- 「クイック」「時間差」など、攻撃の名前を聞いてもイメージがわかない
- スパイクにどんな種類があるのか、ざっくり全体像を知りたい
- 自分のチームでどんな攻撃を覚えればいいのか整理したい
こんな悩みを解決します。
スパイクは、トスの高さと場所で「オープン」「クイック(速攻)」「時間差」「後衛からの攻撃」の4グループに整理できます。
名前と仕組みがわかると、試合の見方も練習の狙いもはっきりします。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
攻撃の種類を知ることは、ただの用語暗記ではありません。
「今チームに足りない攻撃はどれか」「自分はどの攻撃を磨くべきか」を考える地図になります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- スパイクの種類を4グループで整理して、全体像がつかめる
- オープン・クイック・時間差・パイプなどの違いと仕組みがわかる
- 自分やチームが次に覚えるべき攻撃の優先順位が見えてくる
それでは、スパイクの種類を順番に見ていきましょう。
まず結論|スパイクの種類は「4グループ」で覚える

最初に、スパイクの種類を大きく4つのグループに整理します。
- オープン攻撃:高く大きいトスを、レフトやライトから打つ基本の攻撃
- クイック(速攻):低くて速いトスを、ネット近くで素早く打つ攻撃
- 時間差攻撃:味方のおとりを使い、ブロックのタイミングをずらす攻撃
- 後衛からの攻撃:アタックラインの後ろから打つ、バックアタックやパイプ
分け方のコツは「トスの高さ」と「打つ場所」
整理のコツは、「トスの高さ」と「打つ場所」で分けて考えることです。
トスが高くて時間があるのがオープン、低くて速いのがクイック。
そこに「おとり」や「後衛からの攻撃」が加わって、現代バレーの多彩な攻撃ができあがっています。
細かい名前より「大きな地図」を先に持つ
この4グループさえ頭に入れておけば、新しい攻撃名を聞いても「これはクイックの仲間だな」「後衛攻撃の一種だな」とすぐに整理できます。
細かい名前を全部暗記するより、まず大きな地図を持つことが、用語に振り回されないコツです。
サルくん攻撃の名前がいっぱいあって、いつも混乱します…。



最初に4グループで地図を作っておけば大丈夫。あとは1つずつ当てはめていくだけだよ。
それでは、4つのグループを1つずつ見ていきましょう。
オープン攻撃|まず覚えたい基本のスパイク


オープン攻撃は、高く大きく上げたトスを、助走の時間をしっかり使って打つ基本の攻撃です。
打つ場所によって、おもに次のように呼ばれます。
- レフト(左):もっとも一般的。エースが打つことが多い
- ライト(右):逆サイド。左利きや、攻撃の幅を広げたい時に使う
- センター(真ん中):高めのトスをセンターから打つこともある
すべての攻撃の土台になる理由
オープン攻撃は、トスが高いぶん助走と踏み切りの時間をたっぷり使えます。
そのため、まず最初に身につけたい攻撃であり、すべての攻撃の土台になります。
レフトから打つことが多いのは、右利きの選手が体の正面でボールをとらえやすく、力を伝えやすいからです。
打つ場所で変わる役割と利き手の関係
右サイド(ライト)は角度がつけにくいぶん、左利きの選手が打つと正面でとらえやすく、相手のブロックを散らす狙いでも使われます。
同じオープンでも、打つ場所によって役割が変わるのです。
なお、ライトを左利きの選手が打つと、レフトの右利き選手と同じように体の正面でとらえられます。
大切なのは「左右どちらが得意か」ではなく、自分の利き手で力を伝えやすい打ち方を見つけることです。
逆に、トスが高い時間があるということは、相手もブロックを完成させやすいということです。
だからこそ、コースの打ち分けやフェイントを混ぜて、ブロックと駆け引きをしていくことになります。



まずはオープンをしっかり打てるようになりたいです。



それが正解。オープンが安定して打てると、ほかの攻撃の土台になるよ。
クイック(速攻)|低く速いトスをネット近くで打つスパイク


クイックは、ネットの近くに低くて速いトスを上げ、セッターと合わせて素早く打つ攻撃です。速攻とも呼ばれます。
ブロックが完成する前に打てるのが最大の強みで、おもにセンタープレイヤー(ミドルブロッカー)が担当します。
A・B・C・Dクイックの違い
トスを上げる場所によって、次のように分かれます。
- Aクイック:セッターのすぐ前。もっとも短くて速い
- Bクイック:セッターから少し離れた前方へ
- Cクイック:セッターの後ろ(背中側)へ
- Dクイック:セッターの後ろ側で、少し離れた位置へ
番号や場所は細かく分かれていますが、共通しているのは「ブロックが完成する前に、ネットの近くで素早く打つ」という考え方です。
セッターのすぐ前(A)ほど速く、離れる(B)ほどタイミングに少し余裕が生まれます。
まずはAかBのうち、自分が合わせやすい場所から覚えるのがおすすめです。
合わせるコツはセッターとの「呼吸」
クイックは速さが命なので、セッターがトスを上げる前に助走を始め、空中で待つくらいのタイミングで合わせます。
呼吸が合うまで、セッターとくり返し練習することが大切です。
クイックは味方を助ける攻撃でもある
速攻が1本でも決まると、相手のミドルブロッカーは「次もクイックが来るかも」と意識します。
すると、レフトやライトのオープン攻撃に跳ぶのが一瞬遅れ、チーム全体の攻撃が決まりやすくなります。
クイックは、自分が決めるだけでなく、味方を助ける攻撃でもあるのです。
クイックそのものを決めるだけでなく、「クイックがある」と思わせること自体が相手のブロックを迷わせます。
その効果を使った攻撃が、次の時間差です。



トスより先に跳ぶなんて、合わせるのが大変そう…。



最初はみんなそう。でもセッターと数を重ねると、自然とタイミングがそろってくるよ。
クイックを武器にするセンタープレイヤーの動きは、別記事でさらに詳しく解説しています。
時間差・後衛からの攻撃|現代バレーの多彩なコンビ


クイックを「おとり」に使うのが時間差攻撃です。
- 一人時間差:同じ選手がクイックを打つフリをして、わざと遅れて打つ
- ブロード(移動攻撃):センターが横へ移動しながら、流れるように打つ
- バックアタック:後衛の選手がアタックラインの後ろから打つ
- パイプ:後衛センターから打つ、速いバックアタック
時間差攻撃の仕組み|おとりで相手を動かす
時間差攻撃のねらいは、相手ブロッカーをおとりにつられてジャンプさせ、本命の攻撃をフリーにすることです。
たとえばセンターがクイックに跳ぶと、相手ブロッカーもつられて跳びます。
その一瞬あとに、レフトやバックの選手が打てば、ブロックが間に合いません。これがコンビ攻撃の考え方です。
もう少しくわしく見ると、一人時間差は「1人の選手の中で、クイックのフリ→遅れて打つ」を完結させる技です。
ブロード(移動攻撃)は、センターが横へ大きく動きながら打つため、相手のミドルブロッカーはついていくのが大変ですし、ついていって逆サイドにトスを上げられたら、そちらに行くことができません。
どちらも相手ブロッカーが動きにつられてしまったら、こちらの得点になる可能性が非常に高くなります。



おとりの選手は、決まらなくてもチームの役に立っているんですね。



まさにそこ。点を取る人だけが主役じゃない。おとりの動きがあるから本命が決まるんだよ。
バックアタックとパイプ|後ろからの攻撃
後衛からのバックアタックやパイプは、前衛3人だけでなく後ろからも攻撃できるため、相手は的をしぼれなくなります。
これらは少しレベルの高い攻撃ですが、「こういう攻撃がある」と知っておくと、試合の見方がぐっと面白くなります。
テレビで強豪チームの試合を見ると、ここで紹介した攻撃が次々に飛び出します。名前を知っているだけで、観戦も練習も一段と楽しくなります。



おとりで相手を動かすなんて、頭脳プレーですね!



そう。1人の力じゃなく、チーム全員で相手をだます。そこがバレーの面白さなんだ。
自分は何から覚える?スパイクの種類別の優先順位
たくさんの種類がありますが、覚える順番には目安があります。
| レベル | 覚えたい攻撃 | ねらい |
|---|---|---|
| 初級 | オープン攻撃 | まず1本を安定して決められるようにする |
| 中級 | コース打ち分け・フェイント | オープンから相手と駆け引きする |
| 上級 | クイック・時間差・バックアタック | チームでコンビ攻撃を組み立てる |
まずはオープンを土台として固める
いちばん大切なのは、順番を飛ばさず、まずオープンを土台として固めることです。
クイックや時間差は魅力的ですが、基本のフォームが安定していないと、速い攻撃ほどミスが増えます。
まずはオープンで「同じフォームから、ねらった所へ打つ」感覚を身につけ、そこからコンビ攻撃へ広げていきましょう。
ポジションとチームの段階に合わせて広げる
自分のポジションによって、優先して覚える攻撃も変わります。
レフトならオープンとコース、センターならクイック、というように、役割に合わせて磨くと効率的です。
たとえば、まだチームでコンビ攻撃を組んでいない段階なら、全員がオープンを安定して決められることが最優先です。
そのうえで、セッターとセンターがクイックを合わせられるようになると、攻撃の幅が一気に広がります。
さらにバックアタックが加われば、相手は前衛だけでなく後ろも警戒しなければならず、的をしぼれなくなります。
大切なのは、背伸びして難しい攻撃から入らず、土台から順番に積み上げることです。
順番を守って覚えたほうが、結果的に多くの攻撃を試合で使えるようになります。



つい、かっこいいクイックや時間差から覚えたくなっちゃいます。



気持ちはわかるよ。でも土台のオープンがあるからこそ、速い攻撃も生きてくるんだ。



まずはオープンを土台にして、少しずつ広げていきます!



その順番が遠回りなようで一番の近道。あせらず積み上げていこう。
スパイクの種類に関するよくある質問(FAQ)
まとめ|4グループで覚えれば、スパイクの種類が見えてくる


最後に、この記事の要点を振り返ります。
- スパイクはオープン・クイック・時間差・後衛攻撃の4グループで整理できる
- 分け方のコツは「トスの高さ」と「打つ場所」で考えること
- クイックはセッターと合わせて素早く、時間差はおとりでブロックをずらす
- 覚える順番はまずオープンを土台にして、コンビ攻撃へ広げる
攻撃の種類は、覚えれば覚えるほど試合が立体的に見えてきます。
「今のはCクイックだ」「あれはパイプだ」とわかると、観るのも、組み立てるのも一気に楽しくなります。
まずは自分のポジションでよく使う攻撃から、名前と仕組みをセットで覚えてみてください。
そして土台となるオープン攻撃を、いつも同じフォームから打てるように磨いていきましょう。
私は元日本代表として、そしてバレーボールコーチ4の資格を持つ指導者として、これまで多くの選手を見てきました。
強いチームほど、1人の力ではなく、種類のちがう攻撃を組み合わせて相手の的をしぼらせません。
あなたもぜひ、攻撃の地図を頭に入れて、チームの武器を増やしていってください。



攻撃の名前、ぜんぶ覚えて試合を見るのが楽しみです!



いいね。知れば知るほどバレーは面白くなる。一緒に攻撃の幅を広げていこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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