- 「最高到達点」が何を指すのか、いまいちわかっていない
- 自分の到達点が、年代の平均と比べて高いのか低いのか知りたい
- 目標を決めて、ジャンプ(到達点)を伸ばしていきたい
こんな悩みを解決します。
最高到達点とは、助走してジャンプし、手をいちばん高く上げた時に届く高さのことです。スパイクの「打てる高さ」を決める、とても大切な数字です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
到達点は、ただ高ければいいというものではありません。
大切なのは、平均と比べて一喜一憂することよりも、「自分の今の数値を知り、ネットの高さを基準に目標を立てて、少しずつ伸ばす」ことです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 最高到達点の意味と、指高(しこう)との関係がわかる
- 測定器がなくても、自分の到達点を測る方法がわかる
- ネットの高さを基準にした、現実的な目標の立て方がわかる
それでは、最高到達点について順番に見ていきましょう。
まず結論|最高到達点とは「届く高さ」のこと

最初に、言葉の意味を整理します。
最高到達点と指高(しこう)の違い
- 最高到達点:助走ジャンプして、手の指先がいちばん高く届く高さ
- 指高(しこう):立ったまま手を真上に伸ばした時の、指先の高さ
ポイントは、「最高到達点 − 指高」が、その人のジャンプの高さ(垂直跳び)になることです。
たとえば指高が2.0mの人が、ジャンプして2.6mに届いたなら、ジャンプ力は60cmということになります。
つまり最高到達点は、「もともとの身長・腕の長さ」と「ジャンプ力」を足した数字なのです。
身長が低くても到達点は伸ばせる
だからこそ、身長が低くても、ジャンプ力を伸ばせば到達点は高くできます。逆に、背が高くてもジャンプや助走を使えていないと、到達点は伸び悩みます。
実際、トップレベルでも、ずば抜けて背が高いわけではないのに、助走とジャンプを上手に使って高い打点で打つ選手はたくさんいます。
到達点は「生まれ持ったもの」だけで決まるのではなく、練習で大きく変えられる数字です。
そう知っておくと、トレーニングへのやる気もわいてきます。
サルくん身長が高い人がずっと有利なのかと思っていました。



身長は指高に関係するけど、到達点はジャンプ力で大きく変わる。だから努力で伸ばせる部分が大きいんだよ。
それでは、自分の到達点を測る方法から見ていきましょう。
最高到達点の測り方|測定器がなくても壁とテープでできる


専用の測定器がなくても、壁とチョーク(またはテープ)があれば、自分で測れます。
壁を使った3ステップの測り方
- ①指高を測る:壁の横に立ち、真上に手を伸ばして指先が届く高さに印をつける
- ②到達点を測る:指先にチョークを軽くつけ、助走ジャンプして壁の最高点にタッチ
- ③差を計算する:到達点の高さ − 指高 = あなたのジャンプ力
測る時のコツは、いつものスパイクと同じ助走・同じ踏み切りでジャンプすることです。その場で真上に跳ぶのではなく、試合と同じ動きで測ると、実戦に近い数字が出ます。
何回か測って、いちばん高い記録を「最高到達点」として記録しておきましょう。
月に一度など、定期的に測ると、伸びているかどうかがはっきりわかってやる気につながります。
よくある測り方のミスと記録のコツ
ここで多いのが、その場で真上にジャンプして測ってしまうミスです。それだと助走の勢いが使えず、本当の到達点より低い数字が出てしまいます。



ソノバジャンプハ ホントウノトウタツテンヨリ ヒククデル
助走をつけ、スパイクを打つ時と同じ動きで測りましょう。また、疲れがたまる前の、練習のはじめのほうに測ると、安定した数字が出やすくなります。
シューズや床のすべりやすさでも記録は変わります。毎回なるべく同じ場所・同じ条件で測ると、伸びが正しく比べられます。



同じ条件で測るのがコツ。場所も時間帯もそろえると、ほんの数cmの伸びにも気づけるよ。
測った数字は、ノートやスマホのメモに日付とセットで残しておくのがおすすめです。
あとから見返すと、自分がどれだけ伸びたかが一目でわかり、練習を続ける大きな励みになります。
友だちと一緒に測って記録を見せ合うと、お互いの伸びが刺激になり、楽しく続けられます。



壁とチョークだけでできるなら、今日からやれそうです!



そうそう。大事なのは、続けて測って「自分の変化」を見ること。数字が伸びると練習が楽しくなるよ。
最高到達点の平均の目安|年代でどれくらい違う?


「平均はどれくらい?」と気になる人も多いと思います。
ただし、到達点は身長・年代・経験でとても差が大きく、資料によっても数字に幅があります。
あくまで「ざっくりした目安」として見てください。
年代別・最高到達点の目安一覧
| 年代(男子の目安) | おおよその最高到達点 |
|---|---|
| 中学生 | 2.4〜2.7m くらい |
| 高校生 | 2.7〜3.1m くらい |
| 大学・一般 | 3.0〜3.3m くらい |
| トップ選手 | 3.4m前後やそれ以上 |
女子は、同じ年代でおおよそ20〜30cmほど低いのが一つの目安です。
注意してほしいのは、この数字はあくまで参考で、平均より低くても気にしすぎないことです。
同じ学年でも体の成長には個人差があり、これから一気に伸びる人もたくさんいます。
平均より「過去の自分」と比べよう
平均と比べて落ち込むより、「先月の自分」と比べて伸びているかを見るほうが、ずっと役に立ちます。
数字は、自分を責める道具ではなく、成長を確かめる道具として使いましょう。



数字は敵じゃなくて味方。伸びを見つける道具として使おう。
とくに中学から高校にかけては、身長もジャンプ力も大きく伸びる成長期です。
今は平均より下でも、体ができてくると到達点が一気に伸びることはめずらしくありません。
早い時期に背が高い人が有利に見えても、あとから追いつき追い越す選手はいくらでもいます。
だからこそ、今の数字だけで「自分には向いていない」と決めつけてしまうのは、とてももったいないことです。
ジャンプ力は、助走や踏み切りの使い方しだいで、これからいくらでも伸ばせる部分なんですよね。



平均より下だと、ちょっと落ち込んでいました…。



比べる相手は他人じゃなくて、過去の自分でいいんだ。伸びしろがあるって、むしろチャンスだよ。



そう考えると、これからが楽しみになってきました!



その前向きさが一番の才能。あせらず積み上げていこう。
最高到達点の目標の立て方|ネットの高さを基準にする


到達点の目標は、ネットの高さを基準に立てるとわかりやすくなります。
公式ネットの高さを知っておく
一般の公式ネットの高さは、次のとおりです(年代によって変わります)。
- 男子:2.43m
- 女子:2.24m
- ※中学生以下などは、年代・カテゴリごとに低く設定されます
中学生や小学生は、大人より低いネットでプレーします。だから「2.43mに届かないとダメ」と考える必要はありません。
自分の年代のネットの高さを基準にして、まずはそこより高く届くことを目標にすれば十分です。
ネットより高い打点を目標にする
スパイクは、ネットの上端より高い打点でとらえてこそ、上から打ち下ろせます。そのため、まずは「ネットより高い所に届く」ことが第一の目標になります。
理想を言えば、ネットの上端よりも20〜30cmほど高い所でボールをとらえられると、コースもつけやすく、ブロックの上からも打ちやすくなります。
たとえば男子なら、2.43mのネットに対して2.65〜2.75mあたりに届くことが、一つの目標の目安になります。
ただし、ボールはネットのすぐ上ではなく少し手前で打つので、到達点がネットちょうどでも打てないわけではありません。
まずは「自分の到達点 + ジャンプを伸ばす」で、少しずつ高い打点を目指していきましょう。
高さは「打てるコース」を増やす
もう一つ覚えておきたいのは、到達点が高いほど「打てるコースが増える」ということです。
ネットより十分高い所でとらえられれば、ストレートもクロスも打ち分けやすく、ブロックの上からも打ち下ろせます。
高さは、ただの自慢の数字ではなく、攻撃の選択肢そのものを増やしてくれるのです。だからこそ、少しずつでも到達点を上げる価値があります。



まずはネットより高く届くことを目標にします!



それでいい。ネットを基準にすると、目標がはっきりして練習にも身が入るよ。
最高到達点を伸ばすには?ジャンプの3つの土台
最後に、到達点を伸ばすための土台を3つ紹介します。
到達点を伸ばす3つの土台
- 助走を使う:走ってきた勢いを、上へのジャンプに変える
- 踏み切りを鋭く:足で地面を強く押し、短く力強く跳ぶ
- 体幹で軸を保つ:空中でブレずに、高い打点を最後までキープする
意外に思われますが、到達点は「垂直跳び」だけでなく、助走と踏み切りで大きく変わります。
その場で跳ぶより、助走の勢いを上に変えられる人のほうが、同じ筋力でも高く跳べます。
そのため、まず助走から踏み切りまでの流れをスムーズにすることが、到達点アップの近道です。
そのうえで、ジャンプ力そのものを上げる筋トレや、空中でブレない体幹づくりを組み合わせると、数字が伸びていきます。
まずは助走と踏み切りから見直す
3つの土台のうち、まず見直したいのは助走と踏み切りです。最後の2歩を「タン・タン」と素早く踏み、地面を強く押して上へ跳ぶ。
この流れがスムーズになるだけで、同じ筋力でも到達点が数cm変わることはよくあります。筋トレはそのあとでも遅くありません。
まずは動きの中で高さを引き出すことから始めましょう。
もちろん、ジャンプを支える脚や体幹の筋力も、続けて鍛えるほど到達点の伸びしろは大きくなります。
「動きの工夫」と「体づくり」の両方を、あせらず少しずつ重ねていくのが、いちばん確実な近道です。
ジャンプ力そのものを上げるトレーニング
動きが整ってきたら、ジャンプ力を上げるトレーニングを少しずつ足していきましょう。
ジャンプ力は、すばやく地面を押す力・脚の筋力・体の軸の3つで伸びていきます。
たとえば、その場で連続して軽くジャンプを繰り返す練習は、地面を素早く押し返す力を育てるのに役立ちます。
スクワットのように脚全体で体を支える運動も、踏み切りで地面を押す力の土台になります。
そこに、空中でブレない体幹のトレーニングを組み合わせると、高い打点を最後までキープしやすくなります。



ジャンプ力ハ 「ハヤク押ス力」「脚ノ筋力」「体ノ軸」デ ノビル
中学生年代では、重いダンベルやバーベルを使う必要はありません。自分の体重を使った運動で十分に伸ばせます。
重い器具を使った筋トレは、体ができてくる高校生年代からでも遅くありません。
成長期は骨や関節がまだやわらかいので、無理をせず、正しいフォームで続けることのほうが大切です。



あせって重い器具に手を出すより、まずは自分の体重で正しく動くこと。そのほうがケガもなく伸びるよ。



助走と踏み切りから見直してみます!



いいね。筋トレの前に、まず助走の勢いを上に変える。そこを覚えると一気に変わるよ。



同じ力でも、使い方で数cm変わるなら、やる価値ありますね!



その通り。まずは「跳び方」から。そこが整うと、トレーニングの効果も乗りやすくなるよ。
助走の勢いを高さに変えるコツや、空中で姿勢を保つコツは、それぞれの記事でくわしく解説しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ|数字は「過去の自分」と比べて伸ばそう


最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 最高到達点は「指高+ジャンプの高さ」=実際に手が届く高さ
- 壁とチョークがあれば、いつもの助走ジャンプで自分で測れる
- 平均はあくまで目安。比べる相手は他人ではなく「過去の自分」
- 目標はネットの高さを基準に。まずはネットより高く届くことから
最高到達点は、身長だけで決まるものではありません。助走・踏み切り・体幹を磨けば、ジャンプ力が伸び、到達点も上がっていきます。
努力で変えられる部分が大きい数字なのです。



身長は変えられなくても、到達点は工夫で伸ばせる。そこに伸びしろがあるよ。
まずは壁とチョークで今の自分の数値を測り、ネットの高さを基準に目標を立ててみてください。そして月に一度測りながら、「過去の自分」を少しずつ超えていきましょう。
私は元日本代表として、そしてバレーボールコーチ4の資格を持つ指導者として、これまで多くの選手を見てきました。
到達点を着実に伸ばす選手は、数字に一喜一憂せず、測って・目標を立てて・コツコツ積み上げています。
あなたもぜひ、自分のペースで高さを伸ばしていってください。



さっそく今の到達点を測って、記録をつけます!



それが第一歩。測って、目標を決めて、過去の自分を超えていこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
バレーボールをもっと好きになる「ハイキュー!!」
私の指導現場でも、選手のメンタルや戦術理解を深める教材としておすすめしているので、ぜひ一度見てください♪
▼ プライム会員なら全シーズン見放題(30日間の無料体験あり・期間内に解約すれば0円)









