- スパイクを打ったあとに、手首がジンと痛くなる
- 強く打つほど手首に負担がかかっている気がする
- 手首をかばって、思い切り打てなくなっている
こんな悩みを解決します。
スパイクで手首が痛くなる原因は、手首を意図的に折り曲げて打つ「こねる」打ち方にあることがほとんどです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務められるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、手首を痛がる選手の多くは、手首を固めて無理に力を伝えようとしていました。
手首はムチのように走らせる場所であって、力で固める場所ではないんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 手首が痛くなる本当の原因(こねる打ち方)が分かる
- 手首を走らせて、負担なく強く打つコツがつかめる
- 練習後のケアと、専門家に相談すべきタイミングが分かる
まずはスパイク全体の流れから整理したい人は、こちらのガイドもあわせて読んでみてください。
それでは、原因と直し方を順番に見ていきましょう。
手首が痛くなる一番の原因は「こねる打ち方」

結論からお伝えすると、スパイクで手首が痛くなる最大の原因は手首を意図的に折り曲げて打つ「こねる」打ち方です。
バボット手首ヲ折ル=手首ニ負担ガ集中スル
手首を強く曲げる動きには、手首を支える腱や関節に負担が集中します。これをくり返すと、打ったあとにジンとした痛みが出やすくなります。
特に強く打とうとするほど、手首だけで力を出そうとして、こねる動きが大きくなりがちです。



僕、強く打ちたくて、手首をグッと曲げて当ててました…



その気持ちは分かるよ。でも手首は固めて力を出す場所じゃないんだ。力を伝える主役は腕の振りと体のひねりだよ。
手首が痛くなる選手には、いくつか共通したクセがあります。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
- 手首を固めて、面でボールを押し当てている
- 打点が体の後ろすぎて、手首だけで合わせにいっている
- 練習後のケアをせず、疲れがたまったまま打ち続けている
この章のあと、原因を1つずつ分けて、直し方まで解説していきます。
原因①:手首を「固めて」打っている


一番多いのが、インパクトの瞬間に手首をガチッと固めて、面でボールを押し当てているパターンです。
手首を固めると、ボールの衝撃がそのまま手首に返ってきます。これがくり返しの負担になります。



手首ガ硬イ=衝撃ヲ逃ガセナイ
手首を固めて打つと、ボールに乗る力も実は弱くなります。手首がしなる動きを使えないので、せっかくの腕の振りがボールに伝わりきらないからです。
つまり、手首を固める打ち方は「痛い」だけでなく「弱い」という、損な打ち方なんです。
直し方:手のひらで包み込んで押し出す
正解は、手首を固めるのではなく手のひらでボールを包み込んで押し出すイメージで打つことです。
ボールに当たったあとは、手首を返して、手のひらや指先ではなく手の甲が打球方向を向くくらいまで振り抜きます。
こうすると手首は自然にしなり、衝撃を腕全体で受け流せるので、手首1点に負担が集まりません。
力の伝え方にも、ちょっとしたコツがあります。手首だけを意識するのではなく、肘を伸ばす動きに連動させて、手首から指の順に力を流していきましょう。
手のひらの真ん中で芯を捉えられれば、当てた力はそのまま前へ抜けていきます。



「叩いて止める」じゃなくて「包み込んで振り抜く」。手の甲が前を向くまで振り抜けば、手首は固めなくていいんだ。
「固める」と「走らせる」の違いを体で覚える
固める打ち方と走らせる打ち方の違いは、ネット越しに打つ前に、その場で確かめておくと分かりやすいです。
まずは軽くボールを持ち、手首をピンと固めたまま当てる動きをしてみてください。手首に力が入って、衝撃が手元に残る感覚があるはずです。
次に、手首の力を抜いて、当たった瞬間に手の甲が前を向くまでスッと返してみます。手首がしなって、力が指先まで流れていく感覚に変わります。



同じ動きなのに、固めると重くて、力を抜くと軽く返せる…!
この軽く返せる感覚が、手首を走らせる打ち方の入り口です。最初は遅い球からで構わないので、この感覚を体に覚えさせてください。
手首と手の形の細かい使い方は、こちらの記事で深掘りしています。
原因②:手首を「走らせる」感覚がない


2つ目は、手首で力を出そうとして手首を走らせる感覚がないことです。手首は力で固める場所ではなく、ムチの先のように走らせる場所です。
ムチは、持ち手をしっかり振ると、先端が勝手に走って大きな力が出ます。手首もこれと同じなんですね。



力源ハ腕ノ振リ / 手首ハ最後ニ走ルダケ
手首だけで打とうとすると、力源が手首になってしまい、小さな関節に大きな負担がかかります。これが痛みの原因です。
逆に、腕の振りと体のひねりで力を作れば、手首は最後にしなって走るだけでよくなります。
直し方:肘をたたんで、当たる直前に伸ばす
手首を走らせるコツは、腕全体を使ったムチのスイングを身につけることです。
肘をたたんでから伸ばすことで、振りの最後にスピードが乗り、手首が自然に走ります。手首はその流れに乗せるだけなので、力で固める必要がなくなります。



手首でがんばるんじゃなくて、腕を振った勢いで手首が走るんだね!



そう。手首は最後にしなる係。主役は腕の振りと体のひねりだよ。
体のひねりも力源に加える
手首の負担をさらに減らすには、腕の振りだけでなく、体のひねりも力源に加えるのがコツです。
空中で打つ側の肩を後ろに引き、反対側の肩を前に出すように、背骨を軸にして体を水平方向にひねります。野球のバッティングやテニスのフォアハンドと同じ仕組みです。
このひねり戻しの力が腕に乗ると、手首で無理に力を出す必要がなくなります。



手首が痛い選手ほど、手首だけでがんばろうとしてるんだ。体のひねり→腕の振り→手首の順で力が伝われば、手首は最後にちょっと走るだけでいいんだよ。
ただし初心者のうちは、腰を大きく反らせる必要はありません。腰の反りすぎは腰や肩を痛める原因になるので、まずは背骨を軸にしたひねりだけで打ってみてください。
腕の振り方をもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事が参考になります。
原因③:打点が後ろすぎて手首に負担がかかる
3つ目は、打点が体の後ろすぎることです。打点が後ろにずれると、腕を振り切れず手首だけでボールに合わせにいく形になります。



打点ガ後ロ=手首ダケデ合ワセル
腕の振りが使えない分、手首を無理に曲げて当てにいくので、手首1点に負担が集中します。
打点が後ろになる原因は、ボールの真下に入りすぎる「かぶり」であることが多いです。ボールの下に入りすぎると、頭の上や後ろで打つ形になり、腕が振り下ろせなくなります。
直し方:ボールを少し前で捉える
直し方は、ボールをおでこのやや前で捉える位置に入ることです。少し前で捉えると、腕を上から下へ振り下ろせて、手首だけに頼らずに打てます。
ボールが出た瞬間に1歩目を出し、ボールの真下に入りすぎないよう、やや手前で構えるのがコツです。



手首が痛いとき、原因が手首じゃなくて「入る位置」にあることも多いんだ。打点が前に来るだけで、手首はぐっと楽になるよ。
体の流れも打点を後ろにずらす
踏み切りで体が前に流れると、ボールが体より後ろに残り、結果として打点が後ろにずれます。
打点だけ直しても痛みが消えないときは、踏み切りで前に流れていないかも見直してみてください。ボールの真下に入りすぎる「かぶり」については、こちらで詳しく解説しています。
練習後のケアで手首の負担をためない


打ち方を直すのと同じくらい大切なのが、練習後のケアです。手首は使うほど疲れがたまり、痛みが出やすくなります。



打ち方を直しても、たくさん打つ日はやっぱり手首が疲れます…



うん、だから打ったあとのケアが大事なんだ。疲れをためないことが、痛みの予防につながるよ。
ケアは難しいものではありません。練習後の習慣として、次の2つを取り入れてみてください。
アイシングで熱を冷ます
たくさん打った日は、練習後に手首を冷やすと、熱や疲れを落ち着かせやすくなります。
保冷剤や氷をタオルで包んで、手首に当てるだけでかまいません。冷やしすぎると逆効果なので、短い時間で様子を見ながら行ってください。
目安は、感覚が少し鈍くなってきたら外すくらいで十分です。長く当てすぎると血の巡りがかえって悪くなるので、様子を見ながら短く区切るのがおすすめですよ。



打チスギタ日=冷ヤシテ熱ヲ落チ着カセル
ストレッチで手首をほぐす
練習の前後に、手首をやさしく回したり、手のひらを反らせたりして、ゆっくりほぐしておきましょう。
筋肉や腱が硬いまま強く打つと、負担が大きくなります。痛みが出ない範囲で、無理なく伸ばすのがポイントです。
特に成長期の選手は体に負担がたまりやすいので、いきなり強い球を打ち続けず、軽い負荷からだんだん慣らしていくことをおすすめします。



フォームを直して、ケアもする。この両方がそろうと、手首を気にせず思い切り打てるようになるよ。
痛みが続くときは専門家に相談する
ここまで打ち方とケアを紹介してきましたが、最後に大切なことをお伝えします。



直してもズキズキ痛むときは、どうしたらいいですか…?



その時は無理をしないで。痛みが続くなら、自己判断せずに専門家に診てもらうのが一番だよ。
打ち方を見直しても痛みが引かない、腫れている、押すと強く痛む、といったときは、フォームだけの問題ではない可能性があります。
痛みが続く・腫れる・動かすと強く痛む場合は、整形外科など専門家に相談してください。
痛みをがまんして打ち続けると、悪化につながることもあります。早めに診てもらうことが、長くバレーを楽しむための近道です。
練習を休む判断も、決して後ろ向きなことではありません。体を守りながら続けることが、いちばん大切なんですね。
よくある質問
まとめ:手首は固めず「走らせる」と痛くならない
この記事では、スパイクで手首が痛くなる原因と直し方をお伝えしました。最後に重要なポイントを振り返りましょう。
手首が痛くなる原因は手首を折り曲げて打つ「こねる」打ち方です。手首は固める場所ではなく、ムチのように走らせる場所なんですよね。
直すコツは、手のひらで包み込んで振り抜くこと、腕の振りで手首を走らせること、打点を少し前で捉えることの3つです。そのうえで、練習後のアイシングとストレッチで負担をためないようにしましょう。



手首は最後にしなる係。主役は腕の振りと体のひねり。これだけで手首はぐっと楽になるよ!
著者情報
バレーのルールや統計は日本バレーボール協会(JVA)、国際大会については国際バレーボール連盟(FIVB)の情報を参照しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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