保ち、手のひらを耳の後ろまで引く。この空中姿勢を、立位のフォーム練習でくり返すと身につきます。



どれも心当たりある…! 1つずつ直してみる。



全部いっぺんにやらなくて大丈夫。踏み切り → 腕振り → 足元、の順で1つずつでいいよ。
まとめ:技術で稼ぐ5cmを積み上げよう
スパイクの最高到達点は、筋力を増やさなくても伸ばせます。
大事なのは、踏み切りで勢いを上へ変え、腕の振り上げで体を引き上げ、シューズで力を逃がさないの3つです。
| 稼ぎどころ | ポイント |
|---|---|
| 踏み切り | 勢いを止めず、左足のつま先を右に向けて上へ変換(右利き) |
| 腕の振り上げ | 両腕を後ろに引いて一気に振り上げ、体を引き上げる |
| 装備 | グリップ力のあるシューズで、押した力を逃がさない |
私は元日本代表として、そしてスクールで多くの選手を見てきた経験から、伸び悩む選手ほどこの3つにまだ伸びしろがあると感じています。



筋トレ以外にもやれることがこんなにあったんだ!



そう。今の力のまま高さを稼げるから、まずは踏み切りから試してみてね。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
まずは今の最高到達点を測って、この記事の3つを試したあとにもう一度測ってみてください。伸びが数字で見えると、続ける力になります。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪









